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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 災害対策の教訓、憂あれば備えあり」から

2016.11.29  日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 災害対策の教訓、憂あれば備えあり」から

憂うことで備える政策が生まれてきた

コラムの著者 円山重直氏(東北大学流体科学研究所教授)は、新幹線の災害対策を事例に、東京電力福島第1お原子力発電所の慢心についてふれている。

◯新幹線の安全は如何につくられたか

 1964年の開業以来100億人以上を輸送してきた新幹線は、衝突や脱線で亡くなった乗客はいないという。新幹線の安全は如何にしてつくられてきたのか?

  • 1996年阪神大震災: 高架が倒れたが、始発電車の出発前で被害なし→国鉄は、高架路線を補強
  • 2004年新潟県中越地震: 上越新幹線が脱線したが幸い、直線路線で大事故にはならず→脱線しても路線から大きく外れない対策を施した
  • 2011年東日本大震災: 27輌の営業車両が走行していたが電源を遮断して緊急制動するメカニズムを導入→独自で地震計測し気象庁の警報以前に電車を停止。

だが、これでも安全対策は完全ではないという憂いで事故を防いできた。

だが東京電力の原子力発電所事故は2004年のスマトラ地震によるインドの原子力発電所の津波浸水、2001年の台湾の原子力発電所で全電源喪失の事例があったにもかかわらず、「原発の絶対安全」にすがりつき、電源の多様化や津波対策をおろそかにした。自然災害や人災などのあらゆる可能性を真摯に憂いて、対策を行っていれば事故は防げたかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『君の名は。』が示す感情最上位」から

2016.11.25   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『君の名は。』が示す感情最上位」から

本来の「文学」的なものは忌避

コラムの著者は、アニメ映画「君の名は。」は国内の9人に1人がムルほどの大ヒットとなったが、その背景にある見落としについて語っている。

◯感情が価値判断の最上位に

こう述べるのは、批評家の大塚英志氏で、今の時代を

「『感情』が私たちの価値判断の最上位に来て、『感情』による『共感』が社会システムとして機能する事態」(太田出版『感情化する社会』)。

だという。そこには警告が含まれている。

安心して泣け、癒されるコンテンツが受け入れられ、心にさざ波を立てたり、得体の知れない感情を引き起こしたりするという。

バッハが発明した平均律は本来の数学的に割り切れない音を幾つか妥協してずらすことで、鍵盤楽器の調律を可能にした。よって完璧なハーモニーは合唱でしか響かせられないものだという。

「同調」は妥協の上にしか成立しないということか。感情の同調的圧力は、どこか危険性をはらんでいる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中せアラビアの興隆、様々な科学文化を吸収」から

2016.11.25  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中せアラビアの興隆、様々な科学文化を吸収」から

8世紀から15世紀までの長期にバグダットを中心に栄える

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続きサイエンス思考の起源を求めて歴史を紐解いている。

◯民族、宗教が異なっても統一イスラムの下アラビア語を共通言語として発展

古代ギリシヤに興り、東ローマ帝国(ビザンチン帝国)へとサイエンスは移り、8世紀から15世紀にかけて現在のイラクにあるバグダットを中心にアラビア文化圏で栄えた。

この中世アラビア科学はアラブ人だけの科学ではなく、ペルシャ人を中心に、ユダヤ人、トルコ人も活躍した。アラブ人の科学者、哲学者は少なかったという。宗教的にもイスラム教とだけでなく、キリスト教徒やユダヤ教徒なども貢献した。

特徴的なことは、アラビア語を共通言語として協力し、先進文明圏のさまざまな文化を吸収、融合、発展させてきた。アッバース期、全イスラム期、アンダルシア・モンゴル期と3期にわかれ、名称が学問活動の中心となった。

こうしてアラビア科学は古代オリエント(バビロニア、エジプト)科学から発してビザンチンへ移ったヘレニズム科学を発展させた。ササン朝ペルシアを通じて、インドや中国の科学的な業績も積極的に取り込み、しれが西欧科学と引き疲れる基盤を作ったという。近代科学はアラビア科学によって大きな役割と恩恵を受けた。pchappy01