【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エースの超軽量スーツケース」から
2012/03/04
2012.3.1 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エースの超軽量スーツケース」から
女子旅ブームとスーツケース
コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介する事例は、大手バックメーカーのエース(東京・渋谷)である。これまでの同社のスーツケースが男性の頑丈さを売り物にしてきた視点を変え、同社は、企画を担当した入社1年目の新人デザイナー、久世温子さんを抜擢した。
「女性目線での企画」。これが久世さんの課題である。スーツケース製造を「女子旅」ブームに乗せるのが使命である。ターゲットは20代から30代の女性。女性が友達と連れ立って、あるいは母娘での旅といった「女子旅」。
先ず取り組みは、これまで以上の軽量化である。水よりも軽い耐衝撃性ポリプロピレンを素材とした特殊シェルで、従来品の40%の軽量化に成功したという。軽量化だけでなく、女性が好むモチーフ検討し、雪山、結晶、オーロラなどの自然が作り出す造形をベースに50以上のスケッチに加え、トレンドやベーシックなもの、久世さん自身の感性で6色を選定した。カラーの呼称も、ピンクではなく、オーシャンローズといった自然を意識したモノにした。
この女子旅向けスーツケース。3月3日発売で、10日よりAKB48の篠田麻里子さんを起用して「ラグーナライト」シリーズとしてTVでCMを行う。
LCC(格安航空会社)や羽田空港の国際化などで女子旅マーケットは拡大するとみられ、女性が好む軽量化に代表される機能とデザインの向上で差別化を行うという。
ブームへの便乗だけでなく、差別化のマーケティングが売上の差をつけそうだ。
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