Previous month:
2015年4 月
Next month:
2015年6 月

2015年5 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:独創的思考法、自分の頭でゼロから貪欲に」から

2015.5.15   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:独創的思考法、自分の頭でゼロから貪欲に」から

自分の頭で考えること、を自分で考える

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、物理学者 寺田寅彦と理化学研究所の大河内 正敏の名言を取り上げ、ゼロ(基礎)からの出発がいかに大切かを説いている。

○真似ではなく自分の仕事でなければ、他人にできないことを成し得ることはできない

和田教授の言葉では、自分で考えることである。そこは、物理学者 寺田寅彦と理化学研究所の大河内 正敏の名言を引用して;

『誰に聞け、何を調べろ、何を読めというような手は駄目だ、何もせず黙って考えろ。今日うまい考えが出なければ、寝ていて考える、目がさめたらまた考える、毎日同じことを繰り返せ。こうして真剣に夢中で考え込んだ者は必ず妙手に気がつき、予期以上の成績を挙げている。一方、そんな馬鹿馬鹿しい手があるものか、それよりはまず内外の特許を調べる方が早い、といって図書館へ入り込む連中は、結局、従来のやり方に捕らわれて平々凡々のことしか出来ない』

という。多くの人が自分の頭で考えることを本当に考えているのかというのが、和田教授の進言である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:もうひとつの『異形の島』」から

2015. 5.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:もうひとつの『異形の島』」から

ネイティブアメリカンの権利運動と監獄島

コラムの著者は、長崎県お端島、通称「軍艦島」の映像から想起された米国サンフランシスコ湾内にあるアルカトラズ島、通称「監獄島」を重ね、そこに今も米国が持つ先住民問題があることに言及している。

○朽ち果てた建物の様子は軍艦島と共通

軍艦島が炭鉱ビジネスで沸いていた頃、海の向こうの監獄島は刑務所が置かれ、アル・カポネも収監されていたという。今は観光名所となり誰でも渡れる状況だ。ただ、軍艦島と同じくらい、監獄島は数奇な運命を背負っているという。

それは、アメリカ・インデアンの島の占拠事件で、半世紀近く前、島を1年あまり占拠して、先住民の権利回復を訴えたという。今も観光船で島の周囲を一回りすると、

INDIAN WELCOME

の落書きがされた建物の壁が残っているという。当時の島は権利運動のシンボルであった。4年ほど前にこう言った事実を説明するコーナーが島にできたという。この異形の島にも米国の歴史の葛藤が刻まれている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:周辺観察が重要、修正テープが大化け」から

2015.5.14  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:周辺観察が重要、修正テープが大化け」から

顧客の一見無関係な行動を観察しヒントに

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、文具大手のプラスが2011年に発売したデコレーションテープ「デコラッシュ」の開発秘話について披露する。

○商品開発のテーマから外れた周辺観察が大ヒットのヒントに

西川教授は同商品の開発に関して興味深いことを示している。本来は修正テープの開発から始まった。そこには、デコレーションの意図は全くなかった。しかし、ユーザである女子中学生の使用済みノートを参考に修正テープの需要を調査し始めた。

調べてみると、各文章のはじめに星やハートなどのマーク、数学ん公式など学習のポイントには果物のイラストが描かれていたという。デコレーションが日常化している女子中学生の生活スタイルに開発担当者は驚いたという。

イラストを描くことは本来の修正テープの開発には無関係である。普段なら見過されがちなデコレーションのスタイルを修正テープの掛け算することで、例えば、ノートの修正をしながら、飾り付けも1つでできれば楽しく実用的だという発想となった。この発想が生まれた後は、従来の修正テープにない機能を施すことになる;

  • マスキングテープは単調なイラストの繰り返しであったが、デコラッシュはノートの端まで使っても同じ柄は出てこないことを配慮した。
  • シールのように飾ることだけでなく、修正を行え、しかも1つの柄でもシールのように個別で使えるように、柄と柄の少しあけ、おまけ柄なども入れ込み工夫した

このような工夫で、デコラッシュは、11年の発売から累計1500万本を超える大ヒットとなった。まさに修正テープとデコレーションの異種間融合で、新たな商品を開発した瞬間である。

さらに、同社は女子中学生にとどまらず、今度は女子小学生も調査を始めた。使われたのは、手紙や交換日記。ここにまた新しい商品の領域が生まれそうだ。memopencilhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:iPS支える個人の寄付」から

2015. 5.13  日経産業新聞の記事「眼光紙背:iPS支える個人の寄付」から

研究支援者の確保や特許維持の費用に

コラムの著者は、政府の研究予算の対象にない研究支援者の確保に対する費用や特許維持のための費用など京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の研究基金制度について触れている

○米国では充実している研究支援者の確保

山中所長は2009年4月にiPS細胞研究基金を設立し、5年間で約40億円が集まった。個人の寄付金が全体の88%と、病気に苦しむ患者や患者の家族からの申し出が多いという。確かに政府からの研究費は同研究所には少なからず出てはいるものの、実験動物の飼育や特許紛争に対する人件費などは研究予算からは拠出できない。そこで、これを研究基金に当て研究体制を維持しようというのが山中所長の狙いである。

米国ではこのような研究体制は財政面でも整っており、わが国でもその差を埋めるべく、研究基金を進めた画期的な方策である。pouchdollarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:データは生もの、ケアを」から

2015. 5.12  日経産業新聞の記事「眼光紙背:データは生もの、ケアを」から

ビッグデータ時代は地道なデータの保守が基本

コラムの著者は、一見、不変で無機質だと思いがちなデータの取り扱いについて極めてデリケートな生ものであることについて触れている。

○データの収集環境で変わる

ビッグデータの活用の基本は、データのメンテナンスだという。つまり、最新情報の得た環境や状況も把握した上で、保守・管理しなければ意味がないという。

たとえば、人の移動などの交通系のビッグデータを取り上げると、路面店や催し物などの参考になるデータとして注目される。データそのものは更新され最新のものになっていたとしても、周辺の情報も一緒に保つ必要がある。たとえば、道路の筋が変わったり、近くに商業施設ができたりすれば、データ自身が意味がないものになる可能性もある。

データを日頃からケアするメンテナンス。データを扱いやすくするには不可欠であり、面倒で細々した作業が必要である。カッコよいビッグデータの時代も意外にこのような地道な作業か基本となっている。paperhappy01