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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:モスの新マーケティング、新たな顧客層狙う」から 

2019.9.6    日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:モスの新マーケティング、新たな顧客層狙う」から

既存、新規顧客の二者択一ではなく二者両立を狙う

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのは、モスフードサービスの顧客層とのコミュニケーションの新戦略に述べている。

◯テレビとデジタルの広告費も9対1から8対2へ

 モスフードサービスが8月15日に発表したコラボレーション企画は特徴的だという。画家・絵本作家のヒグチユウコ氏のオリジナルタオル付き「カレーモス×ヒグチユウコスペシャル」を数量限定で発売(価格は1500円)。同氏の作品は、「せかいいちのねこ」シリーズや「ギュスターヴくん」で著名で、高級ブランドGUCCIが多くのコラボレーションバックや財布を販売している世界的なアーティストであるという。

目的は新規顧客獲得でターゲットである40代女性に刺さる個性をもつ「ギュスターヴくん」とモスバーガーのキャラクターである「モッさん」の交流をヒグチユウコ氏に書き下ろしてもらった。発表日のリツート数が1200を上回り、通常の数倍に達したという。同様な商品企画や開発が進んでいて消費者とのコミュニケーション戦略も刷新しようとしている。これまではテレビCM、メールマガジン、公式SNSが中心であったが、この1年でスマートニュースやLINEなどのスマホアプリへのクーポン掲載や動画広告、インスタグラムでの公式SNSの開設などのチャンネルを増やした。テレビ広告とデジタル広告の広告費の配分も、従来の9対1から8対2へシフトさせている。

既存顧客に新規顧客獲得という二者択一ではなく二者両立の戦略を立て、ニーズの把握をこれまで以上に細かく行い、マーケティングを展開する方向だ。オールターゲット+ファミリー層と言われてきたモスバーガーだがマーケティング戦略を変えつつある。🍔🍛📲🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『インスタ映え』が写す食文化の軽さ」から

2019.9.5   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『インスタ映え』が写す食文化の軽さ」から

「日本人は目で食べる」責任

 コラムの著者は、SNSでの写真投稿と共有を行うインスタグラムでの「インスタ映え」ブームの弊害について触れている。

◯流行や話題性で消費者を躍らせ稼いできた古くさい手法が今も

 インスタ映えの手法は、グラビア雑誌のモノマネだとコラムの著者は手厳しい。それもそのはずで、写真撮影だけのために大量に料理を作らせ、食べ残して店を嘆かせる事例も多いという。料理を愛する経営者や従業員、特に個人経営の店舗では悲しむのは当然であろう。食べ物を粗末にすることは褒められる行為ではない。しかし、現状は、飲食、流通業界にも責任なしとは言えないという。

ホテルなど宴会料理やパーティーで食べきれない量の料理が並び、挙句廃棄される。変な常識として地位や財力を示すためだけに非日常を演出するという古くさい手法が未だに使われている。コンビニエンスストアでも、大量の弁当が棚に並び、その後相当数が廃棄される。クリスマスケーキなどもどっと出荷されてゴミになる。ムード作りだけのために食べ物が使い捨てになるというのが現実である。

民族性の違いを風刺して、

  • 「〇〇人は舌で食べる」
  • 「〇〇人は胃で食べる」
  • 「日本人は目で食べる」

と言われるという。もともと、食器や飾り付けなど見た目を重視してきた日本の食文化にどうやらその起源があるのではないか。🍚🐠🍖🍊🍏🍴💵🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝🐁🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:メディア接触、受け手の気持ちを考える」から 

2019.8.28 日経産業新聞の記事「トレンド語り:メディア接触、受け手の気持ちを考える」から

「自ら学び、主体的により良い時間を過ごしたい」という願望

 コラムの著者 山本 直人氏(コンサルタント・青山学院大学兼任講師)が、視聴率や閲覧数といったメディアとの接触の指標だけでなく、接触の質について考察することも今後企業が良好な絆を築きたいとき重要だと指摘している。

◯「メディア満足」を求める視聴者の姿

 山本氏が言うのは、メディアとの接触の質の研究はまだ多くないという。博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所での発表資料から、視聴者の実態が見えてきているという。現代社会の溢れる情報の中で、スマホなどの情報機器を駆使して、「外すリスク」を減らしたい、プッシュ通知に惑わされず、自ら主導権を握ろうと有料コンテンツにも積極的といった姿が見える。

こうした調査をもとにして、「メディア満足」を求める人々の実態を明らかにしており「保険」「没入」「主導権」というキーワードを分析している。つまり、受け手の人たちは「自ら学び、主体的により良い時間を過ごしたい」という願望を強めているという。単に量的指標だけを追いかけている送り手側もまだまだ多い。しかし、メディアに触れる「時間の質を向上させたい」という人々の願望を考慮した企業だけが、真に良好な絆を築いていけるのではないか。📺📲🏢💡⚡️💻🌏happy01📂🍫📰


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:米財界、株主第一主義廃止の狙い」から

2019.9.2   日経産業新聞の記事「眼光紙背:米財界、株主第一主義廃止の狙い」から

追従してきた日本企業の今後は?

 経団連に相当する米国の最大経済団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、8月18日に、長きにわたって提唱してきた「株主第一主義」を廃止すると宣言した。コラムの著者は、その背景について考察している。

◯利益を生むこと共に社会的責任も果たすことを目指す

 同団体がこれまでの株主第一主義はもはや米国実業界の主目的ではなくなり、今後は利益を生むことと共に社会的責任を果たすことにも注力するという。声明では、

  • アメリカ全国民を助ける経済を標榜する
  • 上記を推進するために従業員に公正な給与や重要な手当を支給する
  • 地域社会を支援する
  • サプライヤーに対して倫理的な態度で接する

などの5項目を挙げた。これにアマゾンやアメリカン航空など180社以上のトップが署名したという。

この声明の背景に米国での所得格差拡大があるという。企業幹部と従業員の給与格差は約250倍に高まり、米国内に民主党左派勢力を中心に社会主義的な考えが広がり始めているという。同時にアメリカンドリームに対しても悲観論が多い。

人手不足が深刻化する中で企業は従業員を大切にし、環境問題や社会福祉にも貢献する姿勢を見せて社会にアピールする。これが良い人材の確保につながる。過去に日本企業は、日本型経営を放棄し、米国型の短期利益拡大をねらって追従したその米国企業が、元の日本型経営に近い姿を標榜するのは非常に興味深い。💵💶🏢📖✒️💻🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝🐁🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:植物は体内で会話する」から

2019.9.3   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:植物は体内で会話する」から

維管束内で情報伝達物質を交換

 コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)は、植物の根や茎にある維管束が栽培管理や病気の予防に役立つことについて語っている。

◯少量で高速な診断の実用化をめざす

 植物の茎や根を輪切りにすると、断面に維管束ががある。維管束は、導管と師管で、

  • 導管;水や水に溶けた無機養分の通り道
  • 師管;光合成によって葉で作られた養分の通り道

である。ここに窪田氏は、「植物は体内で会話している」という説明が入る可能性もあるという。そこには、最新の研究で、植物の栄養や健康状態に関する情報を他の組織に伝える役割があることを解明しようとしているという。

例えば、栄養が足りない場合はもっと土から肥料を吸ってくれと、師管を通じて根に伝えている。この植物の静かな会話に注目し、師管内に存在する伝達物質を分類調査しているという。

ただ、特定の物質に注目するには、未だ大量の被検液と診断時間が必要で、実用化が急がれているという。生育中の植物の体調を直に知ることができれば栽培管理や病気の予防になる可能性もある。🔧💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🌿🌱🍀🔬