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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:独立問題に見る国家の溶解」から

2014. 9.18  日経産業新聞の記事「眼光紙背:独立問題に見る国家の溶解」から

既存の「国家」の概念が消えつつある現代

コラムの著者は、すでにこの記事が読まれる頃には結果がでているであろうスコットランド独立をめぐる国民投票を通じて国家という概念の変化について語っている。

○これまでの「国家」という概念が変わりつつある

18日に結果が出ているであろうスコットランド独立をめぐる国民投票。もし「独立」となれば、企業経営にも無関係ではいられなくなるという。独立を望まない英国政府は「独立したら通貨(ポンド)は使わせない。国防も丸裸になる」と威嚇している。しかし、サッカーのW杯も英国とは別にスコットランドとして出場。誇り高きスコットランド人は、何を選択したのか。

さて、ここまで考えると「国家とは何か」という基本的な定義に戻る。今や戦争は国家間の総力戦から、テロリスト対国家といった非対称戦となり、一部のグローバル企業は母国にほとんど納税していない。通貨もビットコインなどの出現で何れ国家とは切り離されるかもしれない。多くの日本企業が綱領として「報国」を掲げる中で、ボーダレス化した現代では若手に「国家」による概念は意味がなくなるかもしれない。soccerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:基本戦略なき原発再稼働」から

2014. 9.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:基本戦略なき原発再稼働」から

原則40年運転の原発に対する基本戦略は必須

コラムの著者は、原発の再稼働についての基本戦略が示されないままに場当たり的な再稼働を行うことにならないか懸念を抱いている。

○川内原子力第1、第2発電所の安全対策

確かに原子力規制委員会が九州電力に与えたことは再稼働に向けての第1ステップである。しかし、福島原発の事故を想定した場合:

  • 新安全基準に基づいた万一の過酷事故に備えた対応の不備
  • 原発から半径30キロメートルの住民の避難計画:約4割の自治体ができていない
  • 損害賠償制度の未整備
  • 核ごみの最終処分の問題は未解決

といった課題はいまだ進んでいないし、少なくとも、恒久的に一定量の原発を維持するなら必須の項目であろう。

さらに、コラムの著者は、

  • 人口減少が確実視される日本国内で、エネルギーの長期的需給見通しはどうか
  • 実際原発ゼロでも、電力の供給不足は発生していない
  • 上記を踏まえて、核燃料サイクルでの使用済核燃料は本当に必要なのか
  • 今後、原発運転40年に見合う立地が本当に現実的なのか

といった観点に応える、場当たり的でない骨太な基本計画を練り、議論を起こすべきだという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『エア積ん読』に要注意」から

2014. 9.13  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『エア積ん読』に要注意」から

リアルに対するエアが駆逐する個人のメディア

コラムの著者は、若手記者との対話で、ちょっと滑稽で考えさせられるアナログとデジタルの情報源の入れ替わりについて語っている。

○CDやレコードと同じ運命

「エア積ん読」。聞きなれない言葉だが、エアとは、リアルに対してバーチャルであるという意味で、積ん読は読んで字の如し、読まずに積んだままの本のことである。つまり、キンドルのような電子書籍の中に、読まずに記憶(ダウンロード)しただけといったことを「エア積ん読」と若手の記者は言っている。

確かに「リアルな積ん読」であれば、実際に机の上などに積みあがっていくから、

  • 新しい本は、(今読んでいる本)読んでから: 自制が効く
  • 家人から「読んでからにしなさいよ」:家人からの忠告

がある。しかし、エア、つまりバーチャルで目に見えないなら、これらの効果はない。コラムの筆者は、なおも若手記者に対して、本の良さを解くが、

  • いや、そのうち、そんなことはどうでもよくなりますよ
  • だって、(コラムの筆者の)自宅の音楽CDやレコードって残ってますか

と切り返されたという。確かにCDやレコードは自宅から駆逐されてしまったという。となれば、本も同じ運命となるのかと、寂しさを感じているのは、筆者だけだろうか。bookmobilephonehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:トロピカーナ、明確なコンセプトに支持」から

2014.9.8   日経産業新聞の記事「探査計:トロピカーナ、明確なコンセプトに支持」から

タイプ別の新製品をマーケティング応用し好調

コ ラムの著者 小林 仁氏(食品マーケティング研究所所長)は、キリン・トロピカーナ(東京・新宿)の果実飲料ブランド「トロピカーナ」の好調さについて語っている。

○厳しい果実飲料市場で好調な「トロピカーナ」

 2014年果実飲料市場は、原料の果汁価格の高騰、消費増税などの落ち込み、上半期は全同月比2%減、7月も昨年の猛暑の反動などで8%減となし、1から7月の累計は3%マイナスと苦戦している、その中で、同社のブランド「トロピカーナ」は好調だという。

まずマーケティングのテーマに「果汁100%の基盤強化」、「本格果汁炭酸の定着」、「新機軸へのチャレンジ」を目指した。

販売量は、1から7月前年同期比21%増で絶好調、温度帯別にはチルド(冷蔵)飲料が10%、常温飲料が41%と増加した。その要因は、

  • 果汁100%の新製品の投入
  • 常温・チルドともに売り上げを伸ばした
  • 果汁炭酸も好調
  • さらに、チルドでは欧州で人気の「エッセンシャルズ」を忙しい女性をターゲットに、不足しがちの栄養成分を入れた「エッセンシャルズ鉄分」は好調で売り上げに貢献
  • 常温では、「ココナッツウォーター」が高い栄養価が注目され欧米では定番飲料。これを独自製法ですっきりと仕上げ、一時品薄状態に。

といった、3つのテーマをすべてカバーし、タイプ別の新製品が奏功した。ブランドの活性化の理想形と小林氏も褒めている。winehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:素材産業の根本的な問題」から

2014. 9.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:素材産業の根本的な問題」から

設備投資抑制が裏目になる素材産業

コラムの著者は、新日鉄住金の名古屋製鉄所の繰り返されている事故に関して素材産業の根本的な課題について触れている

○設備投資抑制のつけ

すでに同製鉄所は数年前から事故を繰り返していることから、根本的に何か課題を抱えているという。その課題とは、プラントの経年劣化と自動車マーカーからの高い稼働を余儀なくされる鋼板供給が直接的な要因とされる。

しかし、課題の背景は別にあるらしい。

石油産業が設備高度化を理由に設備集約の波にさらされ、製油所の閉鎖、設備廃棄が進んでいるという。製油所のセコハンも古すぎで、誰も買い手がつかない状態だという。製油所、製鉄所、原子力発電所も40から50年のベテランで退役が課題となっている。

高度成長が終わりを告げた時、日本のメーカーは国債の生産拠点に抜本的な投資をせず、使い回しを続けてきた。確かに設備投資の抑制で利益を支え、海外の投資には振り向けられた。だが、これ以上プラントの事故で原料供給の停止などが起きれば、電気料金も値上げが拍車をかけ、製造業の海外移転も加速する。綱渡り状態の素材産業がそこにある。happy01