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【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「科学は幸せを招くか:社会制度と両輪回せ、サイエンスNextViews」から

2024.5.12  日本経済新聞の記事「科学は幸せを招くか:社会制度と両輪回せ、サイエンスNextViews」から

科学と社会制度の両輪をうまく回す施策が必要

コラムの著者 草塩 拓郎氏(サイエンスエディター)は、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が今年2月に公表したアンケート調査を受けて、科学技術の進歩と経済成長や健康の増進などとの関係について一定の評価がでたことを述べている。

○科学技術とウェルビーイングの関係を直接調査

コラムの著者は、同調査を担当した渡辺英一郎総括上席研究官に調査の特徴と結果について聞いている。同調査は、科学技術とウェルビーイングの関係を直接調べた調査は世界でも珍しいという。21〜25年度の第6期科学技術・イノベーション基本計画がウェルビーイングの実現を掲げたことを契機に調査が進んだ。

調査は2023年12月にインターネットによって15〜69歳の男女6600人を対象に実施し、健康や経済など22分野で科学技術の進歩がウェルビーイング(心身の健康と幸福)につながるかどうかを尋ねている。配点は、「そう思わない」を1点、「そう思う」を4点など4段階とした。得点が高いとウェルビーイングが高いことになる。

  • 評価が高かった項目:健康状態(65%)や経済成長(63%)、身の回りの安全、生活の面白さ。()内は回答が3点以上の割合。
  • 評価が比較的低い項目:社会正義、マイノリティーの包摂、ジェンダー平等(いずれも35〜36%)
  • 評価が最も低い項目:家計と資産、雇用環境と賃金(43%程度)、ICT化やAIの進歩がいずれの項目の改善につながっていないと見られている

このような結果から科学技術の推進に加えて、望ましい社会のあり方の議論や社会制度の改善に注力すべきとも読み取れる。

回答者の属性から評価の関係を見ると興味深い。育児や人間関係など自身の関心が深い分野で科学技術を高く評価する傾向があることも分かった。同様にSNSをよく利用する人は、科学技術が交友関係を豊かにすると答えがちであったという。

渡辺研究官は今回の評価を受けてさらに質問項目や調査方法を洗練させ、調査の精度を上げたいと考えている。一人一人が多様な幸せを実花できる社会にむけ、科学技術が果たす役割と限界を見極めることが大事だと草塩氏は示唆している。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:『シーガイア』とIR」から

2024.5.12  日本経済新聞の記事「春秋:『シーガイア』とIR」から

海外が遠かった時代の常夏の国は宮崎

コラムの著者が語っているのは、経営破綻したシーガイアのこれまでの経緯とカジノを含む統合型リゾート(IR)の候補地に擬せられていただけに将来性について語っている。

○30余年の紆余曲折はまるで日本経済

コラムの著者によれば、1967年10月2日京都発のハネムーン専用列車「ことぶき号」が宮崎に初めて乗り入れたと言う。当時、ホームに降り立つ新婚カップル90組を宮崎市長が直々に出迎えた。このころ南国宮崎は観光ブームに湧き立っていた。昭和天皇の5女、貴子さんと島津久永氏夫妻が新婚旅行先として1960年5月に選ばれたからである。

ご当地ソングもつくられ、NHKは朝の連続テレビ小説「たまゆら」(川端康成原作)を放映したと言う。まさに海外が当時遠かった時代、宮崎は常夏の国であった。

その宮崎にシーガイアは復権を願い、第3セクター経営の大型リゾート施設として1993年に開業した。しかしバブル崩壊の影響をもろに受けて経営破綻。米投資会社の手に移り、最後にセガサミーホールディングスが買収した。さらに最近の報道では米投資ファンドに売却されるという。目まぐるしい転変はまるで日本経済のようである。

議論を呼んだIRにも似せたシーガイアであるが、その可能性も消える売却劇である。だが当地は今も美しい海岸があり、開発を免れたクロマツの林は、いまも人の世の思いとは別に常夏の国であることを彷彿とさせている。☀️🌊🌴🍣🐟✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「社説:起業の加速で日本経済に活気を吹き込め」から

2024.5.10  日本経済新聞の記事「社説:起業の加速で日本経済に活気を吹き込め」から

「スタートアップ育成5ヵ年計画」の実践は今こそ

世界でスタートアップ企業への資金調達へ逆風が吹いている。背景に金利上昇により米国などで投資が落ちんでいるからである。社説の著者によれば、日本は相対的に影響は軽微である。この経営環境をチャンスと捉えることが日本で起業と経済を活性化につながると訴えている。

○VB投資がまだまだ細く専門人材も弱小、大手企業の支援も

社説によれば、KPMGの調査で2024年1〜3月期の世界のVC投資は前年同期より21%少ない759億ドルで8四半期連続で前年割れであった。日本国内は横ばいであった。

とはいえ、良い状況ではない。日本国内の若い企業への資金の流れは以前として細い。2024年1〜3月期も世界の1%強に留まっている。VCやファンドの強化が相変わらずの課題である。

大企業の役割も大きい。多くのCVCは社内のM&A部門と別になっており両部門を一体化して専門性を高め効果をあげるべきだと社説では指摘している。投資先やその候補をM&Aの対象に捉え、機動的に資金が投入できるようにしたい。良き事例は、KDDIと通信関連のVBであったソラコムの上場がある。

VBの成長は資金のみならず、法務や財務などを担当する専門人材も不可欠である。日本は市場参入の容易さは改善されているが、専門人材の分野で諸外国に劣っていると、米バブソン大学などが20242月に公表した世界の起業環境の比較調査報告が示している。専門人材の育成と流動性が必要である。また、起業家教育や企業家の地位も海外に比べて見劣りしている。若いうちからキャリアパスの1つに起業があってもおかしくない。岸田政権が2022年に策定した「スタートアップ育成5カ年計画」を実践するのは今がチャンスである。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:生きていてよかった」から

2024.5.9  日本経済新聞の記事「あすへの話題:生きていてよかった」から

誕生肯定は哲学者にとって聳える未踏の絶壁

前回に引き続き、コラムの著者 森岡 正博氏(哲学者)は、誕生肯定である「生まれてきて本当に良かった」とは具体的にどんな気持ちであるのかを、類似した言葉で「生きていて良かった」と対比して考察している。

○「生きていて良かった」と似通っているが対比する対象が異なる

相田みつを氏の作品に「生きていて良かった」という著作がある。この著者のタイトルと誕生肯定の「生まれてきて本当に良かった」と似通っているがかなり違うと、森岡氏は指摘する。

「生きていて良かった」は、そう思う以前に当事者にとって辛く厳しい好ましくない状態が続いていた中で、不意に思ってもいなかったような素晴らしい体験をした時に使われるのが典型的であろう。つまり、死なずに今日まで生きていて良かったと言う感想を持ち、その背景には死ななくて良かった、生き続けて本当に良かったという感慨である。ここでは死ぬことと生き続けることが対比されている。

一方、「生まれてきて本当に良かった」は、多分に比喩的になるが、森岡氏によれば、誕生以前の永遠の無に沈んでいる状態から脱出し、この世に生まれて人生を経験できるようになった状態と言える。この言葉は、生まれる以前と生まれた後の存在を対比している。「生きていて良かった」と対比の対象が異なり、誕生とは無関係である。「生まれてきて本当に良かった」が難しいのは、比喩的にしか語れず、まさに哲学者にとっては聳える未踏の絶壁だと森岡氏は指摘している👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「経営の視点:新卒採用は急がば回れ、非効率がミスマッチ防ぐ」から

2024.5.6  日本経済新聞の記事「経営の視点:新卒採用は急がば回れ、非効率がミスマッチ防ぐ」から

一括採用で多くの学生のスキルや適性を見極めることは困難

2025年春に卒業予定の大学生を対象にした採用選考が6月から解禁となる。すでに例年より「売り手市場」との見通しを立てているところも多く、企業側にも焦りがある。コラムの著者 半沢 二喜氏(日本経済新聞 編集委員)は、いくつかの企業での採用法を例示時ながら、ミスマッチを減らすことを考察している。

○採用方法を多様化し、手間をかけてこそミスマッチを減らすことにつながる

リクルートの調査によると、今年4月1日時点で、採用の内定率は58.1%で前年同月を9.7ポイント上回っているという。つまり採用活動の前倒しが顕著で、予定人員数の確保が優先しており、採用後に大学生も企業にとっても大きな損失となるミスマッチが増えないかと半沢氏は危惧している。つまり効率を優先するがあまり、ミスマッチが増え、本末転倒となりかねない。そろそろ新卒一括採用を見直すべきだと半沢氏は語っている。

  • あえて非効率を選ぶ中古品売買のバイセルテクノロジーズ:同社は通年採用で1対1の面接に約1時間かけるという。これまで悔しかったことや楽しかったことを聞き取り、「何のために働くのか」という根源的な問いについて語り合うのだと言う。適材適所で活躍してもらうために、個人が成長する背景を感じ取り、価値観を擦り合わせることだという。
  • U-NEXT HOLDINGS:2019年採用から改革を継続。学生にはエントリーシートの代わりに自己PR動画の提出を求めるのだという。学生側が面接官を選定でき、最終面接に不合格になっても再挑戦できる。企業と学生は対等という考えから、各選考での通過者数や内定受諾者数を同社のウェブで随時更新している。
  • ジョブ型人事制度を導入する日立製作所:新卒採用でもマッチングの精度を上げる試みを行なっている。職種別採用の他に、新入社員らの紹介による採用を拡充している。さらに約2週間の長期インターンシップも推進している。受け入れる現場の負担は大きいが、人事部門が必要性と有効性を説いて回って増やしている。長期インターン生の採用率も増えたという。

一括採用で大量の面接を行うことでスキルや適性を判断するのは極めて難しい。例示の企業のように、採用法を多様化し、手間をかけることでミスマッチを減らす。今年のチャレンジはこの辺りにある。🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵