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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:気味悪がるのは過剰なのか」から

2013. 8.7  日経産業新聞の記事「眼光紙背:気味悪がるのは過剰なのか」から

継続利用などで個人が特定できるのでは?

コラムの著者は、JR東日本がICカード乗車券「Suica」による首都圏1800駅の乗降データの卸売りをビッグデータの流通として始めたことに関連して、個人情報の企業利用に対する「気持ち悪さ」を感じていることを語っている。

○JR東日本の釈明

コラムによると、「個人の売買するのか」といった批判が上がったという。これに対してJR東日本は、「売買されている情報はSuikaのID(識別番号)とひも付けされていない為、個人情報ではない」としている。つまり、カウンターをもったアルバイトの計測で行う人口動態調査と同じ感覚である。

データに性別と年齢情報しかなくても、頻度の大きな改札は、たとえ氏名が書いていなくても個人が特定できるのではないかとコラムの著者は指摘している。同社によれば、どうしても気味が悪いという利用者には神の切符を勧めるという。この勧めも、デジタル時代にとって納得できないかもしれない。happy01train


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:強いエネルギー産業」から

2013. 8.2  日経産業新聞の記事「眼光紙背:強いエネルギー産業」から

危機迫るエネルギー安全保障

コラムの著者は、国際的な視点で福島第一原発事故以降の日本のエネルギー戦略が弱いことを挙げ、エネルギー安全保障の危機を憂いている。

○電力業界の4~6月決算

円安による燃料費の増加、原子力発電所の稼働低下で、北陸電力を除く9社が4~6月期の決算が赤字であるという。電力各社の資本や人材など経営資源の損耗は極めて大きい。国内的に、原発再稼働の条件が整っていないというが、国際的な視点で見た場合、エネルギーの安全保障の面でも厳しい状況であると言える。

原発事故以前は国際石油資本(メジャー)や産油国を強く意識していた対象は東京電力であった。燃料調達の影響だけでなく、資源開発の上流分野への投資や発電ビジエンスのグローバルビジネス化を図りつつあった。それが頓挫し、国際的に弱い立場となっている。東京電力の国有化を待つまでもなく、国家戦略としてのエネルギー安全保障を再考しなければ、市場から孤立する危険がある。sad


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:脳の個性を才能に、科学技術の進歩に生かせ」から

2013.8.2   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:脳の個性を才能に、科学技術の進歩に生かせ」から

脳の能力で科学技術に貢献

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、発達障害や自閉症など従来業務作業に不向きとされたことを各人の能力を見極めることで科学技術の発展につなげられるのではないかと語る。

○トーマス・アームストロング著「脳の個性を才能にかえる―子どもの発達障害との向き合い方」(NHK出版、中尾ゆかり訳)

新田氏は、同書を読み進めるうちに、従来の発達障害や自閉症などの社会生活での不得手な部分ばかりを強調する見方ではなく、個々の脳の個性と見ることで、ポジティブな見方でみれば、科学技術の発展に寄与するのではないかとの気付いた。

同書の示唆

  • 注意欠陥多動性障害(ADHD):これまでは、注意力散漫がクローズアップされたが、他人の見逃しやすいものを見逃さない観察力を持ち、一つのことに何時間も集中するといった症例が多いという。
  • 自閉症:他人の気持ちを察するのが苦手と言われてきた。しかし、大きな数字を素早く計算することが少なくないという。英ケンブリッジ大学数学専攻の学生のうち、自閉症の割合が、他の学科の7倍認められたという。
  • ディスレクシア(読字障害):右脳人間が多く芸術に秀でた人が多いという。視空間能力と機械を扱う能力が高いともいわれる。
  • 軽度のうつ病:冷静に判断することにたけており、創造性が高い

などネガティブではなくポジティブな情報がある。

これらを最先端の科学技術を重ねると、

  • 何時間もかけて集中力を発揮し、機械や製品を綿密に点検する
  • 仮想図をみてそれを製品開発につなげる

といった、最先端技術のブレークスルーに能力を発揮出来そうである。
このように健常者視点だけでなく、障害に対する理解をもってその個性を生かすことが出来れば、科学技術立国に大いに貢献すると新田氏は語る。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ネット選挙、政治家の勘違い」から

2013.8.2  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ネット選挙、政治家の勘違い」から

選挙でマーケティングの常識が理解されていない

コラムの著者 山本直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)は、初のネット選挙が有権者には関心が低く、政治家には期待ばかりで実績がどうであったかの疑問が残ると語る。

○大学の講義でネット選挙を討議

山本氏は、参議院選挙後、大学の講義でメディアの特性のケーススタディとして取り上げた。その中である党の候補者が有名歌手とのやり取りを新聞が取り上げていた。ケーススタディとして、山本氏は引用している。

党の幹部が、

『ネットでどれぐらいの人に呼びかけられるのか』との質問に、

候補者は

『有名歌手に「いいね!」を押してもらえば、80万人に発信できます』

と答えたという。さすがに、学生たちも失笑したという。結局、この候補者は皮算用通りいかず、落選したという。しかし、ネットのつながりが大きくない候補者は当選している事実から、マーケティングでいう、「どれだけの人に届けたか」よりも「行動する人にどう届けるか」が重要なことを証左している。

マーケティング理論が政治の世界に広がるのはもう少し時間がかかるだろうと山本氏は見ている。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:トップが『ワン』と叫ぶとき」から

2013. 8.1  日経産業新聞の記事「眼光紙背:トップが『ワン』と叫ぶとき」から

タコつぼからの脱却

犬の遠吠えではない。コラムの著者は、最近海外の経営トップが「ワン(ひとつの)・ABC」(ABCは自社名)を掲げる経営トップが増えている背景に、沈滞からの脱却を求めていることを指摘している。

○大企業病からの脱却

マイクロソフトのCEOスティーブ・バルマー氏は先月、社員へのメッセージで「我々は常にワン・マイクロソフトだ」と訴え、タコつぼ化した事業部門を解体した。同様に、ソニーの平井一夫氏も「ワン・ソニー」を掲げているという。コラムの著者は、多くの企業が、「ワン(ひとつの)・ABC」と唱えるのは魔法の呪文のようだと揶揄しているが、その発祥は、厳しい米フォード・モータースを再建したアラン・ムラーリー氏が行った活動だ。

○社内統一に尽力

社内用語の統一から慎重に進めたムラーリー氏は、その後欧州の高級車事業を捨て、主力ブランドに集中。バラバラであった新車の開発・設計、仕様の統一に踏み込み、ホンダと同様車種を絞り込んだ。アップルのように商品数を絞り込み、効率的に販売するいことで再建に目処を立てた。

まさに「ワン・フォード」で窮地を救ったムラーリー氏に学ぶことは多い。car