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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:キログラムの再定義、計量標準、モノからコトへ」から

2016.3.11  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:キログラムの再定義、計量標準、モノからコトへ」から

キログラム原器に変化あり

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、4年前にキログラム原器の役割がかわるとのコラムを書いたが、この時は再定義の方向性は決まっていた。その後の進展について述べている。

◯物理定数、プランク定数で定義

さて、和田教授が触れた再定義とは何か。

プランク定数自身も実測値の不確かさがあることを認めているが、現在パリの国際度量衡局にある唯一の国際標準の原器の変化がこれを下回れば、原器自身の役目を果たさなくなる。

そこで、プランク定数を独立な2つの測定法で不確かさを検定することになった。詳細は省くが、確立された2つの手法の不確かさがいずれもキログラム原器の不確かさを下回ったので再定義の条件を満たした。すでに長さや時間などの計量標準で唯一具体的な原器で残っていた質量原器はその役目を終えることになりそうだ。

2018年に予定されている国際度量衡総会で決定されると、正式にキログラムの再定義が実現する。これまでのモノであったキログラム原器からコトであるプランク定数をもとに国際標準が決まることになる。物理学の法則自身を信頼し、定数の数値の不変性に委ねることになる。

具体的なモノから、確立され共有されたコトへの変革が、科学技術にも起こってきている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:イースター商戦熱く、「第2のハロウィーン」なるか」から

2016.3.11   日経産業新聞の記事「流行を読む:イースター商戦熱く、「第2のハロウィーン」なるか」から

春休みシーズンと重なり盛り上がり始める

コラムの著者 粟飯原 理咲氏(アイランド代表取締役)は、ハロウィーン商戦にあやかろうと欧米の記念日にあやかったイースター商戦を取り上げている。

○エッグハントで鶏卵関係が盛り上がる

春の新行事としてイースターがファミリー層を中心に盛り上がっているという。欧米などのキリスト教圏ではなじみの行事で、イエス・キリストの復活を祝い、記念する日として「復活祭」とも言われる。

ここ数年、日本でも大型テーマパークが期間限定のイベントを開催したことから、メーカーが関連商品を出して「イースター商戦」が盛り上がっているという。

推定の市場規模は、240億円(一般社団法人 日本記念日協会しらべ)で前年より50億円も増加。

イースター関連のイベントで有名なのは「エッグハント」。庭などに卵を隠し、子供達が探すというもので、そのために、卵料理や卵をモチーフにしたアイテムが人気となる。

食品では、国内生産の鶏卵の約10%を使うというキューピーグループは、2011年からイースター関連の商品を取り扱い始め、期間限定で卵の美味しさを生かしたという「イースターサラダドレッシング」を販売。グループで10億円の効果をだしたという。その他、お菓子の小売りや輸入食品も影響を受け、いずれも売り上げを伸ばしている。

春休みの期間の1つの商戦となりそうだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:出る杭を打つな、井の中の蛙に世界は見えず」から

2016.3.8  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:出る杭を打つな、井の中の蛙に世界は見えず」から

叩いているうちに全体が低くなってしまう

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、科学技術の諸方面で挑戦している先端者には「出る杭は打たれる」現状をかたり、狭い世界では世界への貢献もできないことも語っている。

◯画一的な学校教育が原因?

  • 和田教授は、他人の模倣をしないことを信条とされてきたことから、散々叩かれてきたという。
  • 生物物理学を開いたとき;動物学の長老教授から「物理学で生命がわかるはずがない」
  • 遺伝情報研究におけるDNA分子の重要性を主張したとき;「生命はそんな簡単なものではない」
  • 遺伝子情報の高速自動解析を契約したとき;医学部出身の官僚から「そんなことは私の目の黒いうちにはさせない」
  • 新しい教育理念に基づく横浜サイエンスフロンティア高等学校を立ち上げたとき;すでに国際的に高い評価を得ているのに。「公立高校は国際性をもたなくてよろしい」

などなど、これ以外にコラムに叩かれた事例がある。

自分のユニークさな考えを述べる大切さを教えられなければ、出た杭をみたら叩いてそれえたいという教育現場の姿があるのかもしれない。

いづれにしても、批判の多くが井の中の蛙で世界を見ていないことに憤りさえ感じる。国際社会の共感を得るには、それを裏付けるだけの理念が必要である。高く広い視野をもって、ヒューマンの優しい心があることが、日本の進歩につながる
pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:使い方、ペッパー自ら指南」から

2016.3.8   日経産業新聞の記事「パッケージNOW:使い方、ペッパー自ら指南」から

ヒト型ロボットはハードウェアであると同時にアプリを搭載したソフトウェア

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、ソフトバンクグループが昨年発売したヒト型ロボット「ペッパー」の取扱説明書について触れている。

○これまでに製品の取扱説明書

竹原氏は、ソフトバンクロボティクス商品企画の大木一史氏に聞いてみた;

「箱を開けた時にすぐに分かる場所に、かんたんセットアップガイドと動画へ誘導するステッカーを入れている。セットアップガイドは、箱からペッパーを取り出して準備ができるまで説明。ステッカーに印刷されているQRコードをスマホで読み取ってアクセスできる動画マニュアルで使い方を学べるよう工夫した」

という。安全に対する手順、充電器に接続して充電し、電源を入れるまでが図解。裏面には動作チェックリストが書かれており、充電やWifiの状況を確認できるという。初回起動のチュートリアルアプリは5分の動画で基本的な使い方がわかる。

これまで取り扱ってこなかった製品であるが、紙や動画を活用してユーザーの動作の流れにそって説明していて好感がもてそうだ。ペッパーのようなヒト型ロボットはそれ自身はハードウェアだが、アプリを搭載した大きなスマホかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:若者とらえたスマホ写真、言葉をしのぐ表現手法に」から

2016.3.4   日経産業新聞の記事「流行を読む:若者とらえたスマホ写真、言葉をしのぐ表現手法に」から

オリジナルなきコピー(シュミラークル)の時代

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研 メディアイノベーションラボ 統括責任者)は、最近の10代から20代の若者、特に女性のスマホ写真の使い方から今後のメディアのあり方について論じている。

○リテラル(言葉・文字)からビジュアル(写真・動画)にシフト

常にスマホを持ち歩き、日常の経験を撮影してシェア(共有)する習慣を持つ10〜20代で、特に女性は、このシフトが激しい。

動画や画像中心にのSNSには、プロっぽい写真、リア充っぽい写真、セレブっぽい写真などがズラリと並ぶという。彼らの言葉によれば「写真を撮らないならイベントやる意味がない」とまで言わせるほど、写真や動画はコミュニケーションとして重要だという。

ここで興味深いのは写真のオリジナルが誰が発信したかといったことは二の次で、いつの間にか多くの共感や憧れを抱き、その体験をコピーしていく現象、シュミラークルという現象だ。

マスメディアを起点として、

  • フラットに拡散される「マス型」
  • ブログや動画共有アプリでタレントやカリスマが個人的に情報発信し、フォロワーがそのトレンドに追従した「インフルエンサー型」
  • 誰もがビジュアルで容易に発信者・表現者になれる「シュミラークル型」

の3つが共存して、コミュニケーションが多様化しているという。これらは、個人の欲望や嗜好を表すとしたら、マーケティングやコミュニケーション関係者は無視できない現象である。camerahappy01