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2016年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:東電有識者委の疑心暗鬼」から

2016.10.17   日経産業新聞の記事「眼光紙背:東電有識者委の疑心暗鬼」から

矛盾する説明がかえって疑心暗鬼を生む

コラムの著者は、経済産業省で今月から始まった「東京電力改革・1F問題委員会」を非公開にしたことに危惧を抱いている。

◯非公開後の記者ブリーフィングとの差異

同委員会は、東電HDの再建問題や、福島第一原発の廃炉費用の負担策を話し合うものである。しかし、経産省の説明では「個別企業の経営問題に関わるため」として非公開にした。また、最後の記者ブリーフィングを丁寧に実施するといいつつ結果が疑心暗鬼をよんでいるという。

オブザーバーとして出席した東電HDの広瀬直己社長は、初回の会合後、

  • 福島第一原発の廃炉費用が膨らみ、債務を一括計上せざるを得なくなると、東電は債務超過で倒れる可能性がある。
  • 制度措置をつくりリスクを取り除いて欲しい

とのべたという。

ところが、伊藤邦雄委員長(一橋大学特任教授)による記者ブリーフィングで、この件を尋ねられると、

  • 広瀬社長から明示的なお願いがあったわけではない

と否定。

それこそ、言った言わないの水掛論をどう検証すればよいのか。だから公開すべきという意見も多い。むしろ、記者ブリーフィングで伏せられた発言の方が問題ではと、非公開はかえって疑心暗鬼を助長しているように見える。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:VR、日本勢の存在感示す好機」から

2016.10.17  日経産業新聞の記事「拡大鏡:VR、日本勢の存在感示す好機」から

テレビ映像とは次元の異なる体験

コラムの筆者 鴻池 賢三氏(AV評論家)は、ソニー・インタラクティブエンタテイメントが発売する「プレイステーションVR」がもたらす、産業界への影響について述べている。

○2016年はVR元年

 鴻池氏によれば、今年はVR元年だという。仮想現実(VR)技術、製品、サービス関連で情報が常に配信されているからだ。VR自身は目新しいものではない。しかし、普及が本格的に始まるというエポックだという。それは、ソニー・インタラクティブエンタテイメントの「プレイステーションVR」(略称、PSVR)が、同社の据え置き型ゲーム機「プレイステーション4」と組み合わせて、良質なコンテンツとトータル10万円をきる価格でVRを楽しめるからだという。

鴻池氏も体感したようだが、没入感が視野を覆い尽くす3D画面で極めて高く、現実と区別がつかないくらいリアルだという。360度の映像に取り囲まれているという体験はテレビ映像とは異なった次元で、首の動きに対する遅延や映像による酔いも少ないという。

現状はゲーム応用だけだが、人的交流、物販やサービス提供に応用が期待されており、成長の可能性は大きい。コンテンツも精巧な作り込みが得意な日本企業の再度の存在感が出てくるかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:留学生採用の『ガラパゴス』」から

2016.10.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:留学生採用の『ガラパゴス』」から

適性テストも日本人しか念頭になく

コラムの著者は、中堅企業で外国人元留学生の採用について現状を説明し、採用がまだまだ外国人向けでない点を指摘している。

◯離職率が低い元留学生

大阪市で産業機器商社であるエバオンの現状は、

「従業員100人程度の会社ですが、9人が外国人元留学生です。もっと採りたいのですが、離職率が低いのでパンパンの状態です」

と同社の谷口慎吾氏は語っている。24年前から、中国人、タイ人、インドネシア人を採用したが、海外事業部や営業の第一線で日本人とともに働いているという。

政府も2020年の国内の外国人留学生を30万人に増やす計画である。すでに20万人を突破しているという。一方、留学生の日本での就職率は日本全体の大卒就職率が68.8%であるところ、34.5%に止まっているという。

採用の現場では、「日本の就活はガラパゴス化している」と指摘している。たとえば、人材サービス会社などが提供する適性テストなどは日本人しか念頭になく、留学生にとっては時間が短く、優秀生もはじかれてしまうという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:第4次産業革命で生産性の向上を」から

2016.10.13   日経産業新聞の記事「眼光紙背:第4次産業革命で生産性の向上を」から

不況は需要不足ではなく、生産性の伸びの低さが原因

コラムの著者は、日本銀行の金融政策を進めても日本の病巣が治癒するのではなく、根元である生産性を高め実質所得をあげることにあるという。

◯ほぼ完全雇用状態でも生産性が低い日本の産業

 金融政策でマイナス金利を深堀し財政支出を拡大しても、日本の経済の根本治療にはならないという。

日本が抱える問題は、需要不足による不況ではなく、生産性の伸びの低さにあるという。生産性が低いので報酬が低迷したままで、需要が伸びない。データからみると日本の雇用環境はほぼ完全雇用なのに、所得が増えない。まるで、自動車の時代に馬車を巧みに操って荷物を運んでいる、とった比喩にある状況である。生産性の低い仕事を目一杯働き続けているという。

この対策として成熟した日本経済には、人工知能やIoT、ビッグデータの活用などフルに活用する第4次産業革命を積極的に進めるしかないという。外資や外国人も取り込み、規制産業の競争を促し、このままでは死滅するという刺激を産業界にあたえないといけないという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:大人用粉ミルク、必須栄養素で健康維持」から 

2016.10.13   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:大人用粉ミルク、必須栄養素で健康維持」から

お客様相談室の声から製品開発

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、森永乳業が3日に通販限定で販売開始した「ミルク生活」(360グラム、3670円)の開発の背景について触れている。

○シニアの健康寿命の維持がターゲット

大人をターゲットとした粉ミルクとしては乳業メーカー初だという。同社は育児用ミルクについては粉ミルクをいかに溶けやすくするなどの技術に関しては社内に蓄積がある。しかし、何を大人が求めて粉ミルクを飲みたいのかを探るインサイト(思惑)を探ることについて時間をかけたという。その結果、いきいきと暮らしたい、つまり健康寿命を延ばしたいというニーズにたどり着いた。

まず、高岡教授によると、同製品は以下の様な機能性素材が配合されているという;

1回の目安量である20gに対して、

  • カルシウム;牛乳の約1.3倍の150mg
  • 鉄分;ほうれん草75g分の1.5mg
  • ビフィズス菌;BB53620億個
  • ラクトフェリン;20mg
  • シールド乳酸菌;100億個
  • 中鎖脂肪酸;1.0g

を含んでいる。

また、商品開発として;

  • 2015年中50歳以上の女性にアンケート調査
  • 商品持ち帰り自宅で16日間試飲調査

で配分成分や味わいを調整した。

マーケティングの調査は;

  • 主要ターゲット;50歳代以上の女性
  • 実際の購入者も女性が75%以上を占める
  • 年代別で50歳代が最も多い
  • 40歳代、30歳代にもかなりのニーズがある

などがわかり、近年の健康意識の高まりが追い風になっていることもわかった。

このように大人用粉ミルクは新市場を切り開く可能性があるという。cafehappy01