【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:小山薫堂氏、老舗料亭を経営」から
2013/07/01
2013.6.27 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:小山薫堂氏、老舗料亭を経営」から
同氏の幸せの視点からの経営改革
コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、京都の老舗料亭「下鴨茶寮」の経営を引き継いだ放送作家の小山薫堂氏が新規の仕事を始める際の3視点について語っている。
○多才な小山氏の3つの視点
米アカデミー賞受賞作『おくりびと』の脚本家、出身地熊本県のPRキャラクター「くまもん」の生みの親、テレビ番組「料理の鉄人」を手掛ける等、多彩な才能をもつ小山薫堂氏。今度は、京都でも名高い下鴨茶寮の経営者としてどのような手腕を見せるのか、というのが三浦教授の興味を引くところだ。
小山氏が新たな仕事を始めるとき、これまでと一見脈絡のない仕事に見えるが、3つの条件があるという。
- それは自分にとって面白いか
- それは誰かがやっていないか
- それは誰かを幸せにするか
だという。最初の2つ目までは多くの人が実践しているだろうという。すごいのは、誰かを幸せにできるかという視点である。
○従業員を幸せにした日光金谷ホテルの再建
当初、従業員もホテルも疲弊して下向きの姿勢であったという。そこで、小山氏が導入したのは、名刺の革新であった。
- 従業員にホテルで一番誇れるものを選んで写真撮影をする
- その中から30点を選び、各人の名刺の裏に印刷。
- 全部集めたお客様に記念品を提供
といった活動を開始した。開始後、なかなか好評で、お客様が名刺を集めるようになった。そのうち、誰が何の名刺を持っているといったところから、お客様とのコミュニケーションが取れるようになり、皆、顔を上げて、お客様と目線を合わせて堂々と話すにようになったという。
昨今の経営コンサルだとすぐにコストカットや人員カットとなるが、小山氏の改革は、コストカットなどで更に下を向くような改革ではなく、誇りを持って、お客様と堂々と話すことで、従業員は幸せとなり、それがホテルの再建につながったという。
小山氏の視点は、誰を幸せにするか、つまり関係者に注目しそこに経営の根幹があるとにらんだ基本に忠実であったと言えよう。
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