【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:周辺観察が重要、修正テープが大化け」から
2015/05/19
2015.5.14 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:周辺観察が重要、修正テープが大化け」から
顧客の一見無関係な行動を観察しヒントに
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、文具大手のプラスが2011年に発売したデコレーションテープ「デコラッシュ」の開発秘話について披露する。
○商品開発のテーマから外れた周辺観察が大ヒットのヒントに
西川教授は同商品の開発に関して興味深いことを示している。本来は修正テープの開発から始まった。そこには、デコレーションの意図は全くなかった。しかし、ユーザである女子中学生の使用済みノートを参考に修正テープの需要を調査し始めた。
調べてみると、各文章のはじめに星やハートなどのマーク、数学ん公式など学習のポイントには果物のイラストが描かれていたという。デコレーションが日常化している女子中学生の生活スタイルに開発担当者は驚いたという。
イラストを描くことは本来の修正テープの開発には無関係である。普段なら見過されがちなデコレーションのスタイルを修正テープの掛け算することで、例えば、ノートの修正をしながら、飾り付けも1つでできれば楽しく実用的だという発想となった。この発想が生まれた後は、従来の修正テープにない機能を施すことになる;
- マスキングテープは単調なイラストの繰り返しであったが、デコラッシュはノートの端まで使っても同じ柄は出てこないことを配慮した。
- シールのように飾ることだけでなく、修正を行え、しかも1つの柄でもシールのように個別で使えるように、柄と柄の少しあけ、おまけ柄なども入れ込み工夫した
このような工夫で、デコラッシュは、11年の発売から累計1500万本を超える大ヒットとなった。まさに修正テープとデコレーションの異種間融合で、新たな商品を開発した瞬間である。
さらに、同社は女子中学生にとどまらず、今度は女子小学生も調査を始めた。使われたのは、手紙や交換日記。ここにまた新しい商品の領域が生まれそうだ。
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