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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:OKWaveに学ぶ、蓄積資源で市場創造」から

2015.4.9  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:OKWaveに学ぶ、蓄積資源で市場創造」から

蓄積された情報を活用し複数のビジネスモデルを構築

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、Q&Aサイト大手のオウケイウェイブ(OkWave)のビジネス・モデルを考察し、自社のサービスの見直しをすすめている。

○B2CからB2Bへ

西川教授は同社のモデルについて3つを提示している;

  • データを顧客の声として分析するサービス;マーケティング戦略を立てる上で必要なターゲットユーザや購入者のデータを分析代行するもの。クライアント企業はこのデータの分析結果をもとに、サービスの改善、製品開発、集客のアイデア出しに生かす。価格は200万円程度で対象範囲で変動。約70社の分析依頼あり。
  • 会員の力をクライアント企業のサポートに生かすサービス;最近の情報家電のように、自社の商品だけでなく他社の連携して利用することも多い。そのために、自社のコールセンターやFAQサイトだけでは対応できない。製品・サービスに関連した項目を分析し、クライアント企業のサイトでも利用できるようにした。ユーザは営業時間に左右されず、中傷などの監視を同社が行うことで、クライアント企業はリスクを回避できる。価格は150万円。月額30万円。現在、エプソン販売や富士通など13社が利用。
  • 同社のサイトの運営システム自身の仕組みを売るサービス;ネットやメールでの問い合わせ対応などを管理する仕組みやFAQの作成・管理のサービスをネット上で提供する。価格は個別見積もりで初期費用200万円。月額利用料30万円。企業や自治体など310サイトに採用。

このように、消費者向け情報を多重利用して、法人向けのビジネスモデルを開拓した。自社サービスにこのような多重活用ができないか、見直すことを西川教授は勧めている。memohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『法令順守』形式主義のワナ」から

2015. 4.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『法令順守』形式主義のワナ」から

コンプライアンスの強化に進んだはずなのに?

コラムの著者は、東洋ゴム工業の免震積層ゴムの基準未達事件を事例に、大手企業のコンプライアンスの取り組みの態度に危機を抱いている。

○不祥事が他山の石になっていない?

コラムの著者によれば、同社のみの問題ですまないところに、コンプライアンスにはあるという。日本の高品質のものづくりへの評価やブランド力を内外で落としめる結果になるという。

虚偽データで性能評価をしたディーゼル車用の排ガス浄化装置の販売で、逮捕者までだした2004年の三井物産の事件や、2000年、最先端の衛生管理マニュアルを導入しながら集団食中毒事件を起こした雪印乳業(当時)など、大手の日本を代表する企業でコンプライアンスもしっかりしているはずなのにこのような事例が続いている。

 コラムの著者は、2013年に工場で火災事故を起こしたある素材メーカーの幹部にインタビューしている;

「コンプライアンス意識徹底が、逆に自分の持ち場以外に関心を持たない雰囲気をつくってしまった」

と語ったという。煙が出た時も誰もが動かずにいたという。昔ならベテラン社員が声を上げたが、職場全体を見渡せる人材が減ってしまったという。

企業価値を上げるコンプライアンスへの取り組みが、形式主義に陥って、さらに他社を他山の石とする空気もないという。

かつての中央官庁の護送船団方式と集団指導だった時代には戻れない今、どう対応すべきか。buildinghappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:IoT時代、ブランド進化」から

2015.4.7   日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:IoT時代、ブランド進化」から

身体データの民主化に商機

コラムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)は、スマートフォンアプリをユーザーインターフェイスとして活用し各種センシング技術で安価にしかも大量にデータがとれるIoT時代におけるブランド戦略について語っている。

○各社の試み

メーカーによらず多くの企業がスマートフォンアプリを用いて、ユーザには利便性や付加価値を、企業にとってはニーズの把握やイノベーションの起点とする動きが進んできていると広田氏は語る。同氏が示した事例として以下のものがある;

  • PageSync:旭化成と電通の共同開発したスマートフォンアプリ。スマホで顔を撮影することで、心拍数を計測し、その鼓動に最適化されたテンポのアニメーションを自動再生。ユーザの緊張感をほぐすというもの。自ら緊張度の度合いが測れる。
  • リズミカム:ロッテが開発。イヤホン型をしたデバイスを耳に入れると、咀嚼回数やスピードを記録できる。
  • 睡眠に関するデータを取得できるアプリ:オムロンが開発。
  • 眼電位を測定し、眠気や消費カロリー、姿勢まで知らせるデバイス:メガネのJINが発表

このように人体に対するデータが以前よりも格段に安価に、簡単に取得できることから、各社のマーケティング活動に利用したり、研究開発力などを背景にブランディングを進めるといった活動につながってきているという。footwatchhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:無秩序の中の秩序、新しい科学・技術に道」から

2015.4.3  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:無秩序の中の秩序、新しい科学・技術に道」から

不規則な中から規則的なパターンがカギに

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、新しい科学や技術に無秩序が重要であることを説いている。

○空電雑音が電波天文学を生んだ

無線通信の初期、空電雑音と呼ばれる不起訴なノイズに悩まされていた。そのノイズの周期が23時間56分の周期で繰り返され、それをある研究者が発見した。

もし、周期が24時間であれば、太陽を基準にした時間であることから、太陽に起因するノイズといえる。しかし、4分間の周期のズレは、ノイズの要因が太陽系ではないところから来た電波であると推定された。宇宙空間に対する地球の自転周期と一致したからである。この発見で、電波天文学という新しい分野が開拓され、宇宙に対する新たな道ができた。

このように、一見不規則であると思われるものを観察や観測していくと、意味のあるパターンが見えてくるという。このパターンの発見こそが、次世代の科学・技術のたねとなると、山﨑教授は語る。flairhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ダウ銘柄、消える『通信の巨人』」から

2015. 4.2 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ダウ銘柄、消える『通信の巨人』」から

過日の大企業も今は昔

コラムの著者は、米での代表的な株価指数である「ダウ工業30種平均」で構成銘柄の変更があったことを取り上げ、交代対象となったAT&Tとアップルについて語っている。

○日経平均株価では起こらなかった銘柄の交代

職場での新年度でメンバーチェンジがあるように、株価指数の世界でも象徴的な交代があった。3月19日に構成銘柄に米アップルが採用され、AT&Tが外されたことである。かつては、畏怖をこめて、「通信の巨人」と呼ばれたAT&Tも過日の勢いはない。競争が革新を生むとされ、実行されたのが、同社、すなわち通信の巨人の分割であった。さらに同様にその翌年には日本でも通信の自由化が行われた。まさに同時期だが、30年を経過した今、コラムの著者が指摘するように、米国のアップルにあたる世界最大の企業は日本の日経平均株価の指標では起こっていない。ここに、米国の経済との大きな差異がある。telephonedownwardrightmobilephoneupwardrighthappy01