【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:18世紀の模倣騒動、蒸気機関「改良」され飛躍」から
2015/10/12
2015.10.9 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:18世紀の模倣騒動、蒸気機関「改良」され飛躍」から
知財の視点と異なる産業貢献の視点
コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、蒸気機関のジェームズ・ワット、水力紡績機のリチャード・アークライトに触れ、模倣や盗用と言われながらも、産業に貢献した二人の視点について語っている。
⚪︎発明品は産業界
ワットもアークライトもともに熾烈な発明の競争を戦ってきた。ワットは、先行する3人の発明者を押しのけ、決定打を見せたのは、実際に発明を実施した時の不具合を効率的に時間を短縮する復水器の付加であった。この付加装置によって蒸気機関の効率は一気に向上し産業革命に貢献したことは誰でもがしっている。こういった意味で改良発明であった。
一方、アークライトは、資本論のマルクスにも盗人呼ばわりされ散々であったが、先行発明には勝てずに特許は無効となった。しかし、アクーライトが評価されるのは、産業革命の推進者として、ナイトの称号まで手に入れた背景には、自らの発明品を完成し、水量豊かなクロムフォードの湖畔に一台紡績工場を建設、機械制大工業の手本を示したからである。産業革命研究の第一人者、P・マントウが「彼は紡績機の発明者ではなく、紡績産業の発明者だった」と指摘した。
発明は産業の種になるが、発明での独占が必ずしも産業の発展には貢献しない。
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