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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:カジノを巡るすれ違い」から

2023.4.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:カジノを巡るすれ違い」から

計画の関係者の利害が不一致で推進!?

カジノを含む統合型リゾート(IR)の第1号が大阪に誕生することになった。大阪府・大阪市・が米カジノ会社などと進める開発計画を日本政府が認定したからである。ホテルや国際会議場などを備えた複合施設を埋立地に新設するという計画である。コラムの著者はビジネスとしてIRの採算がどうかを検証している。

○IR推進派、反対派の議論はあるが採算面の検証は甘くないか?

 コラムの著者によると、IRの推進派はインバウンド需要の増加が見込まれるとし、反対派はギャンブル依存症が心配であると主張してきたという。

計画では、来訪者の約3分の2は国内客で外国人は少数派とみている。海外でのカジノの収益性は一握りのVIPが支えており、ジャンケットと呼ばれる業者がVIP用に直行直帰の専用ジェット機や宿泊施設を無料で用意し、カジノで楽しむための資金の貸し付けや取り立てを行うという。日本ではこの種のサービスは大幅に制限されたという。

一般外国人客は国際会議や他のエンターテイメントとの相乗効果が期待されているが、有力な会議や演目、コンテンツを誘致するのは地方自治体の役割となっている。だが、展示施設は小規模で、当初からカジノを前提にした消極的な姿勢だという。となれば、日本のカジノは主に国内客が支えることが前提となる。入場料を支払い、来訪回数制限がある中で、アクセスも悪い場所にどれだけ集客が望めるのか。まずは不動産ありきで客の不便を強いる日本のリゾート開発の悪癖が再来したようである。関係者の思惑や利害が不一致のままで進めるなら、その差異は住民の税金が穴埋めに使われる。🎰⚡️💡🗼💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:農業の産地化、生産と販売一体的に」から

 2023.4.19  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:農業の産地化、生産と販売一体的に」から

研修施設「トレーニングファーム」でキュウリは増産に

コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)が示すのは産地化の成功事例ではなく、日本の農業の課題を浮き彫りにしている。

○生産から販売まで縦割りの除いた工夫がなければ生産者は報われない

窪田氏が今一度気付いたのは、農業の産地化には生産から販売までの関係者が一体となって取り組まないと成功しないことであったという。事例はJAさが(佐賀市)のキュウリ生産である。

ここ数年、JAさがは目覚ましい実績を上げているという。10アールあたりの収量(反収)で10トン前後を新規就農者が上げているという。全国でもトップクラスである。

この背景に、JAさがが2017年度から武雄市で運営する研修施設「トレーニングファーム」の存在があるという。収量を上げるには作物の光合成を活発にする必要がある。それには、園芸施設内の室温や湿度などのデータを収集し、加温器や二酸化炭素発生器などで作物の生育に適した環境をつくることが求められる。「トレーニングファーム」は全国でいち早く環境制御機器の実験を繰り返し、20トン、30トン、40トンと反収の壁を超えた実績のある山口仁司氏が講師となり2年間で栽培技術を教えている。1年目の研修は栽培の基礎で、2年目から独立を前提に栽培施設1棟丸ごと管理を任せ学んでもらう。このように生産側の改善は大幅に進んだ。

しかし、キュウリの産地化はすぐに成功とまではいっていない。象徴的なのは、生産から販売までのプロセスである選果がネックになったことである。つまり当初設定の生産量が低く見積もられ、増産に追いつけず、選果施設が限界になったことである。つまりJAの流通担当者も生産現場の奮闘ぶりを捉えていなかった。選果能力を上げるには作業員を増やすことになり、機械で選果するよりも効率が落ち、人件費も嵩む。それは施設利用料を上げることになり、農家の所得を下げることになる。また、販売担当者も市場ごとの出荷の平準化も行なっていない。このようなプロセスの横断的な情報共有と一体化が進まない限り、生産者、農家の努力は報われないことになっている。🌾🥒🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:黙示録の四騎士」から

2023.4.20   日経産業新聞の記事「WAVE:黙示録の四騎士」から

4つの事象が合わさった時、銀行業界に異変が起こるという予言

コラムの著者 瀧 俊雄氏(マネーフォワード執行役員サステナビリティ担当)は、ヨハネの黙示録に準えた銀行業界の4つの事象が合わさった時に起こる異変の予言について、その実際について考察している。

○人工知能(AI)時代の銀行の在り方の議論が不可欠

瀧氏は約5年前にロンドンのあるフィンテックの専門家から「銀行の黙示録の四騎士」という例えを聞いたという。その四騎士にあたる事象とは以下の内容である:

  1. eKYC:eKYCとは「electronic Know Your Customer」の略称で、オンライン上で本人確認を完結するための技術である。近年ではスマホのカメラを用いて顔と本人確認書類を照合したり、マイナンバーカードの読み取りによって代替できるものである。
  2. 銀行口座の即時開設:銀行側で口座をすぐに持てること。A.のeKYCと組み合わせて数分で銀行口座を開くことができるようになった。
  3. 銀行APIの整備:インターネットバンキング及び携帯アプリといった、自社のサービスを提供する以外にも、外部のソフトウェアが銀行の機能を利用できるチャネルが設定できるものである。
  4. オープンバンキング:C.の銀行APIを使って銀行が、自社のチャネルよりもソフトウェア側におけるサービスを重視する考えである。よく利用される外部の携帯アプリなどで決済などの機能などを埋め込むことで、利用者にスムーズに金融取引をしてもらうものである。

すでに、AとBは普及しており、Cは発展途上、Dは一部の銀行で使われている。AからDの事象いずれも利用者本位の機能であることから後戻りせず、いずれソフトウェア上で「複数の口座」を並列で作成し、利便性に応じて残高を移せる群雄割拠の世界になるだろう。

これまで複数の口座を使うことは日本では通例である。今の銀行のビジネスモデルでは、基本的に預かった預金は、他行で多少有利であっても大体的に移動させることはしないという前提に立っている。ゆえに、住宅ローンや製造業への融資など、長期の資金供給ができる。

だがAIやアルゴリズムを用いた自動化が進めば、例えば、少しでも金利が有利な銀行に全額移す手続きを利用者ができれば部分的にしか払い出し資金を持たない銀行にとってはいきなり営業ができなくなってしまう。まさにSVBの破綻を想起する。あのときはSNSなどによる不安になった預金者の手続きでおこり、まだAIや自動化が要因ではない。これがAIや自動化で日常的に起こるとすれば、銀行の在り方を議論する必要がある。住宅ローンや長期融資をどう捉えるかも議論しなければならない。😷🐱🐶📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:投資家との対話要請が本格化」から

2023.4.18  日経産業新聞の記事「眼光紙背:投資家との対話要請が本格化」から

企業の潜在能力が見える化できるかが課題

コラムの著者は東京証券取引所が3月末に公表した「株主との対話の推進と開示について」で施策実施を要請したことに注目し、具体的に何処で何を会話するのかについて語っている。

○内閣府が3月に公開したガイドラインも参考に

 コラムの著者によると、「株主との対話の推進と開示について」では、株主との対話の実施状況などで開示の要請が5つあるという:

  1. 対話の企業側対応者:特に議論の余地はない
  2. 対話した株主の概要:国内外とかアクティブあるいはパッシブ、配当重視などの投資スタイルなど
  3. 対話の主なテーマや株主の関心事項:株主から気付きが得られた対話
  4. 対話において把握された株主の意見・懸念の経営陣や取締役会に対するフィードバックの実施:Ⅲを受けた応答
  5. 対話やその後のフィードバックを前提に、取り入れた内容があればその内容:Ⅲで実行あるいは計画した事項

で、当該企業のWebページなどで開示することもできる。これらの要請は対話の基本的なものである。ただ、ここにはないものとして、株主との対話機会の設定で場所や時間、興味をもってもらうかが最初のハードルである。アナリストなどの援護射撃がない場合、自社をアピールするスポンサード・レポートや統合報告書の発行は必至であろう。

興味の最大内容は、企業の持つ潜在能力で、これを具体的に見える化しなければならないだろう。内閣府が同時期に公表した「知財・無形資産ガバナンスガイドライン2.0」の活用をコラムの著者は推奨している。

である。⚡️💡🗼💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:『ハイパー・ミドル』と呼んで」から

2023.4.19  日経産業新聞の記事「SmartTimes:『ハイパー・ミドル』と呼んで」から

生涯現役世代には違和感のある「シニア」

コラムの著者  柴田 励司氏(インディゴブルー会長)は3月に61歳となったが、多くのお祝いの言葉で、「かっこいいシニアになってください」という言葉に引っかかりを感じたという。内閣府の調査によると2065年には38.4%が日本の総人口の65歳以上となるという。このような時代での「シニア」像について語っている。

○企業や団体の人事制度から「年齢」要素をなくすことで高齢者も活躍できる

 柴田氏は生涯現役を標榜しているからかシニアとは違うと言いたいという。確かに内閣府の調査でも元気で生活できる60代が増えている。つまり後20年ぐらいは普通に仕事をし、生活するものとしては引退前の呼称であるシニアと呼ばれることに釈然としないという。

と同時に60代以上にも残念なことがあるという。高齢者が駅や病院などで暴力をふるう、暴言をはくなどの犯罪報道が増加していることだ。傷害事件として検挙された65〜69歳は10年前に比べて約4.7倍と急増している。背景には経済的な困窮や社会的孤立があるという。元気だが金がない、貢献できる場がない、話を聞いてくれる人がいないといった要因である。だが未だに多くの会社は「人材消費モデル」を採っている。このモデルは柴田氏の造語だが、

  • 20代:仕事を覚えよ
  • 30代:会社を牽引せよ
  • 40代:リーダーとして導け
  • 50代:早く辞めてくれ

といった使い切りの人事制度である。年齢や性別に関係なく適材適所であるべきで、パフォーマンスに応じた報酬にすべきで、定年制度自体も今のビジネス環境では時代にあっていない。

柴田氏は「シニア」ではなく、「ハイパー・ミドル」というこれまた造語で呼ばれたいらしい。活動意欲があるうちは。💰💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵