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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:知財の保護、特許権の有効期間、考慮を」から

2015.5.12   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:知財の保護、特許権の有効期間、考慮を」から

特許と著作権で異なる有効期間

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で難航している論点の1つである著作権の保護期間があり、その問題点について語っている。

○各国の保護強化も見え隠れ

問題は著作権の保護期間の違いや特許の有効期間との差異などから生じているという。日本では、著作権の保護期間は、著作者の死後50年後、米国では70年となっていることから、日本にも保護期間の延長を求めてきた。その背景にはディズニーなど著作権料で稼ぐコンテンツビジネスの保護強化を狙おうとしていることだという。また、特許権でプログラムのアルゴリズムなどを保護する一方で、アルゴリズムの表現やコンテンツのたぐいは著作権とダブルで保護することが、国家間、企業間で厳しい攻防戦となっている現状がある。

一方、特許の有効期間は医薬品特許の例外を除き、20年。つまり、ソフトウェアの権利保護は短期間な有効期間の特許権よりも著作権の方が長いことを利用して稼ぐことも、米マイクロソフトの事例でわかる。

解消するには、特許権の有効期間を伸ばすとことや商品化された時期で決定する案などがあるが、どれも一筋なわではいかないようだ。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:機能ごとに短い動画」から

2015.5.12  日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:機能ごとに短い動画」から

スマートフォンとの連携意識

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、話題の米アップルのApple watchのマニュアルについて、ユーザーインターフェイス設計の専門会社であるソシオメディア社長 篠原稔和氏に聞きながら、トレンドを語っている。

○動画は洗練され操作をしながらを前提に制作

商品の箱に入っているのは、

  • クイックスタートガイド

のみで、あとは、iPhoneやPC、マックで視聴が前提の

  • ビデオガイド
  • ユーザガイド

があるという。ビデオガイドは、操作をしながら見るのが前提で制作されており、1から3分弱の短編で、洗練された映像と語りになっている。

動画を補うのが、紙のクイックスタートガイドで、複数の操作を使い分けるとか、独自の画面操作を理解するには重要であるという。

さらにスマートウオッチはスマートフォンとの連携が前提になっている。連携の段階に応じて、製品情報を提供する仕組みとなっている。ここまでくれば、高橋氏が指摘するように、アプリのマニュアルやヘルプも統一的な形式が必要となりそうだ。watchhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:高まる産業観光の可能性」から

2015. 5.11  日経産業新聞の記事「眼光紙背:高まる産業観光の可能性」から

産業革命遺産の登録を機に

コラムの著者は、旧官営八幡製鐵所、三池炭鉱など明治時代の日本の産業革命遺産が世界遺産に登録されることを機に、旅行業の伸びしろとしての産業観光について触れている。

○企業の産業博物館もみどころ

訪日客で急拡大の観光産業の一環として、産業観光もまだまだ成長の可能性があるという。人が旅をする理由の1つとして「非日常」があるが、産業遺跡はうまく活用出来ると、コラムの著者は語っている。

その一例として、JXグループの日鉱記念館(茨城県日立市)は知名度が高いとは言えないが、内容は意外と面白いという。

  • 模擬坑道;かつての炭鉱労働者の労働環境の厳しさが実感できる
  • 鉱山町の暮らし;炭鉱長屋での他の類を見ない共同生活
  • 高炉;銑鉄がサラサラと流れ出す製鐵所見学
  • 進水式;シャンパンで祝う新造船の進水式

など、どれも非日常で面白いという。

多くの地方が、「当地は観光資源に乏しい」と嘆くが、目を製造業など産業観光に変えればまだまだ良き観光資源があると、コラムの著者は指摘している。flairhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:既存産業で起業、受け皿は」から

2015. 5.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:既存産業で起業、受け皿は」から

既存産業では軋轢が

コラムの著者は、安倍首相の訪米時で明らかになった「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」に触れ、最近の起業家の注目産業が既存産業と軋轢を生んでいることを懸念している。

○成功確率も高いようにみえ資金調達の順調だが

最近の起業のテーマが、既存事業の再構築を最先端技術で行うことが急増していることが懸念材料だという。確かに、既存産業への参入は、未知の分野よりも成功確率が高いと思う人も多く、資金調達も受けやすいという。米ウーバーテクノロジーズはその典型例だという。

既存のタクシー産業に、ICTを使い、スマホで安くて便利な配車サービスを提供した。既存産業への再構築ということで、企業価値は400億ドルを超えると言われている。しかし、既存産業との軋轢も深まるという。ウーバーの場合、個人を運転手として認めたことからタクシー産業や各国政府と軋轢が生じている。
シリコンバレーに渡った日本の起業家が、既存産業の再構築で成功して日本に戻ってきたら、成功者と同時に、既存産業の破壊者になる可能性もあるという。そんなVBを日本は受け入れるであろうか?rvcarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:研究所のあり方、地味でも本筋追う道を」から

2015.5.4   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:研究所のあり方、地味でも本筋追う道を」から

世間からの注目で浮足立った研究は?

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、旧東京帝国大学航空研究所が国際航空連盟が公認した世界記録での偉業とその後の研究員の姿勢について触れている。

○周回航空距離の世界一

銀色に輝くジュラルミンの流線型をしたスマートな機体の左右に深紅の翼を細く長く伸ばした「航研機」。1938年5月13日午前4時55分、3人乗りの航研機は千葉県木更津飛行場を離陸、銚子を経て群馬県太田の中島飛行機の本館上空を左旋回、神奈川県平塚の航空灯台を周り、木更津飛行場に戻る1周401.759Kmのコースを29周し、世界記録を樹立した。

航研は2年で世界記録を獲得する計画を立て、当時の文部省に承認を受けた。航研機の成功は、機体とエンジンを別のチームで行い、エンジンの開発を従来エンジンの改良として二兎追うことをやめ、航研の本来の使命である空気力学の洗練に集中したことである。あとは使えるものは何でも使おうという現実主義の徹底も成功のキーとなった。

ただ、この成功で世間的に有名になった研究員は派手になり、地道な研究をなおざりにしたという。ここにも良き教えがあった。airplanehappy01