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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:スポーツ振興の敵は学校?」から

2016.6.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:スポーツ振興の敵は学校?」から

スポーツを教育という枠から解放する必要性

コラムの著者はマラソン好きの作家、村上春樹氏の随筆を引用して、学校教育、とりわけ体育とクラブ活動における課題がスポーツを食わず嫌いにしている要因ではないかと指摘している。

○大人になって自分の意思でやったら面白いスポーツ

村上春樹氏の随筆で

「小学校から大学まで、体育の授業がいやでいやでしょうがありませんでした」

と書いているという。体操着に着替えさせられ、やりたくもない運動をするのが苦痛であり、長くは村上氏も運動が不得手だと思っていたらしいが、大人になり自分の意思でやるとやたら面白いという。

「体育の授業というのは、人をスポーツ嫌いにさせるために存在しているのではないか」

とまで書いているという。

村上氏だけに限らず、体育の時間だけでもない、遠足や部活動なども、素人同然の教師がボランティアで指導し、教師の負担も大きい割に事故を起こす危険性も大きい。マラソン大会やヨガ教室が大人気であって、スポーツ市場は大きいのに、学校が思わず、スポーツ嫌いを増やしているのではないだろうかと、コラムの著者は指摘している。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:イノベーション、『自分ごと』ととらえて」から 

2016.6.9   日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:イノベーション、『自分ごと』ととらえて」から

「自分ごと」ととらえる教材を通じて

コラムの著者 関沢 英彦(東京経済大学コミュニケーション学部教授)は、経産省の産業構造審議会の中にある新産業部会がまとめた「新産業構造ビジョン中間整理」の内容の前提として、個人のイノベーションに対する当事者意識が重要だと説いている。

○アントレプレナーのみならずイノベーションチームをリードする人材も重要

関沢教授は指導するゼミの学生に対して、4月に刊行された「AIの遺電子」(山田胡瓜氏の漫画、秋田書店)の続編を考えることを課題にして討論をしたという。同著は、人工知能(AI)のヒト型ロボットを治療する「医者」がテーマ。この漫画と未来予測データを示して、予想される2035年像を検討した。

この論議の目的はイノベーションという他人事ではなく、自分ごとと「感情」を込めて考える企画だという。

確かに、前述の「新産業構造ビジョン中間整理」には、第4次産業革命を進めるために「創造的な問題発見・解決のために情報・データやITを使いこなす力」を教育する必要性が強調されている。だが、関沢教授は、その指摘以前に個人のイノベーションに対する基本的なあり方が問題ではないかと指摘している。

ゼミの学生が体験したように「感情」を込めて未来への確信を自分ごとにできるかということである。未来に向かった何事かを始めるには、「こうしたい」という思いがあってこそではないか。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:成功は復讐する」から

2016.6.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:成功は復讐する」から

成功手法がいつまでも有効とは限らない近代経営

コラムの著者はダイキン工業の経営計画をあげ、近代経営で必ずしも成功した手法が通用するとは限らないことを示している。

○法規制やニーズの変化で成功事例は生かせず

ダイキン工業が2020年度で売上高3兆円を目標とした経営計画を発表した。主力の空調事業以外の分野も伸ばして達成を目指す。ただ、コラムの著者がいぶかるように、その説明資料から空調事業を左右するキーワード、COP21(第21回国連気候変動枠組み条約締結国会議)がぬけていたという。

COP21が採択したパリ協定は温暖化ガス排出抑制を謳っているが、この資料に出てくるのは最終ページの1箇所だけだという。

それには空調につかう冷媒で同社は地球温暖化係数の小さい代替フロン「R32」の普及を急いでいるが、欧州のデュポンやハネウェルは温暖化係数が小さい別の代替フロンを推し、欧州のデファクトとなろうとしているという。

環境規制では国際会議における巧みな欧州が先行し、他の先進国が追従することが多い。その欧州は代替フロンよりも自然冷媒を好むという。同社も自然冷媒の研究開発を進めているが、製品化には時間がかかるという。

同社の成功してきた戦略、エアコンと冷媒の両方を自社生産する強みが、いつまでも成功するとは限らないところが厳しい近代経営である。成功がまさに復讐となってかえってくる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 美容ドライヤー、高価格でも次々ヒット」から

2016.6.7   日経産業新聞の記事「風向計: 美容ドライヤー、高価格でも次々ヒット」から

対象領域を広げコストパフォーマンスをあげる

コラムの著者 粟飯原 理咲氏(アイランド代表取締役)は、美容家電の進化が目覚ましく、その中でとりわけ、ヘヤケアが注目され、高級美容ドライヤーが人気だという。

○「ヘアビューザー エクセレミアム 2D Plus プロフェッショナル」が人気

同製品はリュミエリーナ(東京・中央)が発売しているもので、コスメ・美容サイト「アットコスメ」で最近1ヶ月の閲覧数上位を占めている。
まずはヘアサロンで評判となった。髪の毛に長時間風をあてても、乾燥したりパサついたりせず潤いを増すという。また冷風をあてると素肌のきめが整うという。価格は、3万5640円で決して安くはない。
一般消費者にもクチコミで広がり、今年4月には同社初の直営店を松坂屋名古屋店内にオープンした。この背景にヘアケアに対する意識の変化があるようだ。
ユーザーの効果の関心となる部分が、髪の毛だけでなく、スキンケアの領域にまで広がっているようだ。つまりヘアケアとスキンケアの垣根が曖昧になり、多機能性製品が支持されてくるようだという。
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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国で読まれる『日本第一』」から

2016.6.6   日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国で読まれる『日本第一』」から

再出版された中国版「Japan As Number 1」

コラムの著者は最近上海市内の書店を訪れると、「日本第一」と言う本を見かけるという。その背景とは?

○30年前の日本と今の中国の共通性

1979年に米ハーバード大学のエズラ・ボーゲル名誉教授が著した「Japan As Number 1」の中国版が上海の書店では増刷される人気だと言う。往年の日本の高度成長を分析したこの本が、なぜ今中国でよまれているのか?
急成長が米国との摩擦を生み、公害に苦しんだ点など、30年前の日本は今の中国と共通点が少なくない。直面する課題を説くヒントを求め読まれているようだという。
また、日本では、百年の歴史を持つ企業が2万5千社あるというが、中国では数百社にすぎない。この長寿企業の秘訣はどうやら、「先義後利」(義を先に行って利を後にするものは栄える)という中国の古典のことばにあるようだ。とすれば、当の中国は、「先利後義」となり、深刻な貧富の差と役人の腐敗を招いているのではないか。
同著のボーゲル氏は、
「日本は格差や腐敗が比較的少ない。中国は経済的規模で日本を抜いたが、学ぶことはまだあるのではないか」
と、中国版再刊に言葉を寄せたようだ。

 

 

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