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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:就活ルール見直し就学金提案、企業と学生、相互理解深める」から

2018.10.5  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:就活ルール見直し就学金提案、企業と学生、相互理解深める」から

曖昧で不安定な「内定」に問題

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、経団連の就活ルールの形骸化について触れ、学生の学業への支障、企業の内定辞退や早期退職による無駄の双方を防ぐ提案を行っている。

◯奨学金制度で双方にコミニュケーション

  山﨑教授が指摘するのは、就活ルールが廃止されると、4年生はもちろん3年生の学習活動にも影響を与えかねない。結果的に内定を得た学生は卒業までの期間が延びる可能性がある。さらに十分な学習の成果や個人の興味などが見極められず、時間が経つにつれて適性や好みの違いが明確になり、企業側には内定辞退や早期退職になる場合が増える可能性がある。学生本人はもちろん、企業側でも採用活動の努力や時間が無駄になってしまうという。

問題は、「内定」という不安定な関係に問題があると、山﨑教授は指摘している。学生、企業の間に未確定要素やリスクがあるので内定という形をとるが、不安定な状態が長ければ長いほど双方にリスクが増える。

そこで内定よりも堅い状態を認めるようにして、不安定な期間を短縮できるような提案を山﨑教授は行っている。企業は、良いと思った学生に学年末にアルバイトしないで学業に専念できる「奨学金」を出すか、貸し付ける。一方学生は、これに対して、卒業論文やゼミの内容について定期的に報告をさせる。こうすれば、学生側は自身の専門への興味や学習した知識を企業に伝える機会が増え、企業側は学生の人柄や学習成績などを見極められ相互理解が深まるという。

また、この提案の別の狙いは、就活ルールの縛りがなくても、学生は内定を早く得ようとしなくなり、企業は、コストが増えるので採用活動を前倒しにしにくくなるという。🔧🏢🏠🎓📖⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本が構築したビジネスモデル」から

2018.10.5   日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本が構築したビジネスモデル」から

日本企業の過去最高の経常利益率はビジネスモデルの大転換にあり

コラムの著者が取り上げているのは、過去20年間、世界でも稀に見るビジネスモデル変換を成し遂げた日本企業について触れている。

○輸出主導、価格競争主体からの脱却

グローバル化、国際分業の中で2000年までは輸出主導、価格競争力主体の関わりのみだった日本企業が貿易摩擦、円高の試練で基礎が大きく否定され、従来の価値創造の崩壊をみるところまできたが、立ち直った。その要因はいくつかあるが、コラムの著者は以下を上げている;

  • 技術品質に特化した非価格競争
  • オンリーワン商品への大シフト
  • 海外現地生産を含むグローバルサプライチェーンの確立

であるという。日本の本社が全体をオーガナイズするという企業内の国際分業体制は、日本において最も発達したビジネスモデルと言える。これが、グローバル・サプライチェーン構築で東アジア中心に現地投資、雇用創出を生んだ。この未曾有の全産業の今年度の経常利益率の向上は、日本企業のビジネスモデルの大転換があったためであるという。✈️⚓️📈📖🌕💡🔎⚡️🏢happy01🌏


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:関空と幻の浮体工法」から

2018.10.4   日経産業新聞の記事「眼光紙背:関空と幻の浮体工法」から

関空の台風被害は防げたかもしれない

コラムの著者が取り上げているのは、台風21号で大きな被害が出た関西国際空港の水没に関して、原因が埋立地による地盤沈下であることから、これに代わるものが1977年に造船業界から浮体工法を提案されたが、政治的圧力によって現在の方式となった経緯について触れている。

○背景にゼネコンの政治力に造船業界が屈したことにある?

今回の台風被害が水深18メートルの海を埋め立てて空港島を造成したことで地盤沈下が進み開港当時よりも約3メートル0センチも沈んでいることから、高潮で水没したからである。

実際、地盤沈下が不可避な埋め立てに対する代替案はあったという。1977年に造船業界から浮体工法を提案され、巨大な鋼製の箱を造船所で建造し、現場で接合、係留して空港島にするというもの。工場生産のために安くて工期も短い。拡張工事も容易であるという。だが、実際は採用されなかった。ゼネコンの政治力に造船業界が屈したという見方もあったという。✈️⚓️📖🌕💡🔎⚡️🏢happy01🌏


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ZARA、短期間で商品改良」から

2018.10.5  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ZARA、短期間で商品改良」から

在庫管理に厳しいアパレルで新しいビジネスモデルを構築

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、ファッション業界は在庫管理が極めて重要だが、売れ残りの在庫処分や廃業といった常識から離れた革新的なビジネスモデルを構築したZARAに注目している。

○シーズンが進むほど商品のレベルが上がるZARA

 三浦教授が注目しているのは、スペインの衣料品世界最大手インディテックスである。同社はスペインの本社でZARAを展開、ファストファッションSPA(製造小売業)の雄で、「うれるものをつくる」(作り足し型)のビジネスモデルでありながら、他のファストファッションとは異なり、オリジナルかつセンスのある提案を行う。ただ、あまりにも個性が強いと消費者のニーズが離れてしまうために、在庫の山となる。このバランスをとりベストマッチさせるのが、同社のビジネスモデルである。

ZARAは各シーズンの最初は3週間分しか作らない。店頭での顧客の反応に基づいて本社近くで改良し、製品を毎週2回、店頭に送り、シーズン中に商品の的中精度を高める。その結果、シーズン末期に売れ残り商品の山となる日本の百貨店とは違い、シーズンが進むほど商品のレベルが上がり、顧客も満足する。

このビジネスモデルを実現させるのが強力な物流システムで、生産工場と本社の倉庫を結び、電子タグで省力化して世界に空輸するサプライチェーンを作り上げた点である。標準はかなり進み、進出国数、店舗数が増えても、帰って規模の経済性が高まることで、利益率が上がる仕組みである。💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01👚👔


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:オフィス、競争から『協働』へ」から

2018.10.3   日経産業新聞の記事「眼光紙背:オフィス、競争から『協働』へ」から

ベンチャーから大手に利用者、提供者が移動

コラムの著者が取り上げているのは、コワーキングスペースやコワーキングオフィスと呼ばれる欧米発の協働空間について利用者や提供者が変わってきていることについて触れている。

○無形の資源である社員や情報を積極的に協働

 協働空間が増えてきたのは、フリーランサー、起業家などが同じ机を並べて働き、コーヒーや食事、催しを一緒に楽しむことで、自然に化学反応が起こり、新規事業の芽が生まれるからだという。実際、東京都内でも346拠点もあり、存在感が増え、不動産業界でも注目されているという。

欧米からの上陸当時は、利用者も提供者もVB、スタートアップが多かった。近年は、両者とも大企業が推進しているという。その背景に、

  • イノベーションへの期待
  • リモートワーキングなどの働き方改革の推進
  • オフィスビルの大量供給時代の到来

にあるという。社員や情報などの無形の資産を囲い込んで競争させるよりも、積極的に開く協働の時代、オープンなイノベーション空間が日本企業でも徐々に受け入れられていることを物語っている。📖🌕💡🔎⚡️🏢happy01🌏