【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:キログラムの再定義、計量標準、モノからコトへ」から
2016/03/16
2016.3.11 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:キログラムの再定義、計量標準、モノからコトへ」から
キログラム原器に変化あり
コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、4年前にキログラム原器の役割がかわるとのコラムを書いたが、この時は再定義の方向性は決まっていた。その後の進展について述べている。
◯物理定数、プランク定数で定義
さて、和田教授が触れた再定義とは何か。
プランク定数自身も実測値の不確かさがあることを認めているが、現在パリの国際度量衡局にある唯一の国際標準の原器の変化がこれを下回れば、原器自身の役目を果たさなくなる。
そこで、プランク定数を独立な2つの測定法で不確かさを検定することになった。詳細は省くが、確立された2つの手法の不確かさがいずれもキログラム原器の不確かさを下回ったので再定義の条件を満たした。すでに長さや時間などの計量標準で唯一具体的な原器で残っていた質量原器はその役目を終えることになりそうだ。
2018年に予定されている国際度量衡総会で決定されると、正式にキログラムの再定義が実現する。これまでのモノであったキログラム原器からコトであるプランク定数をもとに国際標準が決まることになる。物理学の法則自身を信頼し、定数の数値の不変性に委ねることになる。
具体的なモノから、確立され共有されたコトへの変革が、科学技術にも起こってきている。
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