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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:コロナ後の対応、過去の反省いかせ」から

2023.5.16  日経産業新聞の記事「眼光紙背:コロナ後の対応、過去の反省いかせ」から

13年前の提言がいかされず

コラムの著者は、新型コロナウイルスを感染症法上の扱いが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に5月8日から移行したが、過去の反省すべき点が大いにあると指摘している。

○豚インフル、鳥インフルそして新型コロナの施策に問題はなかったか

日常生活が戻ることは良いことではあるが、5類に移行したと言っても新型コロナウィルスや新たな感染症の流行がなくなるわけではない。

過去の新型インフルエンザ流行の経験が生かされなかった今回には、反省すべき点が多いと言う。

  • 豚インフルエンザ:メキシコを発生源とした豚由来の新型インフルエンザ(H1N1型)が2009年から2010年にかけての出来事だった。
  • 鳥インフルエンザ:豚インフルエンザと同時期に致死率の高い鳥由来の新型インフルエンザ(H5N1型)が人間にも感染する懸念はあって、VOVID-19よりも日本国内の警戒は高かったと言う。
  • これらの流行収束後の10年、当時の民主党政権下で厚生労働省は新型インフルエンザを踏まえた感染症対策の提言をまとめている。提言では、感染症対策の要衝として国立感染症研究所や保健所の人員・体制の強化、PCRなどの検査体制の充実を求めていた。

だが問題はこれを引き継いだ自公連立政権で、提言とは「逆」に国立感染症研究所の予算や人員を大幅に削減、地方自治体では保健所の体制縮小も進行した。新型コロナウイルスの蔓延で、対策が後手に回ったのは周知の事実である。

歴史的に感染症と人類の戦いは繰り返し起こっており、さらに地球温暖化が進行すれば流行地域が拡大するリスクがある。13年前の提言を今一度生かさねばならない。🦠😷📉📈💡🗼💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:求められる触媒的政府」から

2023.5.17  日経産業新聞の記事「SmartTimes:求められる触媒的政府」から

経済成長に大きな政府も小さな政府も長短あり

コラムの著者  栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、2000年代世界の先端を走っていた移動通信の品質とサービスは今や新興国に劣後し、輸入部品に頼る事態となってかなり厳しい危機感を感じている。状況を打開する施策はあるのか。

○政府の市場介入ではなく触媒としての役割に徹する

 栄籐教授によれば、この状況を変えるには政府が触媒の役割を果たし経済成長やイノベーションを促進するために、積極的に環境保護や先進技術分野を支援することだという。この触媒主義は、米国月刊誌ワイヤードが2023年に予測される最重要パラダイムシフトを特集した記事の中でアジーム・アズハル氏が名付け、新しい政府の役割を提唱しているという。

これまで政府の市場関与は歴史的に大きな政府と小さな政府の間で、振り子のように揺れてきた。1960年代ジョンソン米大統領が大きな政府を目指し、経済はインフレや失業、エネルギー危機などの課題に直面した。一方、1981年代、ロナルド・レーガン大統領は小さな政府で規制緩和などに焦点を当てた。政府が市場から離れ、起業家が消費者のニーズに応える自由を持つことが、最も効率的で経済成長をもたらすものとされた。確かに1980年代から1990年代にかけて多くの西側諸国は経済成長を達成した。しかし副作用として、貧富の拡大、経済の不安定化を招いた。

この反省から、「触媒的政府」の概念は政府が単純に市場から離れるのではなく、適切な支援や政策を通じて、イノベーションや持続可能な成長を促す役割を果たすものだという。伝統的な市場介入政府と触媒的政府との相違は一線を画すべきだと栄籐教授は述べている。

先の大きな政府で米英国は環境保護や消費者保護の権限を手に入れ、それがかえってビジネスを阻害した。日本では、護送船団による特定の産業セクターが保護する反動で失われた10年を経験した。触媒的政府は栄籐教授によれば、デジタルによる情報収集と市場との対話を通じて、将来の利益産業セクターに戦略的な投資を行うべきだという。前述の5Gの通信産業は日本国内に、対応する通信サービス・装置の製品化を目指す起業家は皆無で、民間投資事業もない現状だ。ここでプレーヤーの新陳代謝を促す必要があろう。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:SVB破綻からの教訓」から

2023.5.16  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:驚きの自動運転車の進化」から

自動運転車の機能もさることながら「慣れる」自分に驚き

限定的な乗客・時間や地域で一般向けに完全自動運転の無人タクシーサービスを開始したサンフランシスコ市で、コラムの著者 小松原 威氏(WiLパートナー)が乗車体験をして気づいたことを述べている。

◯今後広がる利用時間

小松原氏によれば、サンフランシスコ市の限定サービスは

  • ウェブサイトから登録した希望者のみ順番に招待メールが届く
  • 同市の限定的地区
  • 夜10時から早朝5時半の人通りが少ない時間帯のみ利用

となっている。まるでSFの世界のようにスマホでタクシーを呼んで、運転手がいないタクシーの後部座席に乗り込むと目的地に向かってゆっくりと動き出すという。

米GM傘下のGMクルーズ社がロボタクシーと呼ばれる無人タクシーを運営している。

実際に小松原氏が初めて乗車してみると、驚きの体験であったという:

  • 当然ながら無人タクシーのハンドルが勝手に動く
  • ゆっくり走り始めたが、突如、急ハンドルを切ったり、停車中の車のそばを通り抜ける時など声をあげそうになった
  • 設置されたディスプレーには目的地までのルートが表示されるが、何度もルートが変わるので、本当に目的地に着くのか不安になった

ところが、2回目の乗車の時は体験が変わったという。初回と同様にスマートフォンのアプリでタクシーを呼び、後部座席に乗り込んだ。その後初回はかなり周囲に気を取られて疲れたが、2回目はスマホをいじりながらリラックスする自分に逆に驚いたという。無人で運転手もいないのに、自分ながらここまで早く完全自動運転に慣れるののかと驚いたという。

今後無人タクシーの利用時間は日中に拡大し、無人の自動運転車が走り回っている未来は夢物語ではなくもう現実になりつつある。では、後部座席で乗客は何をして過ごすのだろうか。📱🗾🚕🏦📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:顧客よりまず投資の危うさ」から

2023.5.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:顧客よりまず投資の危うさ」から

かつての液晶パネル工場の失敗を繰り返すのか?

コラムの著者は、最先端半導体の日本国際を狙い有力企業や経済産業省も出資しているラピダスの工場建設を考察し、海外との差異とリスクについて語っている。

○発注企業があっての投資

コラムの著者は、ラピダスの工場建設が北海道で始まったという。投資額は研究開発から生産ラインまで2027年までに3兆円、今後10年間では総額10兆円と言われ、トヨタ自動車、ソニーグループなど有力企業が株主である。問題なのは経済産業省はここまでに合計3300億円の「税金による支援」を行なっている。そこには半導体強国再生の鉄壁の布陣を敷いたという。だが、コラムの著者が指摘するように線間2ナノメートルの最先端半導体の顧客が日本国内にいるのかという根本的な疑問がある。

同様なプロジェクトに米国で台湾のTSMCや韓国のサムスン電子が巨額投資を進めているが、アップルやクアルコム、NVIDIA、AMDといった発注企業が明確で、ライン建設の途中から予約受注で、生産能力が埋まる。つまり顧客がいて、それに供給するための投資というわけで順当な話である。ところが、ラピダスの顧客は、自動運転関連企業には期待があるが、スマートフォン、サーバー、ウエアラブル機器などの電子機器はほとんどが国外で、国内勢はゲーム機関連と需要は浅いという。つまり例え、最先端半導体の開発に成功しても生産能力を大きく下回る販売量しか期待できず、採算は取れないことになる。かつての液晶パネル事業で当時世界トップであったが、2位以下を振り切ろうと進めたが生産能力に見合った顧客が現れず頓挫した。孫氏曰く、「勝兵は先ず勝ちてのちに戦いを求め、敗兵は先ず戦いて後に勝ちを求む」(戦略の本質は、「実際の戦いの前に」勝てる態勢と状況を作っておくこと、そしてそうした事前準備をした上でタイミングを見て実際の戦いを始めること、その二点にある)という諺通りの失策にならないか、危惧するものである。🖥️⛪️📉📈💡🗼💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇹🇼


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:エンジニアのEV挑戦」から

2023.5.12  日経産業新聞の記事「SmartTimes:エンジニアのEV挑戦」から

国際規格の商用EV車両を生産しエネルギーマネジメント事業の展開へ

コラムの著者  吉井 信隆氏(インターウォーズ社長)は、30年間エンジニアとして電池の応用システムを研究し、それをEVやバッテリーの生産に応用して海外にも挑戦しているEVモーターズ・ジャパン(佐藤裕之氏創業)を取り上げている。

○1980年代に賞賛された日本企業の経営の衰退からの変革に期待

 吉井氏によれば、東京都渋谷区のコミュニティーバス「ハチ公バス」(神宮の森ルート)として同社のEVバスが2023年3月1日から運行を開始したという。同社のEVバスの特徴は、

  • 加速・減速時の変速によるショックが従来の路線バスよりも少ない
  • 排気ガスがないのでにおいがなく、静かで揺れも少ないので乗り心地が良い

と乗客にも好評だという。同社は独自のモーター制御システム(アクティブ・インバータ)を使って、リアルタイムでトルク制御ができ、さらに走行時の加減速で電池の消費電力を制御することで、低電力化とバッテリーの長寿命化を実現している。この技術でEVバス・eトライクなどの製造販売を始め、さらに幅広いエネルギーマネジメント事業が高評価を得て受賞もしている。

創業者の佐藤裕之氏は日鉄エレックス(現・日鉄テックスエンジ)とエナジーコントロールズでエンジニアとして30年にわたりリチウムイオン電池の充放電応用システムを研究開発、EVやリチウムイオン電池を生産する主要メーカーへ同システムを提供して生産拡大に貢献してきた。

佐藤氏はEVモーターズ・ジャパンを創業する際に蓄積したノウハウと信頼を最大限に活かして、国際規格の商用EV車両を生産するビジネスモデルを中国メーカーとの提携で構築したという。同社のEVミニバスは最大走行距離290キロメートルと一般のEVの性能を大きく超えているという。また、EVバス製造に留まらず、環境を配慮し、培った独自の電池制御をエネルギーマネジメントとして事業を展開するという。

1980年代には日本型経営が賞賛されたが、その後「失われた30年」と言われ続けて衰退しているが、佐藤氏のような日本のエンジニア起業家の「イノベーションと新しいビジネスモデルの構築」は経営自体のイノベーションが期待できるかもしれないと、吉井氏は期待している。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵