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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:トイレ紙に消臭機能」から 

2015.3.12  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:トイレ紙に消臭機能」から

ナショナルブランドの収益の維持

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、王子ネピアが4月1日に発売する消臭機能付きトイレットペーパー「ネピアにおわん」、「ネピアにおわにゃん」のマーケティング戦略について触れる。

○消臭機能の訴求と付加価値創造

同製品は、植物由来の消臭剤をペーパーの芯に配合し、いずれも二枚重ねで長さは45メートル。価格はオープンだが、店頭想定は各8ロール入りで450円程度である。

問題は8ロールが12ロールよりも同じ量であるにもかかわらず、消費者の反応が悪いということである。何と、8ロールは、金額ベースで全体の5%、容量ベースで3%程度であるという。

メーカーにとってはパッケージのフィルム使用量や配送効率の点で、流通企業にとって配送効率や収納効率の点で、消費者にとっては持ち運びの容易さや交換回数、エコといった有利性はあるのに認知度が低い。そこで、これを打開するために、市場が伸びている「消臭」をかけることで、その利点を訴求したいと考えた。ただ、消臭機能は、その価値自体を意識していない人には伝わりにくい。そこで、ネーミングをユニークにし、犬や猫の鼻でもにおわないといったニュアンスをアピール。モニター調査では、消費者に支持されたという。

食品同様、コンビニやスーパーのPB(プライベート・ブランド)商品が拡大する中で、メーカーは自社のナショナル・ブランドの収益性を上げる必要がある。安価な商品を使っているシーンで高価な商品に切り替えてもらうには、付加価値創造が必須である。かつてネピアモイスチャーティッシュ」を「鼻セレブ」としてヒット商品にしたように、どのようなシーンで利用するかを明確にして付加価値を訴える必要性があると、高岡教授は指摘している。toilethappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:廃炉、長い作業だからこそ」から

2015. 3.11  日経産業新聞の記事「眼光紙背:廃炉、長い作業だからこそ」から

長期戦に構える環境づくり

コラムの著者は、昨日の記事では東日本大震災から4年を11日に迎えた中で地域産業が復興支援について触れたが、今回は東京電力福島第一原子力発電所の廃炉問題に触れている。

○気になる事故件数の増加

未だ時間が止まったままの原子力発電所。今も12万人がこの事故で避難先で暮らす。

  • 期限の3月末で放射線物質による汚染水の処理は完了せず
  • 汚染水が長期間湾港外に流出
  • 溶融した核燃料の取り出しは進んでいない

こういった状況での廃炉処理である。

さらに、

  • 2014年から2015年2月までの事故にあった作業員数:46人
  • 2013年度の同期間の20人の2倍以上に増加
  • 2015年1月には死亡事故発生
  • 廃炉作業はこれまでの処理以上に複雑

であることから、安心して作業の行える環境づくりが長期戦となる廃炉作業に必要ではないかとコラムの筆者は訴えている。coldsweats02


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:立派な防潮堤、何を守る?」から

2015. 3.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:立派な防潮堤、何を守る?」から

復興特需の先は

コラムの著者は、東日本大震災から4年を11日に迎えた中、今なお地域産業が復興支援後が見えない中でいることを語っている。

○「立派な防潮堤で、きれいな廃墟を守ってどうするのですか」

国が国土強靭化を提唱した時に仙台市に本社を置くアイリスオーヤマの社長、大山健太郎氏が語ったのが、この言葉、「立派な防潮堤で、きれいな廃墟を守ってどうするのですか」である。

今なお自宅を失った人の8割近くが「仮設暮らし」で、仮設をでた人も多難な前途となっているという。多くが、漁業に携わってきた地区だけに、流された船を買い直して漁を再開した。しかし、収入が不安定な漁師ではローンが組めない。そこで、息子世代は会社員になった。就職先は大きな会社がないため、復興工事を行う建設会社の下請け会社である。しかし、これも前途多難。一定の復興工事が終了すれば、先のない仕事である。復興特需が終われば、ローンの残った家に年老いた親を残し、東京オリンピックで特需となっている東京を目指す。coldsweats02


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:『街のエアコン』金属素材の樹」から

2015.3.10   日経産業新聞の記事「デザインNOW:『街のエアコン』金属素材の樹」から

五輪だけでなく熱中症対策にも

コラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、2020年開催される東京オリンピックで海外からの観客をどうサービス提供するかといった視点で、イベントから日常生活に役立つような「グリーンエアコン」について触れている。

○2月開催のパナソニック展示会「Wonder Japan Solution」から

柏木氏が参加した同展示会では、東京開催に合わせて、数多くの具体的なアイデアが披露されたという。

多言語自動翻訳システム、空港からのホテルまでのタクシーでの移動、ホテルでのチェックインやルームキー、移動のためのナビゲーションといった複合的なサービスをスマートデバイスで提供する。その際にウェアブルなリストバンドや指輪、カードで個人認証する。これらのデザインも展示されたという。

こういった中でも柏木氏が注目したのが、「グリーンエアコン」である。幹と枝がステンレス、葉っぱが樹脂でつくられた人工樹木のことである。人工の葉っぱで木陰をつくり、微細なミスト(霧)を噴射して送風制御による気化熱冷房を実現する。さらに散水で打ち水機能も備えた公共装置だという。

枝葉の広い部分で半径約2メートル、高さは5メートルと、一般的な街路樹ほどの大きさにしてある。都市部の樹木のないところでも、デザインを金属製を生かしたことにより、パブリックアートとして景観に溶け込み、熱中症対策にもなりそうだ。グリーンエアコンは東京オリンピックを待たずに実現してほしい。xmasxmashappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:安全教育、危険予知・回避、科学の目で」から

2015.3.10  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:安全教育、危険予知・回避、科学の目で」から

科学技術の教育の一環が安全教育

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)は、安全教育は科学技術の教育があってこそできるものであることを論理的に説いている。

○安全教育の2つのステップ

和田教授によると、安全教育には2つのステップがあるという;

<ステップ1:危険の予知>

先読み能力の訓練はサイエンスと同等である。

<ステップ2:想定される危険の回避>

危険から逃れるにはサイエンスに加えてエンジニアリングの具体的知識・知恵が必要である

これらの2つのステップはまさに科学技術教育そのものであり、安全教育はその一環であるといえる。

○危険な結果をもたらす原因を見出し排除する

具体例として和田教授は幾つかを挙げている;

  • 事例としての原因:力
    • 力のありか、所在を常に意識し、危険を考える
    • 例えば、爆発方向(噴気先、銃口など)に立たない。回転体の回転方向にはいないこと
    • 力学的な力以外にも電気、熱、酸・アルカリ、毒物もありえる。物事の性質を理解した上で安全を考えねばならない

日常生活にあるこれらの物理的、化学的な要因は起こったら大事故につながる危険をはらんでいる。impacthappy01