Previous month:
2015年9 月
Next month:
2015年11 月

2015年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間とは広げるものなり、想像と探究心、革新生む」から

2015.10.14   日経産業新聞の記事「「TechnoOnline:人間とは広げるものなり、想像と探究心、革新生む」から

知識>想像>探求

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、人間の営みは「広げる」ことにあると仮説を立て、現代に必要な行動について触れている。

◯人間とは

和田教授が「人間とは?」の問いに「広げるものなり」と答えてみた。そのこころは;

  • 見える範囲を広げる;顕微鏡や望遠鏡で大は宇宙から小は細胞から分子・原子まで。さらにMRIやエックス線で、体の中まで見える範囲を広げている。
  • 同じ時間内で横方向に広げる:通信システムの発明
  • 時間軸の縦方向に広げる:教育・記録手段で時間を遡る
  • 行動範囲を広げる:地面や海に潜行。空気のない真空の宇宙空間まで広げる
  • 知識を広げる:上記の拡張で知識を広げる。そうすると、またまた知識が広がる。

という考察だ。和田教授はさらにアインシュタインの言葉を引いて;

  • 「想像は知識より重要だ。なぜなら知識は限られているが、想像は全世界に及び、発展を促し、革新を生む」

と同時に、想像力の源泉が探究心であることにも触れて、

  • 「学べば学ぶほど、自分が何も知らなかったことに気づく、気づけば気づくほど学びたくなる」

といった言葉も引用している。

ただ、想像と現実の不均衡には気を付けないといけない。sign02happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:国産の翼、再びはばたく先」から

2015. 10.12  日経産業新聞の記事「眼光紙背:国産の翼、再びはばたく先」から

国際市場にキャッチアップの後

コラムの著者は、2015年は日本の航空機製造業にとってエポックだと述べている。

○戦後約7年間、世界に取り残された航空機産業

戦後約7年間のGHQ(連合国軍総司令部)によって国内の航空機の研究、開発、生産は全面的に禁止され、産業基盤は失われた。さらに市場はプロペラ機からジェット機へと変わり世界から取り残された。

今年2015年、

  • 4月:ホンダが米国で開発したビジネスジェット機「ホンダジェット」の初披露
  • 7月:川崎重工業、IHI製エンジンを搭載した国産哨戒機「P1」の英国での航空ショーに参加
  • 10月下旬:三菱重工業が事業化した初の国産ジェット旅客機「MRJ」の初飛行

などエポックである。関係者の感慨はひとしおであろうが、コラムの著者が言うように、国際市場では、次世代の国の成長産業としているのは日本だけでなく、韓国や中国も戦闘機や民間機を開発して輸出拡大を目指している。

航空機産業も他の産業と同様に競争が激しく、祝賀ムードの先も考えねばならない。airplanehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:インフラW杯の日本代表」から

2015. 10.5  日経産業新聞の記事「眼光紙背:インフラW杯の日本代表」から

ラグビー型の多国籍チームで活躍?

コラムの著者は、インフラ案件の獲得に中国が攻勢を強めていることに国を巻き込んだ戦略の方向性について語っている。

○経済外交とビジネスの連携

インフラ輸出には相手国との関係を強化する経済外交と膨大な需要を好機と見るビジネスと連携した国家を挙げての案件獲得が必要であるという。中国は、こういった連携で、日本と受注を競ってきたインドネシアの高速鉄道商談で勝った。商談に勝つだけでなく、インフラ輸出を自国の影響力の拡大のための手段とも見る。

これに対する戦略として;

  • 日の丸を掲げてオールジャパンで挑む
  • 日本企業が中核になりながら、他国も含めた多国籍チームで挑む

ことが考えられる。

オールジャパンチームでは、経済外交の点で国からの支援が得られやすいが、コスト競争力などでどうしても弱点を抱え込んでしまう。一方、多国籍チームは政府の支援は受けにくいが、経験の深い他国と組むことでリスクへの対処やコスト競争力が高まる。さらに、多国籍チームでは日本企業がパートナーとして選ばれねば最初から頓挫してしまう。

外国籍の選手もいるラグビーの日本代表はワールドカップで活躍した。インフラ争奪戦でもラグビー型の日本代表があってもいいのではないかと、コラムの著者は指摘している。bullettrainimpacthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:TPP合意、為替への影響」から

2015. 10.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:TPP合意、為替への影響」から

合意はドル相場上昇、円相場下落の抑制

コラムの著者は、2013年3月以降5年以上かかった環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、米アトランタで参加12か国閣僚会合で大筋合意した後の為替動向について語っている。

○為替相場への影響は

今後各国の国内承認の段階に入る。正式に発効するまで対象範囲の広さから経済・物価への影響を試算するのは難しいとされている。

しかし、米国内でのTPPに対する反対派は多く、足元ではドル高が米経済に悪影響を与える悪影響が見え始めてきている。一段のドル上昇は、TPP反対派を勢いづかせ関連法案を議会で可決するのは困難となろう。したがって米政府はドル高加速を望んでいない。

一方日本は家計や中小企業の購買力に与える悪影響から大幅な円安や円安につながる日銀の追加緩和を望まない。つまり両政府をみれば、TPP発効に向けてドル高円安を望まない点で一致している。dollardownwardrightupwardrighthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:18世紀の模倣騒動、蒸気機関「改良」され飛躍」から

2015.10.9   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:18世紀の模倣騒動、蒸気機関「改良」され飛躍」から

知財の視点と異なる産業貢献の視点

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、蒸気機関のジェームズ・ワット、水力紡績機のリチャード・アークライトに触れ、模倣や盗用と言われながらも、産業に貢献した二人の視点について語っている。

⚪︎発明品は産業界

ワットもアークライトもともに熾烈な発明の競争を戦ってきた。ワットは、先行する3人の発明者を押しのけ、決定打を見せたのは、実際に発明を実施した時の不具合を効率的に時間を短縮する復水器の付加であった。この付加装置によって蒸気機関の効率は一気に向上し産業革命に貢献したことは誰でもがしっている。こういった意味で改良発明であった。

一方、アークライトは、資本論のマルクスにも盗人呼ばわりされ散々であったが、先行発明には勝てずに特許は無効となった。しかし、アクーライトが評価されるのは、産業革命の推進者として、ナイトの称号まで手に入れた背景には、自らの発明品を完成し、水量豊かなクロムフォードの湖畔に一台紡績工場を建設、機械制大工業の手本を示したからである。産業革命研究の第一人者、P・マントウが「彼は紡績機の発明者ではなく、紡績産業の発明者だった」と指摘した。

発明は産業の種になるが、発明での独占が必ずしも産業の発展には貢献しない。impacthappy01