【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:物価高とコストパフォーマンス、高所得層の方が厳しい目」から
2023/01/31
2023.1.27 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:物価高とコストパフォーマンス、高所得層の方が厳しい目」から
物価高の傾向が続くなら異なった消費スタイルも
物価高が進むと商品・サービスのコストパフォーマンスに対する消費者の評価が低下するが、興味深いことに「価格が上がればコストパフォーマンスが下がる」とは限らないという。コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、サービス産業生産性協議会による売上高上位企業の利用者を対象とした日本版顧客満足度指数(JCSI)調査を用いてこの現象を分析している。
◯同じスーパーマーケットでも異なる価格戦略でJCSIに変化がある
小野教授が利用しているJCSIは、「価格に品質が見合っているか」などの複数の質問の回答をもとに算出した100点満点のスコアである。
- 2021年:政府主導の料金値下げで携帯大手3社を中心に携帯電話(スマートフォン)のコストパフォーマンスは急上昇。
- 2016年ごろから小売自由化が始まった電力・ガスは料金競争でコストパフォーマンス評価は上昇したが、2021年から全国的な料金値上げで急落。
といった傾向がJCSIから読み取れる。さらにスーパーマーケットやドラッグストア、飲食サービスを詳細に見ると、興味深い傾向があるという。
- 各社の価格戦略による相違:特売に依存するスーパーマーケットはJCSIは低下し続けているが、総菜などユニークな品揃えで付加価値を訴求するチェーンやEDLP(Every Day Low Price, 毎日低価格)のチェーンストアは2022年では横ばいか僅かに上昇している。EDLPは一定水準の価格を維持するために消費者が特売品を買い逃すことが少なく、価格への安心感が影響。
- 所得水準による相違:スーパーマーケットに関して年収1千万円を超える高所得者層の方がコストパフォーマンス評価の低下が顕著であるという。その要因は、商品・サービスに対する品質評価の低下である。「値上げに見合う品質ではない」という評価である。
このまま原材料の高騰と円安が当面続くとすると、物価高の影響を受ける消費者のスタイルも大きく変わると小野教授は示唆している。👟👞🫗🧴📷🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍💡🇯🇵