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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:住宅ローン、訴える、優しさと切なさと」から

 2017.7.10  日経産業新聞の記事「拡大鏡:住宅ローン、訴える、優しさと切なさと」から

デジカメの性能はイメージセンサーの進歩に連動

コラムの筆者 岩永 嘉弘氏(ネーミング&コピーライター)は、記号や数字のネーミングが主流であった不動産関係のネーミングについてその背景について考察している。
◯人生の節目に切なく暖かいネーミング

ARUHIは社名でもあり、住宅ローンのブランド名でもあるという。
いつか家を持ちたい、という30代の夫婦をターゲットにしたネーミングであるという。
どこか切なく暖かいネーミングである。いつか借家から脱出していきたいという、その日が来るという夢が実現する日が、何でもない、ある日というわけだ。

これまで住宅ローンの名前で、こんな優しい名前はなかっただろうと岩永氏はいう。従来は、固定型の低金利ローン「フラット35」といった、味もそっけもない無機質なネーミングであった。

ここにきて無機質からヒューマンな語りかけに変化したのは、若年人口の減少が、そろそろ壮年層に移ってきたからだという。住宅の獲得への意識の高まる30代に少子化の波が近づいてきた。そこで、不動産業界や関係の金融機関では、刷新をはかっているようだという。ARUHI以外にもTATERUといったブランド名も登場した。まさに「建てる」であるが、住宅ローンではなく、アパート経営のプラットフォームである。若年層への賃貸アパート供給が目的であるが、このネーミングにそったデザイナーズ設計を意識させようとしている。今や数字や記号では訴求できないことから、熱い思いの日本語ネーミングが引き続き人気になるようだと岩永氏は述べている。⚡️💡🏠🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キャラAI、楽しい会話で商機拡大」から

2017.7. 6  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キャラAI、楽しい会話で商機拡大」から

キャラクター人工知能の広告効果

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、ローソンがSNSのLINEで始めたキャラクターAIである「ローソンクルー♪あきこちゃん」の広告効果について考察している。

○他のソーシャルメディアにも波及効果が

 あきこちゃんは、LINEで約2200万人もフォローする、ローソン公式アカウントのキャラクターである。もともとは日本Microsoftの対話型人工知能「りんな」をベースに開発した。りんなは検索サービスBingの多種多様な検索ワードを利用した言葉で、少し生意気な口調だそうだ。それをあきこちゃんの場合、企業の公式キャラクターであることから言葉の自由度を制限する必要があり、話し相手との間合いなども再設計が必要となった。

約10ヶ月の実証実験後、2016年9月より会話を開始。あきこちゃんは、同社の公式アカウントをフォローするユーザーに対して、会話をしながら、最寄りのローソン店舗や新商品の紹介、占い、しりとり、性格診断などの多くの機能を盛り込んだ。

実証実験の結果で見えてきたことは、以下の3つである。

  • 会話をブロックする確率は減った。

通常は企業アカウントの場合キャンペーンなどの後、ブロックされることが多いが、あきこちゃんの場合は会話が楽しく、暇つぶしにもなることから、ブロック解除や新規のフォローするユーザーが増えたという。

  • 他のソーシャルメディアへの波及効果

会話の内容をキャプチャーして、ツイッターやインスタグラムに投稿するユーザが多発した。さらにあきこちゃんアンバサダーのようなインフルエンサーを産んだ。

  • 購買理由や購買後の満足度などの心理的情報の把握ができる

 ポイントカードの購買情報などからでは割り出せない精度の高いマーケティング情報があられる。これは他社にとっても欲しい情報であり、多くの同社製品とのコラボが生まれた。

あきこちゃんの成功には会話がしたくなるようなキャラクター設定が重要であったようだ。🏪💡📱pc🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『豚が飛べない時代』生き残るには」から

2017.7.4    日経産業新聞の記事「眼光紙背:『豚が飛べない時代』生き残るには」から

超高速経済成長の曲がり角の中国

コラムの著者は、中国・浙江省杭州のイベントホールで登壇した、アリババ集団の創業者、馬雲(ジャック・マー)氏の講演を通うじて中国企業の経営者の動きを伝えている。

◯曲がり角の先

 コラムの著者が参加した講演で、馬氏は、ユーモア溢れる語り口で

「風に乗れば豚だって飛べます、でも、風がやむと、豚は落ちます」

と語り、笑いに包まれた。

豚のたとえ話は、超高速経済成長が曲がり角を迎えた中国の企業経営のあり方であるという。経済全体が大きく伸びるときは誰がやってもビジネスはうまくいくが、これからはそうはいかないと警鐘を鳴らしたのである。

中国企業も節操なく、儲かる分野を渡り歩いてきた。それ自体は悪いことではないが、1つの分野で悩み抜いてこそ、生まれるアイデアやイノベーションは期待できないことになる。

今度は6月下旬の上海。京セラの「稲盛イズム」や「アメーバー経営」を教えるセミナーでは中国企業の幹部で埋まったという。会社の存在意義や経営哲学を重視するスライドの数枚を無数のスマートフォンの写真となった。豚が飛べない時代はすでに中国企業の幹部は肌身に感じているのだろう。💡🇨🇳🏢🌍😃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 4次産業革命、中小企業は果敢に挑戦を」から

2017.7. 4    日経産業新聞の記事「風向計: 4次産業革命、中小企業は果敢に挑戦を」から

果敢に挑戦し、新技術を活用、進化させ新しい価値を生むのが中小企業の源泉

コラムの著者 橋本 虎之助氏(橋本総合特許事務所所長、弁理士)は、2017年5月に産業構造審議会が公表した「新産業構造ビジョン」骨子(案)にふれ、今後の日本の推進力は、4次産業革命に果敢に挑戦するとことから生まれるという。

◯大量のデータを人工知能が自律的に最適化する4次産業革命の時代

 

これまで人類は幾度かの産業革命を経て経済・社会構造の大変革を遂げてきた。昨今は、上記ビジョンが語る第4次産業革命の最中であるという。大量の情報をもとに人工知能が自ら考え最適な行動を取る技術が出現しはじめている。つまり自律的な最適化が進むという。

同骨子(案)では、「2030年大代に向けて、第4次産業革命の新技術(ビッグデータ・人工知能・ロボットなど)を生かした新たな「システム」を構築することにより、世界の課題解決と日本の成長につなげる、一人一人にとって、より豊かな社会を実現する」ことを目指すという。

一方、企業にとってビッグデータや人工知能などを活用し、その安全対策、人材の育成と確保をどうすすめるのか、生み出された情報財をどのように保護・活用するかなど、課題が山積である。だが、現場によるデータの蓄積を強みに、臆することなく果敢に挑み、新技術を活用、進化させ、新たな価値を生み出すことが重要であるという。🔧⚡️💡🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:熾烈な智の闘い、批判なきところ進歩なし」から

2017.7.4   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:熾烈な智の闘い、批判なきところ進歩なし」から

サイエンスは事実の価値だけで闘う

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、学問の最前線ではたくさん投げられてくる批判と闘いながら進んでいることを自分の体験を通じて語っている。

◯闘いのやり取りは科学史上の重要書簡に

 

和田教授の事例は痛快である。教授の専門である生命を対象とする物理計測を研究開発していたころの話である。

1970年代の早い時期に人類にとって最も大きな意義のあるこのテーマに挑戦すると決意したそうだ。1983年に世界初のDNA高速自動解析の論文を著したという。ある国際科学雑誌に投稿したところ、編集長から連絡が来てそこには査読者(レフリー)の意見が記してあった;

  • 「このDNA自動解析装置は専門家による解析のレベルには達していないから却下すべきである」

サイエンスは批判なきところに進歩なしの世界である。和田教授はこの意見に闘志を燃やし、反撃に転じた。編集長に

  • 「彼のコメントは、自動車や機関車の発明当時『この機械は馬のように自由に走れないから駄目だ』と言ったに等しい。科学技術は人間の優れた能力を機械で置き換えてきた歴史でもある。彼の意見は、DNA自動解析機の真価を理解できなかった研究者もいたと言うことで、歴史に残すべきものである」

と書いて送ったという。さらに別の科学雑誌に以下のような手紙をつけて投稿した;

  • 「この論文は、他の科学雑誌に投稿したものですが、不幸にしてレフリーの無理解のために却下されたものです。ここに、私と編集長との意見のやり取りはのコピーを同封します。もう少し大所高所に立って、革新的な発想を理解出来るレフリーを選んで審査してください」

これに対して、

  •   「前のレフリーはこの論文の真価を理解していない。無修正でこのまま出版すべきである」

と返答がきた。

和田教授のこの書簡のやり取りは、科学史上の重要書簡を保管しているシカゴの米国公文書館に送られ、本当に歴史に残された。

サイエンスでは事実の価値だけで闘うことができる、痛快なもののようだ。🔬💡💻🏢🌎happy01