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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:集団主義と勝者の戦略、システム刷新、待ったなし」から

2023.1.13  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:集団主義と勝者の戦略、システム刷新、待ったなし」から

治水管理と武家の主従関係に起因する日本の集団主義

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、昨年2021年のサッカーワールドカップの日本の活躍と8強に届かなかったことから日本の組織の強さについて考察している。

◯集団主義を助長する教育システムの刷新が必要

 昨年のワールドカップでは、ドイツやスペインという競合チームを破り検討したが、8強には届かなかった。三浦教授によれば、日本は組織による強さはあるが、さらに上を目指すには個の力が必要だという。日本では、スポーツでもビジネスでもこの集団主義が骨の髄まで染み込んでいるようだという。

日本の集団主義の形成は独特であるという。三浦教授によれば、以下のようだ:

  • 治水管理が必要な稲作文化、すなわち弥生時代以降の文化は、水田の耕作、引水、用水路や排水路の整備など治水管理が必要で、共同作業と組織的な活動が不可欠であった。狩猟民との違いは治水管理で、ここから集団主義が誕生する。
  • 平安末期、東国の武士団は、主従関係を親子関係に準え、強固な戦闘集団を形成した。親方を親と慕い、親方に一大事があれば馳せ参じる「いざ鎌倉!」の関係である。
  • 中国や韓国では稲作圏であるにも関わらず、血縁以外の組織の集団主義は少ないという。江戸時代は大名家はお家存続のために養子縁組を行ったが、中国・韓国では近年までそのような制度がなかった。

さらに、今日の組織は「企業」であり、「チーム」である。企業やチームのために粉骨砕身努力することが評価の対象とされた。

集団主義の下支えを行ったのが教育システムである。目標に照らして一定の成績で進級する欧米の「修得主義」に対して、日本は出席日数に不足がなければ進級する「履修主義」で、発言がなくても、その場にいればよいということになる。これが社会では、欧米の「成果主義」と日本の「出社主義」と置き換えられてきた。時間(過程)だけを管理する日本と成果(結果)を評価する欧米の差異がそこに生まれる。

歴史は普遍で制御不能であるが、教育や評価システムは改変できる。日本では、修得主義・成果主義のハイリスク・ハイリターンが取れるリーダーが不可欠になってきている。改変はすぐに進めねばならない。🥩🐮🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇺🇸🇬🇧🇫🇷🇩🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:経営人材の確保」から

2023.1.12   日経産業新聞の記事「WAVE:経営人材の確保」から

京都大学では組織的に経営人材を獲得

コラムの著者 室田 浩司氏(京都大学産官学連携本部長)は、学発ベンチャーの弱点である優秀な経営人材の獲得について、自らの経験から語っている。

○会員制組織「アントレプレナー・キャンディデイト・クラブ(ECC)」を展開

 学発ベンチャーも含め優秀な経営人材を確保することは事業の成否を左右する重要課題である。 室田氏によると、学発ベンチャーの場合は、大学の創業研究者が経営者を兼務するのは困難なことが多く、外部に人材を求めることがほとんどだという。

室田氏の経験では、多くが創業研究者の友人・知人が多いという。しかし、これでは十分な数の経営人材を供給することは難しい。人材紹介サービスという手段もあるが、設立直後のベンチャーに紹介手数料を負担することむ難しい。

室田氏はそこで京都大学での解決策を紹介している。

  • 会員制組織「アントレプレナー・キャンディデイト・クラブ(ECC)」:会員数は約500人で、2割が京都大学関係であるが、民間企業の従業員が大半であるという。企画・調査や研究開発部門に所属しているが人が多い。同クラブの入会の背景には、ベンチャーを立ち上げたい人や働きたい人、シーズとなる研究成果を持っている研究者を結びつけるなどの意図があるという。
  • 起業したいという研究成果が見つかれば、会員と研究者とでグループを結成してベンチャーを作る検討を始める。
  • すでにECCっで6案件が企業に至っているという。
  • 同クラブは2022年3月、「アントレプレナー・キャンディデイト・プラットフォーム関西(ECP-KANSAI)に発展した。京都大学以外の関西の主要大学や地方自治体、民間企業が参画する組織に拡張した。京都大学のVC、京都大学イノベーションキャピタルも、起業家人材の発掘に向けて、新たな取り組み「客員起業家制度(EIR)」を始めている。
  • EIRは、ベンチャーをつくりたい起業家が事業会社やVCなどの社員となり、給与を得て働きながら起業を目指すという制度である。生活基盤を安定させながらじっくりと有望技術を探索できるメリットがあるという。

ECP-KANSAIやEIRが今年本格的に始動する。今後もその活動と成果に注目したい。🩺😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:未来から逆算した日本再興戦略を」から

2022.12.22  日経産業新聞の記事「眼光紙背:未来から逆算した日本再興戦略を」から

防衛力強化と並んで経済戦略も議論すべき

コラムの著者は、昨年末から岸田文雄内閣の支持率が低迷しているが、その背景に防衛費拡大の財源確保に向けて増税案に対する反発があるとみている。

○目先の財務状況だけでは将来の日本の再興は厳しい

 コラムの著者によれば、この増税案は自民党内部からも批判が出る発表内容であったために支持率が低下しても仕方がない状況だという。

防衛力強化に対しては賛否両論あるが、ロシアのウクライナ侵攻、ミサイルの発射で挑発行為をやめない北朝鮮、沖縄県の尖閣諸島近くで領海侵入を繰り返す中国などの動きと台湾有事への警戒を考えると、日本の地政学リスクは以前にも増して大きくなっていることから防衛力強化への反対の声は抑えられている。事態の悪化を防ぐには日米同盟の強化とヨーロッパやアジア諸国との連携が不可欠となる。

岸田内閣が批判されのは、財務省の意向に沿うといった弱気の姿勢が国民から透けて見えていることである。確かに短期的には財務省の意向も頷けるが、今必要なのは日本経済の再興を未来から見た場合の戦略であろう。欧米などとの防衛協力の他にも、これらに対応した経済政策も重要で論議が必要である。防衛費の拡大だけでなく、米国が発表した半導体や半導体製造装置などの最先端技術の輸出の制限の強化など意思決定が必要なときであろう。🚀💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇳🇩🇪🇫🇷🇬🇧🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:暖房具『こたんぽ』着て暮らす湯たんぽ」から

2023.1.11  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:暖房具『こたんぽ』着て暮らす湯たんぽ」から

経済的にも気候的にも厳しい冬を迎えて

コラムの著者 岩永 嘉弘氏(日本ネーミング協会会長)は、サンコー(東京・千代田区)が販売する暖房具「こたんぽ」というネーミングについて語っている。

○小さい湯たんぽではないネーミング

 物価上昇で電気代は上がり、ガス代、灯油代まで上がり家計が悲鳴をあげる中で、各電力会社は電力不足だから節電せよと、厳しい冬の環境がやってきてる。気候も大きな寒気団がこの冬は居座るとのことで、なおさら暖の採り方にも工夫がいる。

岩永氏は「こたんぽ」という暖房具に注目した。老人向けのネーミングではなく、実物は小さい湯たんぽではなく、着る湯たんぽ。こたつに入っている感じで「こたんぽ」かもしれない。製品の写真をみるとモデルさんが「こたんぽ」を身に纏って座っている。歩いているという。前面部の全体にヒーターを内蔵し、コンセントに繋いでスイッチをいれるとじんわりと温まるというもの。まるで部屋着のような着る湯たんぽで、湯たんぽのようにお湯は不要で、しかも移動しながらも使える。岩永氏によればこのネーミング、製品をつかっての幸福感を表していると評している。🌀🍃🔥🧢🛠🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:人気ドラマの裏に韓国・台湾映画」から

2023.1.10 日経産業新聞の記事「眼光紙背:人気ドラマの裏に韓国・台湾映画」から

映画・ドラマの対象となる現代文化は欧米からアジアへ

コラムの著者によれば2022年10月〜12月期のテレビドラマで話題となったのは、フジテレビの「Silent(サイレント)」であったという。若い脚本家による会話、音楽、画面の構成と演出が斬新で若年層を惹きつけたという。

○韓国や台湾の映画・ドラマの影響を受けている

 ドラマ「Silent」は高校時代に交際していたカップルが8年ぶりに再会。しかし、男性の聴力は失われていたという設定の恋愛ドラマである。若い脚本家による自然な会話、余白の多い画面、大袈裟でなく、無理な盛り上げのない音楽などによる演出といった斬新な手法で若年層を惹きつけたという。

同ドラマの監督 風間大樹氏がエンタテイメント情報サイトで語ったところによると、スタッフも一緒に見て感覚を共有した作品に影響を受けたという。その作品は韓国映画「はちどり」(2018年)であったという。

同作と「Silent」には設定やストーリーに共通性はないが、世界観の作り方に通じるものがあるという。雑多な日常を描きつつ、透明感がある。登場人物と世界との心の距離が静かに表現されているところだという。

韓国映画「はちどり」の監督 キム・ボラ氏が影響を与えた作品は、台湾のエドワード・ヤン監督「ヤンヤン 夏の思い出」と日本の是枝裕和監督「誰も知らない」だという。まさにアジア勢で互いの作品から学び合っている。これまでの映画で現代文化の対象が欧米であったことに対して今や、アジアへその対象が移っている。💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇰🇷🇹🇼🇺🇸