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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:宇宙ビジネスの『失敗』を見守ろう」から

2023.5.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:宇宙ビジネスの『失敗』を見守ろう」から

失敗学を生かして宇宙開発の「死の谷」を克服しよう

宇宙スタートアップのispaceが民間初の月面着陸に挑戦したが失敗。残念ではあるが、着地を試みるまでの実データの収集で得られた知見は大きいと、同社の社長 袴田武史氏の言葉が印象的だとコラムの著者は述べている。

○人類未踏のフロンティアへの挑戦には小さな失敗は避けられない

 袴田氏はさらに「次のミッションに向けた大きな一歩」と話している。確かにその表情には悔しさがあったが、確かな手応えと希望が見えたとコラムの著者も感じたという。

一方、JAXAの大型ロケット「H3」の打ち上げが先日失敗したが、打ち上げを巡って一悶着があったという。2月に離陸できなかった際に、ある記者が「失敗」と断定した一幕で波紋が広がった。ステ台詞のような言い方はともかく、国民の税金が使われるプロジェクトだけに、曖昧な説明は許さないという姿勢は理解できる。ただ、人類未踏のフロンティアへの挑戦に対してプロジェクトの進行の「成否」だけで語れないところがあるのも事実であろう。

宇宙開発や多くの未踏分野での事業化が軌道になるまでに要する「死の谷」という長時間が焦点である。「死の谷」では失敗が成功の糧や学び、イノベーションになる自覚が必要で、失敗を部分的な成功と捉えて挑戦をやめない姿勢が不可欠であろう。失敗学の応用である。我々もその視点で宇宙ビジネスの成り行きを見守りたい。🚀📉📈💡🗼💰💴💵👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は『経過観察』状態、多くが正常と異常の境界に」から 

2023.5.12  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は『経過観察』状態、多くが正常と異常の境界に」から

「リスクゼロであるべき」から「リスクとの共存」の時代へ

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、健康診断と同様に社会にも「経過観察」が求められる時代だという。経過観察は、正常と見なされる状態から少し外れているので注意深く自己管理に努めよという意味だが、社会でも経過観察、つまりリスク管理が求められる機会が増えているという。

◯現実は危機的な状況と日常が地続きで正常と異常の境界は曖昧

 関沢氏によれば、日本は以下のような経過観察の対象があるという:

  • 新型コロナウイルスの5類移行:5月8日に季節性インフルエンザと同等の扱いに移行し、警戒は今後も必要で経過観察である。
  • 巨大地震:南海トラフ地震、首都直下地震など
  • 温暖化ガスによる気候変動
  • ロシアによるウクライナ侵攻で顕在化した国際情勢の緊迫
  • 原子力発電所、橋、道路、マンションなどのインフラ施設の老朽化

これまで日本ではリスクはゼロであるべきだという考えで動いてきたが、現実は危機的な状況と日常が地続きで、正常と異常の境界は曖昧である。その中で創造性は物事を単純に割り切らず、曖昧さに耐える中で発揮される。防災の世界では普段使いでも非常時の局面(フェーズ)に役立つように、製品、システム、インフラなどに創意工夫をこらす「フェーズフリー」が注目されている。

経過観察には関沢氏によれば以下がポイントであるという:

  • 定期的な点検:橋のようなインフラから個人の健康で必要でAIやICTで観察できる。
  • 平常心で警戒:リスク低減の努力が平常から必要。
  • 情報の透明性:正常と異常の境界域にある時代では重要である。
  • リーダーの説明責任:危機が深刻になった事態でも人々の連帯感を保って行動するために必要。恐怖に萎縮せず、長期的視点が必要。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:VCを志望する人へ」から

2023.5.11   日経産業新聞の記事「WAVE:VCを志望する人へ」から

人事権を持つパートナークラスだと変人属性も重要か?!

コラムの著者 成田 宏紀氏(DCIパートナーズ社長)によれば、転職や人材サービスのCMで「こんな人材いったいどこで」といったフレーズが出るが、VC業界も御多分に洩れず人材採用の悩みは多いという。

○ニッチなVC業界の人材だが注目される職種

成田氏のVCはバイオ分野がターゲットであるが、ニッチな業界でも最近は志望者が増加傾向あるという。業界の底上げも図れ、優秀で多様な人材が存在している点で嬉しい限りであると成田氏は述べている反面、「人材の墓場」と言われかねない結果を出すのが難しい業界であるという。

VC業界にアプローチしてくる手段は、他の業界と同様、知人の紹介や問い合わせフォームへの直接の売り込み、人材紹介会社によるもの、エージェントによる仲介といったものがある。この中で転職からの志望であると、日中ベリバリ働き、そこ中で少なからずのVCを選択することは難しい。しかもVC自体は小さな組織であるので採用枠も1人か2人での奪い合いというのが現状である。有象無象のVCの中から希望の社をピンポイントで選ぶのはかなり難しい。

またVCの幹部であるパートナークラスになると、良い意味でクセのある人が多いという。独自の視点と飽くなき好奇心を持つ人物であるため、この2つの特性がかけ合わさった状況で、高確率で変人属性を獲得しているという。🐱🐶📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:命名は企業価値に響く」から

2023.5.10  日経産業新聞の記事「SmartTimes:命名は企業価値に響く」から

ブランドネーミングは経営の重要な要素

コラムの著者  伊藤 伸氏(東京大学特任准教授)によれば、製品やサービス、組織などへの命名をブランドネーミングと呼ばれ、経営の重要な要素とする考え方があるという。ブランドは競争力の源泉になり、前提として顧客の認知がなければ成り立たず、名称がなければ訴求力がないという。

○新製品、新サービス、新規事業の投入にネーミングが重要な役割を果たす

 伊藤准教授は、ネーミングが新製品、新サービス、新規事業のもつメッセージとしてそれ自体が働くとしている。だから多くは多様な概念を詰め込みたくなり、最適解が見つけにくいと言われている。

これまで、顧客を惹きつける名称の創出手段や手法が議論となったが、多くの要素が絡んでいることがわかってきた。

  • 新発想と既存名称の組み合わせ方
  • 語感の良さ
  • 地名や理念を含める
  • 頻出語句からの選択 
  • ズバリそのものの名称 
  • 近年はSNSなどの拡散の容易さ 
  • 略称を持つことでネット検索にも発見されやすい
  • 商標登録などの法的な権利保護も必要 など

多くの要素で検討されてきた。出来の良いネーミングは製品カテゴリーを連想させて、消費者の心理的欲求を満たすイメージを醸し出すという。

また、商材の位置付けと適用範囲も重要である。つまり、社名をそのままブランドにする、製品ごとにブランドを立てる、複数の製品に一貫したブランドを使うといった戦略の差もある。

伊藤准教授によればネーミングの事例研究は多いが、ブランド価値や企業価値との直接的な関係の実証研究はまだ少数であるという。またネーミングが成功したか否かも主観的で、手法もひらめきや直感に依存する色彩が濃い。このあたりはまだまだ科学的探究が必要な分野であるという。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:イベント駆動へのパラダイムシフト」から

 2023.5.10  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:イベント駆動へのパラダイムシフト」から

社会に深く根を下ろしているスケジュール駆動

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、規定の予定に従って動くスケジュール駆動と個人の意思や社会の需要が端緒になって動くイベント駆動を対比しながらIoT社会の現代で変化が起きているかを論じている。

○イベント駆動重視の社会は合理的で多様な個性を許容する反面、なりすましや情報流出のリスクがある

山﨑教授によれば、既存のスケジュールがあり、皆がそれに合わせて動くという「スケジュール駆動」と個人の意思や社会の需要がきっかけになる場合「イベント駆動」と呼ばれると言う。

以下、山﨑教授は、スケジュール駆動とイベント駆動について例示している:

  • 決まった年齢になると学校に行く:スケジュール駆動。国民に教育を普及させる段階には効率的で有効。多様化した進学先の受験を目当てにする塾の問題など教育システムの問題点が浮き彫りになった。
  • 四季に合わせた農業:食料の需要は年間に存在するが収穫は年間で1回か2回。天候に左右され、需要と供給のギャップを調整するために貯蔵、加工、流通で価格変動や作物が廃棄される。
  • 交通システム:公共の鉄道やバスはスケジュール駆動。タクシーや自家用車はイベント駆動。移動のニーズが多様化すればイベント駆動に主軸が移るが、移動のリソースを共有できず、コスト高になる。
  • 医療:患者の健康に起因するイベント駆動。高度な検査機器や専門技師が都市に偏在するため、患者は移動した上に長時間待ち状態になる。
  • 放送や新聞:発信はスケジュール駆動の一方向であるが、ニュースの発生はイベント駆動。専門家や評論家を動員して読者や視聴者の視野を広げてギャップを埋めている。
  • インターネットサービス:イベント駆動で受発信できる双方向。ただ発信者の顔は見えず、情報の真偽も不安というリスクがある。

以上から山﨑教授はIoT社会ではスケジュール駆動からイベント駆動に多くがシフトすると予想したが、現状はパラダイムシフトは起こらず、スケジュール駆動が社会に深く根付いていることから多くは現状と同様だという。イベント駆動は合理的で、個人の発議などで動く反面、フェイクやなりすまし、プライバシーの侵害、情報漏洩といったリスクや犯罪の芽があることも山﨑教授は指摘している。🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵