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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:競争力としての文化、制度化戦略が重要」から

2020.4.17  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:競争力としての文化、制度化戦略が重要」から

企業文化による差別化で競争力を得るマーケティング手法

 コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、自らも著者の一人である「文化を競争力とするマーケティング-カルチャー・コンピュタンスの戦略原理-」(斎藤道貴、三浦 俊彦ら、中央経済社)から企業文化によって差別化するマーケティング手法を紹介している。

◯タピオカドリンクとコカ・コーラの違い

 これまで企業の中核となる技術を基礎とする考え方をコア・コンピュタンスとして1990年代に企業で広まったが、三浦教授らは、企業の文化資源もコンピュタンスになるという主張を著作で書いた。

企業の文化資源とは、製品のコンセプトイメージや企業イメージなどで、機能や技術などの機能的価値に対して、非機能的価値であるとされる。これまで、多くの学者や著名人が提案してきている。三浦教授はその中で、経験価値マーケティングを提唱したバーンド・シュミット氏の紹介している。同氏によると、5つの経験価値、

  • SENSE
  • FEEL
  • THINK
  • ACT
  • RELATE

を製品に付加すればコモディティ化する機能的価値競争を克服できるとした。製品に経験価値を付けて消費者に伝達すれば、トライアルはされるがリピートまでは行けないとマーケティングとしては失敗である。三浦教授らはシュミット氏の主張は認めながらも、制度化(慣習化、リピート)の戦略を明確に語っていないとして、企業文化の構造の分析を行った。企業文化を価値ー行為ー制度からなる3層構造とした。価値が基礎にあり、それが行為(トライアル)を生み、行為が持続していく制度(リピート)になって文化になるとした。タピオカドリンクは流行はするが消費文化にまでは到達していないが、コカ・コーラは消費文化として飲み続けられている。この違いは、価値の伝達で終わるか、制度化(習慣化)まで見据えた仕組みを考えているかにあるという。これによって、文化を競争力とするマーケティングができるという。🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵📖


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:フッ素化学でCO2分解の夢」から

2020.4.16   日経産業新聞の記事「眼光紙背:フッ素化学でCO2分解の夢」から

二酸化炭素の回収・分解・再利用可能な技術

 コラムの著者は、ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンターと同志社大学理工学部の後藤琢也教授による共同研究が目指す二酸化炭素の回収、分解、再利用について触れている。

◯燃えないリチウムイオン電池も夢でない

 コラムの著者によれば、今回の共同研究で核になるのは後藤教授の手掛ける溶融塩による分解技術であるという。溶融塩中で二酸化炭素を電気分解すると、陰極に炭素が析出し、陽極に酸素が発生する。

興味深いことに10年前に後藤教授が研究を始めた頃は、析出する炭素の方が注目されたという。カーボンナノチューブや球状炭素など有用物が得られ、反応速度をあげればダイヤモンドもできるものだった。ところが、3年ほど前に宇宙航空研究開発機構(JAXA)からコンタクトがあって、違う価値を見出したという。つまり、宇宙船で宇宙飛行士が呼吸で出す二酸化炭素を回収、分解し、酸素を回収するシステムができる可能性が出てきたからである。また、温暖化ガスである二酸化炭素の排出抑制を急ぐ企業によっても、二酸化炭素の分解は非常に魅力がある。

課題は、溶融塩の融解点が、400〜500℃と実用化には高い点をどう克服するかにある。そこで共同研究先のダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンターでは、溶融塩にフッ素化合物を添加して融解点を下げる試みが行われているという。もし、融解点が低い溶融塩を電解液に使えば、燃えないリチウムイオン電池ができるという。まさに期待の技術である。✈︎🚗📉📈💊😷🏢💴📊😷🔎⚡️🌍happy01♿️👦👧🚹🚻🚺🌎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:財政規律という縛りから解放」から

2020.4.15   日経産業新聞の記事「眼光紙背:財政規律という縛りから解放」から

技術革新の恩恵は時間がかかり、その間財政で凌ぐ構図

 コラムの著者は、新型コロナウイルスの感染爆発により、都市封鎖、対面経済活動の蒸発、境株価の急減といった中で、各国首脳の決意が財政規律から解き放たれたことは歓迎すべきだと語っている。

◯技術革命の恩恵は個人には還らず企業に備蓄されるのみ

 コラムの著者によれば、コロナ危機での各国の対応が、戦争状態と同じで各国首脳と金融当局が相次いで何でもやると表明し、株価が下げ止まった格好である。

コラムの著者が歓迎しているのは、金科玉条の財政規律という縛りからの解放にあるという。米国、ドイツ、日本など巨額の財政出動を計画した。コロナ以前から世界経済の問題が

  • 金利低下圧力=金余り
  • 物価低下圧力=需要不足

の2つであったが、財政拡大で余剰資金を活用し需要喚起することであった。つまり、財政出動で、一気に景気が回復する可能性がある。ただ、インフレーションや金利の急騰は起きず、株価だけが上がる。

この背景には技術革新による生産性の向上があるが、労働時間の短縮や人々の生活水準の向上にもつながらず、ただ企業の収益が増え余剰貯蓄として残されていくことにある。産業革命がそうであったように労働時間の短縮がライフスタイルの大きな変化による新規需要の増大が必須だが、この進行は技術革新のスピードよりも遅い。しばらくは財政によって支えるしかないようだ。💻🚗📉📈💊😷🏢💴📊😷🔎⚡️🌍happy01♿️👦👧🚹🚻🚺🌎


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:マインドクラフト、ゲーム・教育、絶妙に両立」から 

2020.4.15 日経産業新聞の記事「トレンド語り:マインドクラフト、ゲーム・教育、絶妙に両立」から

創造性が重視される最近の教育でゲームと教材のハイブリッド

 コラムの著者 岩崎 博論氏(博報堂 ディレクター)が、新型コロナウイルスで学校が休校になる中で教育向けのゲームが注目されていると語っている。

◯ゲームの没入感を活用して子どもが興味と集中力を持って取り組む

 新型コロナウイルスで休校になる中で、ゲーム「マインドクラフト」が注目されていると岩崎氏は語っている。このゲームは、ゲーム専用機、スマートフォン、パソコンなどで世界中で楽しまれているが、その中で教育向けバージョンに注目している。

このゲームは、対戦型ゲームでもRPGでもなく、ゲームの中で自由に建材や植物などを配置しながら、家を作ったり、街を造ったりして楽しむものである。教育向けバージョンではさらに初級のプログラミング言語と組み合わせて、プログラミングの原理を活用しながらブロックをプログラミングの命令で自動的に配置できる。街のプログラミング教室などでも利用されているという。

今回のコロナ禍で、6月までの期間限定で教育コンテンツを無償提供している。国際宇宙ステーションや人間の眼の内部などマインドクラフトのブロックで再現されたコンテンツもある。ゲームに参加すると国際宇宙ステーションの内部を回ったり、外に出て全体像を見ることもできる。ゲームとしては高い自由度と創造性を提供しながら、教材としては、ゲームがもつ没入感を活用して、子どもが興味と集中力を持って学習に取り組むことができるようになっているという。

昨今、教育で創造性が重視される中でマインドクラフトのようなゲームと教育のハイブリッドがもつ可能性が注目される。📱🎮💻👀🚀📶🛒🛍🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🚛🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:コロナ危機で変わるエネルギー利用」から

2020.4.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:コロナ危機で変わるエネルギー利用」から

新型コロナウイルスの感染拡大で変わる石油市場

 コラムの著者は、新型コロナウイルスの世界的な流行で原油相場が急落し、感染終結後の回復に変化があると語っている。

◯物流のみならず人の移動が少なくなる?

 コラムの著者によれば、新型コロナウイルスによる需要の急減にサウジアラビアやロシアなどの産油国による増産競争が加わって、原油の需給バランスが未曾有の供給過剰に陥ったという。もちろん、産油国は原産での市況回復を探ってはいるが、コロナ禍の収束が条件になる。その時に原状回復となっているかが問題である。

今回の石油危機は、世界的なヒト、モノの移動制限が主因である。物流はまだしも都市封鎖に伴うリモートワークやオンライン授業、オンラインサービスの拡大はヒトの動き方を変える契機になろう。

在宅勤務を体験した人からは想像した以上に業務ができることを知り、コロナ危機が収束した後は会議や面談などはネットで済ますことが常態化する可能性がある。ましてや国際間では効率化の効果は大きい。となると移動に伴うエネルギー需要は戻ってこないかもしれない。

これまでは脱炭素を背景に石油需要は2030年をピークとする見方があるという。コロナ危機はこれを早める可能性がある。逆に、未曾有の原油安は他のエネルギーとの競争で石油のコスト競争力を高める可能性があり石油復権という見方もある。コロナ危機後の社会変化が石油の位置付けを左右するのは間違いない。💻🚗📉📈💊😷🏢💴📊😷🔎⚡️🌍happy01♿️👦👧🚹🚻🚺🌎