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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:物価高とコストパフォーマンス、高所得層の方が厳しい目」から 

2023.1.27   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:物価高とコストパフォーマンス、高所得層の方が厳しい目」から

物価高の傾向が続くなら異なった消費スタイルも

物価高が進むと商品・サービスのコストパフォーマンスに対する消費者の評価が低下するが、興味深いことに「価格が上がればコストパフォーマンスが下がる」とは限らないという。コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、サービス産業生産性協議会による売上高上位企業の利用者を対象とした日本版顧客満足度指数(JCSI)調査を用いてこの現象を分析している。

◯同じスーパーマーケットでも異なる価格戦略でJCSIに変化がある

 小野教授が利用しているJCSIは、「価格に品質が見合っているか」などの複数の質問の回答をもとに算出した100点満点のスコアである。

  • 2021年:政府主導の料金値下げで携帯大手3社を中心に携帯電話(スマートフォン)のコストパフォーマンスは急上昇。
  • 2016年ごろから小売自由化が始まった電力・ガスは料金競争でコストパフォーマンス評価は上昇したが、2021年から全国的な料金値上げで急落。

といった傾向がJCSIから読み取れる。さらにスーパーマーケットやドラッグストア、飲食サービスを詳細に見ると、興味深い傾向があるという。

  • 各社の価格戦略による相違:特売に依存するスーパーマーケットはJCSIは低下し続けているが、総菜などユニークな品揃えで付加価値を訴求するチェーンやEDLP(Every Day Low Price, 毎日低価格)のチェーンストアは2022年では横ばいか僅かに上昇している。EDLPは一定水準の価格を維持するために消費者が特売品を買い逃すことが少なく、価格への安心感が影響。
  • 所得水準による相違:スーパーマーケットに関して年収1千万円を超える高所得者層の方がコストパフォーマンス評価の低下が顕著であるという。その要因は、商品・サービスに対する品質評価の低下である。「値上げに見合う品質ではない」という評価である。

このまま原材料の高騰と円安が当面続くとすると、物価高の影響を受ける消費者のスタイルも大きく変わると小野教授は示唆している。👟👞🫗🧴📷🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ガラケーの轍を踏むのか」から

2023.1.19 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ガラケーの轍を踏むのか」から

EVの成功が日本の今後の貿易に影響を与える

日本のEVが世界的な脱炭素機運の高まりでどこまで生き残り成長できるのか。かつての日本製携帯電話が外国製スマートフォンに駆逐され、ガラパゴス化した携帯(ガラケー)と呼ばれた轍を踏まないか、コラムの著者は危惧している。

○ガソリン車の環境・法律・税制をシフトしEVに合わせる努力が必要

コラムの著者によれば、スマートフォンの普及がこれほど進む前に、日本は携帯電話市場を国内はもとより海外にも存在感を持っていた。しかし、機能重視でユーザーニーズを満たすものでなかったためにいつしか市場から取り残され、ガラパゴス化してしまった。

EVでは携帯電話と同じ図式をたどり轍を踏むことを避けねば、貿易立国としての日本は存在しなくなる。

脱炭素の機運に乗って、

  • 中国:2022年1月〜11月で新車販売の20%がEV
  • 欧州:2022年1月〜9月で新車販売の10%がEV
  • 米国:2022年7月〜9月で新車販売の5%がEV
  • 日本:2022年7月〜9月で新車販売の2%がEV

と、EVは世界的に売れ始めている。日本自動車輸入組合(JAIA)によれば、輸入車販売台数(日本メーカー車を除く)が2022年は2021年の1.7倍の14,341台になったという。

輸入のEVを買う人たちは時代の変化に敏感だとすれば次世代は明らかにEVへシフトする。そのときに今の国内外販売の状況で良いのだろうかと、コラムの著者は危惧をしている。かつてのガラケーの轍を踏まないで欲しいと。💵💰📈🚗⚡️💹📖🖋🔑💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇳🇫🇷🇬🇧🇩🇪🇮🇹🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:重み増す『ソフトスキル』力」から

2023.1.24 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:重み増す『ソフトスキル』力」から

ハードスキルをより活用するためのソフトスキル

コラムの著者 ロッシェル・カップ氏(ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長)によれば、米シリコンバレーでは社員のソフトスキルが注目されているという。そもそもソフトスキルとは何か。

○シリコンバレー企業では社員とリーダーの双方にソフトスキルの向上を目指した投資している

 カップ氏によれば、シリコンバレー企業では、

  • 「ハードスキル」:テクニカル(技術的)なスキル。プログラミング、デザイン、戦略立案、分析など
  • 「ソフトスキル」:対人関係に関連するスキル。コミュニケーション力、共感力、コラボレーション、適応性、ストーリーテリング、謙虚さ、チームビルディングなど

優れた社員やリーダーであれば必ず持っているスキルであるという。

ハードスキルは、シリコンバレーでは技術競争が厳しいため強力なスキルが求められるが、シリコンバレーのリーダーは近年、一般社員も管理職の社員の両方にソフトスキルの重要性をを認識するようになったという。

ハードスキルであるテクニカルスキルは日進月歩の進化を遂げ、流動的であるが、ソフトスキルは人間の基本的な行動に関するもので、不変である。さらに、イノベーションのスピードが速いシリコンバレーでは、チームとうまくコミュニケーションを取り、協力し合えるリーダーの存在がプロジェクトの成功に大きく影響する。ソフトスキルを上げることで、リーダーはメンバーや社員とのコミュニケーションをスムーズにし、モチベーションを高め、最終的に会社の目標に貢献することができる。

ソフトスキルにはいくつかの誤解がある。ソフトという語彙が「柔らかい」という印象で簡単に手に入るように思われたり、天性のものでトレーニングなどでスキルアップできないものと思われていたという。今や、ソフトスキルは容易く手に入るものではなく、それなりのトレーニングを受けないと向上しないことがわかってきた。シリコンバレー企業で、リーダーも社員もソフトスキルの向上のために研修やトレーニングに投資をしている。👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:R&Dをイノベーション」から

2023.1.18 日経産業新聞の記事「眼光紙背:R&Dをイノベーション」から

いち早く動いたのは米NASA

宇宙開発や核融合、画期的な創薬など巨額な経営資源を必要とするメガサイエンスの領域にはNASAをはじめとする政府機関(官)か、メガファーマーのような世界を牛耳るような巨大資本の独断場と思われてきた。コラムの著者によれば、この常識が宇宙開発や宇宙ビジネスの分野では通用しなくなってきた。

○メガサイエンスでの「官」の役割を再定義

コラムの著者が示した事例に米スペースXや日本でも月着陸船を手がけるアイスペースや超小型衛星の世界的なパイオニアであるアクセルスペースなどベンチャーがある。

同様に「究極のエネルギー」と呼ばれる核融合の分野でも「民」の存在感が確実に増しているという。潤沢なVB投資のマネーがこの分野にも流れ始め、米国では約2000億円の資金調達を達成したベンチャーもあるという。

このような大きな変化の要因は何か。コラムの著者によれば、その要因は「官」の側の立ち位置が変わったことだという。つまり、「官」自らの役割定義を再設定したことである。

失敗は許されないという呪縛が強すぎ、新たな挑戦ができなくなったNASAは2000年代初頭のある時期に、「自ら研究開発する組織」から「技術を評価する組織」や「民に投資して開発を促す組織」へと軸足を変えたことであろう。

米エネルギー省もNASAに倣い、投資家兼プロモーターの役割を果たしつつある。イノベーションをどう起こすかというイノベーションが起こったのである。🌞💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:『科学』と『技術』、日欧に見る認識の違い」から

2023.1.25  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:『科学』と『技術』、日欧に見る認識の違い」から

リニアモデルによる批判は根源は

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)によれば、リニアモデルとは、科学や技術が基礎研究、応用研究、実用化研究、生産設計へと直線的に進化するというものである。日本が経済成長を遂げた1980年代に欧米の学術分野から「基礎研究ただ乗り論」の批判を浴びた。その背景は何か。

◯欧州では工学部は総合大学ではなく工科大学に

 山﨑教授によれば、外国の基礎研究の成果をただで活用し、産業を繁栄させたという批判が経済成長の最盛期にあったという。貿易摩擦に苦労していた当時の通商産業省は反論せずに工業技術院(現産業技術総合研究所)で基礎研究を強化する施策をとった。

山﨑教授は、破綻したリニアモデルの空虚な産物で日本政府は無視をしても良かったのに基礎研究に重きを置いた。実はリニアモデルは現代の最先端の科学技術に当てはまるものが少ない。つまり、欧米の幻想とも言えた。

だが幻想のリニアモデルが広まった要因が重要であると山﨑教授は指摘する。その要因の根源は、欧州における伝統的な科学と「技術」の考え方の相違にあるという。欧州では、科学が哲学に端を発していることから、哲学がすべての根本を明らかにする一般的原理であって、研究が進むことに伴って抽象から具体的なものにかわるという思想が根源であるという。

一方、日本人はニーズに応じて物を作り、社会に提供する役割を「技術」が担うと考えている。日本の旧帝国大学の内部では工学部が大きな地位を占め、工学という狭義では自然科学とは異なる学問や技術体系を構築し、人材を育成してきた。

欧州に戻ると、工学部は総合大学にはなく、工科大学という教育機関に属した。技術者を「専門化された職人」とみなし科学者とは区別してきたのではないかと、山﨑教授は指摘している。📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵🇲🇾🇦🇺🇲🇾