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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:孫氏の不思議な沈黙」から

2018.6.15   日経産業新聞の記事「眼光紙背:孫氏の不思議な沈黙」から

ソフトバンクの方向性に合うはずだが

コラムの著者は、ソフトバンクが投資会社に軸足を移す中で、フィンテック系は空白であることを指摘している。

○嵐の前の静けさ?

 ソフトバンクの孫正義社長が、徐々に軸足を投資会社に動かしているという。国内の携帯電話子会社を年内に上場させ、経営が低迷する米スプリントはM&A&で支配を手放し、上場益で、巨額の有利子負債を圧縮する予定だという。その先には投資事業に拡大だ。10兆円ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は、ライドシェア、自動運転、AIなどへと投資する。携帯端末事業にはすっと、手をひくようだ。

ところが、孫氏が手がけていないのか、知っていて今は手をださないのか、「フィンテック」分野は未開地であるという。フィンテックの元の1つであるブロックチェーンは、金融のみならず、シェアエコノミーには親和性が高い。ICOも資金調達手段として注目されている。にもかかわらず、グループ会社のヤフーが仮想通貨のVBに資本参加しているぐらいで、まさに嵐の前に静けさだという。🚙🚗💴🏢📈💡🔎⚡️🌎happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:オムニチャンネル化、日本は多業態で展開」から 

2018.6.15  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:オムニチャンネル化、日本は多業態で展開」から

複数の業態でネットとリアルを行き来する日本型オムニチャンネル

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、消費者がネットとリアルを継ぎ目なし(シームレス)に行き来し購買できるオムニチャンネルについて、日本独特の展開について考察している。

○アメリカのオムニチャンネルは単一業態がリアルとネットをもつ

  横山教授によれば、オムニチャンネルのインパクトは、新しい有望な販路開拓といった単純な影響ではないという。チャネルとは、メーカが効率的にターゲット顧客の消費者に自社製品を行き渡らせるために経路である。同じお菓子でも、コンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストア、キオスクなど、多様な業態を通じて購入することができる。同じ製品を扱う業態が並立できるのは、それぞれの業態が製品の価値とは別に付加価値を提供しているからだと言える。

オムニチャンネル化が進むと、これらの業態間のすみ分けが一層曖昧になることが、日本独特のオムニチャンネルを生む要因となっている。米国では、一業態がリアルとネットを持つだけで顧客がそこを行き来するだけである。一方、日本は、複数の業態から構成される多業態でのオムニチャンネルを作る。顧客は日本の場合、業態を超えてネットとリアルを行き来しながら購買行動をとるという。オペレーションは複雑化し、競争、コンフリクト(矛盾)、カニバリゼーション(共食い)状態が起こる。それを乗り越え、勝ち残った企業だけが傘下に多くのチャネルを持つことになる。

しかし、この寡占状態は長続きしない。というのは、規模が大きくなればなるほど、最大公約数的な提供価値に終始し、ニッチ市場を狙ったビジネスチャンスが広がるからだという。今後の日本型オムニチャンネルがどう進展するか、興味がそそられるところである。🏪🚚📦👔💡⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:深圳詣でと『KMK』」から

2018.6.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:深圳詣でと『KMK』」から

「来て、見て、帰った」に終始する先端技術の視察団

コラムの著者は、KMKに終始する視察団の動きを多少皮肉にみて、本来深圳の成功に何を学ぶべきかを示している。

○かつてはNATO(No Action Talk Only)とも罵詈を浴びた視察団

 スタートアップが成功し発展が進んでいる中国深圳市に、政治経済、官界の視察団が殺到しているという。「スタートアップ企業が、なぜこれほどまで活発に誕生しているのか」という疑問への答えを求める訪問が多いという。それは真摯な目的ではあるが、行動は、KMKに終始しているという。単に、見てきて、勢いがあるな、と感じるだけでは何ら展開はない。それに伴った行動が必要である。

同じことが、5年ほど前にミャンマーでも起こった。現地の経済人は、日本人は、NATOだという。いうだけで、行動はないと見透かされたわけで、その繰り返しを深圳詣で行っているだけである。深圳側の有力なスタートアップは、そのような物見遊山の見学者は迷惑だということで、2時間3千元(約5万1千円)の料金を徴収するという。

深圳市が発展したのは、即断即決で実利的であることに集約される。むしろ、そこを視察団は学ぶべきかもしれない。🚙🚗💴🏢📈💡🔎⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『EVは簡単』説のうそ」から

2018.6.13   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『EVは簡単』説のうそ」から

エンジンを下ろしてモーターに変えても量産EVにはならない

コラムの著者は、電気自動車(EV)はガソリン車に比べて部品点数が少なく、誰でも簡単に作れるという説は間違いであることが、米テスラの量産車の製造に悪戦苦闘していることからもわかるという。

○既存のガソリン車を改造しても安全確保や電池性能が引き出せないなどの課題が山積

 俗説が、皮肉なことに米テスラのような輝ける星に突きつけたのは、廉価版量産車の製造でのことだという。コスト削減のために上級車に使われたアルミシャーシーを鉄とアルミの併用に変えたことから異種材料接合などで苦労しているという。一方、量産がお手のものの既存のメーカーも、今ある車からエンジンを抜き去り、そこに電池やモーターを入れるだけでは、B級のEVしかできず、テスラには対抗できないという。つまり、EVに特化した車両をセロから設計することが、安全性や効率性を考えると必要だという。しかし、この開発費がバカにならない。巨額の投資が必要となる。また、市場も不安定で本腰になれない。

そこで、大手メーカー連合で、基本車台を設計するプロジェクトが立ち上がった。初期投資を参加メーカーで割り勘にしようというものである。さて、この戦略で、各社EV時代を乗り越えられるか?🚙🚗💴🏢📈💡🔎⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:商機はグレーゾーンに」から

2018.6.12   日経産業新聞の記事「眼光紙背:商機はグレーゾーンに」から

グレーゾーンという曖昧さに惹かれるのは人間の性なのか

コンビニエンスストア大手のファミリーマートが、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の店舗運営を採用した新装開店した顧客から聞こえたのは、品揃えが面白いという評判であったという。コラムの著者は、この話題から小売業のグレーゾーンについて触れそこに顧客を引き付ける要因について語っている。

○戦前は古着屋、戦後は闇市

 ファミリーマートの試みは、「面白い」「今までにない品揃えが楽しい」と評判はまずまず。元になったドンキホーテホールディングスは30年も増収増益を続けている。その秘密は、「グレーなところに商機がある」と同社のOBは語っている。消費期限が迫った商品を格安で大量にさばいた。スーパーマーケットや小売店で扱うことをためらうような商品も深夜の営業時間帯なら若者中心で抵抗なく手にとってくれるという。

このように小売業にはグレーな部分がつきまとうという。戦前は古着屋、戦後は闇市。消費者はそれを認めつつ、買い物をしてきた。だが、近代化が進むと、モノ不足は解消し、画一化したものを嫌う消費者が没個性の売り場から消えていったという。ドン・キホーテの躍進はこうした小売業の先祖返りのイメージと、その曖昧さに惹かれる人間性をついているのかもしれない。💴🏢📈💡🔎⚡️🌍happy01