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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:スポーツツーリズムが生み出すもの」から

2023.2.24  日経産業新聞の記事「眼光紙背:スポーツツーリズムが生み出すもの」から

スポーツ観光の異種間融合で新規の企業や事業を

コラムの著者が、岩手県釜石市と千葉県浦安市とのラグビーによる交流イベントで人的交流と地域活性化を狙った動きを取り上げている。

○スポーツ観戦を目的としたスポーツツーリズムを全国で展開しイノベーションを

岩手県釜石市は「鉄と魚とラグビーのまち」を標榜し、1980年代のラグビーの日本選手権を何度も制した新日鉄釜石ラグビー部の流れを汲む釜石シーウェイブスRFCの本拠地でもある。釜石シーウェイブスと、千葉県浦安市本拠地とする浦安D-Rocksが「一枚岩プロジェクト」というプロジェクトを進めている。

3月12日に釜石市で行われるラグビーのNTTリーグワン2部の公式戦「釜石シーウェイブス対浦安D-Rocks」の観戦ツアーをJTBの協力で企画し、首都圏に住むラグビーファンに参加を呼び掛けている。試合当日は釜石の魅力を伝える様々なイベントが試合会場とその周辺で行われるという。釜石に関心を持つ人を増やして特産品の販売拡大と、観光客誘導と移住者の呼び込みを起こそうとしている。

釜石市と浦安市がスポーツツーリズムで連携し、大都市圏で住む人と地方の人との交流が盛んになれば、異種間融合で「化学反応」が起こりやすくなる。新しい価値が生まれ、そうした「化学反応」で新規の企業や事業が生まれる可能性も高まる。これが地域の活性化になろう。

全国のプロフェッショナルスポーツのチームの交流を観光と結びつけることで異種間融合を誘発し、新規事業や新規企業が生まれる確率を上げることもアフターコロナの時代には重要であろう。⚒🐠🏉⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:キリンと日本コカ・コーラが連携、成分ブランディングの好例」から

2023.2.24  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:キリンと日本コカ・コーラが連携、成分ブランディングの好例」から

競合他社との定番争いへの布石

今年3月6日に日本コカ・コーラはキリンホールディングスの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合したアクエリアスなどを北海道、北陸で発売する。コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、ライバル同士の連携に成分ブランディングによる定番戦略があるという。

◯飲食物では情緒的価値から機能的価値への変化が顕著

 三浦教授によれば、成分ブランディングは古くからある手法で、素材や部品のブランド力で製品全体のブランド力を高まる戦略だという:

  • 「インテル入っている」:NECや富士通のパソコン
  • 「健康エコナクッキングオイル」:花王の特定保健用食品の食用油

といった事例がある。ブランド戦略は品質などの「機能的価値」とイメージなど「情緒的価値」が重要であるという。これまで飲食物では、味やイメージ、デザインなど情緒的価値の訴求が多かった。近年、ビールやチョコレートでもブリン体オフやカカオポリフェノールなど、機能的価値の訴求が増えたという。

今回の提携には、乳酸菌飲料の分野で定番競争での勝負がまだついていないことが背景にあると三浦教授はみている。アサヒ飲料のグループ会社のカルピスが開発した「L-98乳酸菌」を免疫機能に働きかける機能性表示食品として消費者庁に届け出ており、キリンと日本コカ・コーラの連携は、その対応策とみれる。定番競争は激化している。🍼🥩🐮🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:国産ジェット撤退に何を学ぶか」から

2023.2.22  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:国産ジェット撤退に何を学ぶか」から

ダイヤモンド・プリンセスでも1千万個以上だがジェット機には及ばない規模

先のコラムに続き、三菱重工業が「三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)」の事業から撤退を表明したことについて、コラムの著者 円山重直氏(八戸工業高等専門学校長)は、日本の職人芸的な部品や中小規模部品によるシステムと欧米の巨大システムの得意分野の違いがあったのでは無いかと考察している。

◯巨大システムは異なった仕組みで構築しなければならない

 円山氏によれば、今回の撤退の裏に、100万個以上の部品からなる巨大システムの構築が国産として不得手であることが関係しているのでは無いかと推測している。かねてより、円山氏は日本の得意とする職人芸や個人のスキルを活かしたものづくりとは別次元の仕組みが求められる。三菱重工業は1000万個以上の部品からなる豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」などを建造した実績はあるが、大型客船の事業から16年に撤退している。

もの作り大国と自負した日本だが、せいぜい3万個の部品からなる自動車や数百個の部品からなる家電での成功に過ぎなかった。さらに日本人は昔から少ない部品で構成される工芸品や工作機械などを製造することには素晴らしい才能を発揮してきた。しかし、航空機のような巨大なシステムの扱いは得意では無いのではないか。

円山氏は日本のものづくりの技術が世界に通用しないとは言っていない。現にここの部品や部材の製造技術は世界トップクラスである。航空機の部品製造も同様である。しかし、最先端の半導体や航空機は日本独自で進めるには複雑で部品や素子数が桁違いに大きく、もはや職人芸や個人技では手の届かないところにある。得意とする領域に集中投資し、巨大システムはその設計やノウハウを持つ国と連携するのが現実的な解かもしれない。🛳🛬📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:ピンチはチャンスと考える」から

2023.2.21  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:ピンチはチャンスと考える」から

成績や業績ではなくコスト削減の人員整理が中心

コラムの著者 伊佐山元氏(WiL共同創業者兼CEO)によれば、厳しい雇用環境でもシリコンバレーではそれほどの悲壮感がないという。同氏はその理由を探っている。

 ○大手テック企業にはピンチでもスタートアップにとっては優秀な人材を確保できるチャンス

 伊佐山氏によれば、シリコンバレーのテック企業は10年以上続いたテックブームが去り、コロナ禍直後のDXブームも重なって空前の人材の大量採用が起こった。ここにきて米国の景気後退に備えて余剰人員を急ピッチで整理しているという。

シリコンバレーは普段から人材の流動性が高いことで知られている。しかし、人員削減は、全従業員の10〜20%といった極端なものが多く、最近昇進したり採用されたばかりの新人も含まれているという。つまり、社員の業績や成績が悪いからといった解雇ではなく、コスト削減の人員整理であることで、社員の反省する材料もなく戸惑いがあると言う。一方、これまでのシリコンバレーをおそった景気後退の体験からGAFAのような大手企業が優秀な人材を解雇することで資金調達したばかりのスタートアップにとって絶好のチャンスになるという。Googleは、ITバブル崩壊後、他のテック企業から解雇された優秀な人材が多く参画することで成功できたと言われている。

このように状況を俯瞰すると実際に職のない人が増えているが、シリコンバレー一体に悲壮感はない。やれることはいくらでもあるというマインドセットで溢れ、関係する周囲の人も応援している。まさにシリコンバレーでは人材のエコシステムが働いている。👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:明確な指示が社員を守る」から

2023.2.21  日経産業新聞の記事「眼光紙背:明確な指示が社員を守る」から

未然防止には同業他社との会合には参加しない

企業経営を野球に例えると、攻めは研究開発、設備投資、営業、広告・宣伝となる。その守りは、事故の防止、法令遵守(コンプライアンス)、つまりリスク管理となる。打線が強力なチームが7点とってもエラー続出で失点8なら試合は負けである。コラムの著者によれば、一見攻めの経営と見えた故 金川千尋・信越化学工業会長は守りの経営も見事であったという。

○金川氏は「同業者に会う暇があれば需要家に会えと話している」といった真意は

コラムの著者が2013年に国際カルテルの取材をした時に、米国で5千ドル以上の罰金を科せられた日本企業は10社以上あったという。そこで当時トップインタビューで、「未然防止のためにトップはどんなメッセージを出すべきか」を尋ねたという。

今年1月に亡くなった金川千尋・信越化学工業会長は攻守の経営で見事だったという。攻めでは、顧客企業の動きを見つめて市場の先行きを読み、積極的な設備投資に打って出た。守りは、インタビューの内容への回答にヒントがある。会長の答えはこうであったという:

  • 「役員や営業担当者が集まる会議で『同業他社には会うな』と言っている」
  • 「同業者に会う暇があれば需要家に会えと話している」

と述べた。同業他社との会合で販売価格などカルテルの疑いを招く話題がでたら、言った言わないの水掛け論になる恐れがあるからだ。経営トップがここまで明確に語れば、同社の営業担当は同業者から「付き合いが悪いな」と嫌味を言われても誘惑から逃れられるだろう。明確な指示が社員を守ることになろう。🏭⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵