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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:フェイスブックは古いもの!?」から

2013.7.9  日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:フェイスブックは古いもの!?」から

普及のカギは「既にそこにあってもよかったもの」

コラムの著者広田周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)は、ファイスブックがここまで利用者を増やしたのは単純な技術の高さだけでなく、「人間が最も興味があるのは、身近な人間関係なのだ」といことをシンプルに示したことにあるという。

○フェイスブックの利用者が世界で10億人を超えた理由

広田氏は、技術の新しさだけでここまで利用者が2004年以来のサービス開始以来急速に伸びなかっただろうと語る。理由は、技術的な新しさではなく、利用者の持っている欲求や本質的な課題を探り当て、それを余計な説明抜きで直感的に伝えるインターフェイスを開発した点だという。

○人間の欲求

フェイスブックは、人間にとって「既にそこにあっても良かったもの(だけれどもまだなかったもの)」を探り当てたことから普及したと、広田氏はいう。さらに、同社の役員も日本講演で「Facebook is old」と語ったという。これは、このサービスはパーティ会場の椅子のようなもので、古くからあるコミュニケーションの場と何ら変わらないという。だからこそ、英語で名簿を意味するフェイスブックであり、説明なしで直感的に使え、興味の持てる仕組みを提供したからこそ、全世界的に普及した。

フェイスブックは難しいと思っている人こそ、はまってしまう可能性がある。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ドイツの市民主導型再生エネ普及」から

2013.7.3  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ドイツの市民主導型再生エネ普及」から

再生エネ普及先進国のドイツでも基本は自助努力

コラムの著者は、手厚い政府支援があると思われがちなドイツの再生可能エネルギーの普及政策だが成功事例は自助努力のたまものであると指摘している。

○フェルドハイム村の再生エネの取り組み

村民128人の同村では、各世帯が3000ユーロ(約40万円)を出資し、再生可能エネルギーによる自給を実現しているという。バイオマス発電、風力発電を利用しているという。

先ず、地域暖房に必要なパイプラインの整備に2200万ユーロ、このうち40%は政府からの補助金。残りは、出資と借入である。これによって電気代や暖房代は30%削減でき、10~12年で各世帯が出資した3000ドルは回収できるという。補助金なしでも、電力会社などからエネルギーを購入する場合と同様に、経済性は確保されている。つまり、村民は、必要なエネルギーの供給と需要を考え採算性を見た上で、再生エネの弱点であるコスト高は抑えられるという。

この成功のカギは村一丸となっての自助努力にあるという。現に発電や給熱の再生エネの規模を高め、高い収益性を夢見た事業は、補助金頼みでの苦しい運営だという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:棚田再生、山形の試み」から

2013.7.5  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:棚田再生、山形の試み」から

Jリーグとタックを組んだ日本の棚田百景

コラムの著者 平林千春氏(東北芸術工科大学教授)は、山形県で進んでいる棚田再生の手法としてサッカーJリーグチームとの連携を紹介している。

○高齢化・過疎化で危機に瀕している棚田

急峻な山岳地域の多い日本では、狭い耕地を効率的に食糧を自給する手段として、棚田が作られてきた。先人の知恵の賜物であると同時に、日本独特の景観を形成してきたと、平林氏は語る。

その棚田が、高齢化と過疎化で維持出来なくなり、耕作放棄地となり、危機に瀕している。1999年は貴重な棚田の保全と活性化を図るために棚田学会が設立された。今年は6月に山形県朝日町で棚田のあり方について論議され、その中でユニークな手法として、J2のモンテディオ山形との連携がある。モンテディオの選手も棚田で栽培した米を「モンテ棚田米」として3年前から販売し、好評だと言う。

○サッカーチームとの連携が核となり活動広がる

サッカーチームは冬の棚田の有効利用として棚田でのサッカー大会を開催。地元を盛り上げ、山形の大学や教育機関の参画も進み、産学官連携がスタートした。

まだまだ、手探りの活動だが、地域性と人材の両方を立てる新しい試みに期待が膨らんでいるという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑳:感情に訴える」から

2013.7.4   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑳:感情に訴える」から

相手も人間、感情に着目する

コラムの著者 清水久三子氏(アンド・クリエイト代表)は、企画の内容とは裏腹に相手は人間だから、感情で動く場合もあることから、今回は感情について触れている。

○感情分類と企画

感情研究家ロバート・プルチックによると、人の感情は以下の図のように分類できるという:

Fig8つの基本感情(信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・予期・喜び)とそれらが2つずつ混ざった混合感情(愛・服従・畏怖・失望・後悔・侮辱・攻撃・楽天)からなっているという。

企画の内容とそれぞれの感情について関連付けてみると、

  • 喜びへの訴求:どれだけ良いかというメリット
  • 信頼への訴求:4つの信頼性
  • 恐れへの訴求:保険や健康食品など
  • 驚きへの訴求:意外性のあるメッセージやストーリー
  • 悲しみへの訴求:社会活動での悲惨な現状に訴える
  • 怒り:人ではなくコトを対象にする
  • 予期:想定内で安心感

などがあり、これらを刺激するために、

  • 直接的刺激:相手を喜ばせるためにもの与えたりすることだが、ビジネスシーンではあまり活用はない
  • 間接的刺激:相手に「悲しい気持ちになってください」という、具体的な活動や過去を思い出させる

ことがある。この時感情をコントロールするのは、

  • 想像による思考:体験していない事を考える
  • 想起による思考:過去の経験を思い出すことで考える

といった軸がある。

企画では、論理も重要であるが、感情訴求もテクニックとしてではなく、相手の気持ちを考え、寄り添うための手段とみることも重要だと清水氏は示唆している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:カネボウのアイライナー」から

2013.7.4   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:カネボウのアイライナー」から

観察では共感しつつ、客観視する分析官の視点をもつ

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、マーケティングにおいて、継続的な顧客の定点観測は重要だが、徐々に変化するものであるため気づきにくい点を指摘している。

○カネボウ化粧品の「KATEスーパーシャープライナー」

セルフ販売のアイライナーではトップシェアを誇り、それをけん引するのが、2003年に誕生した同製品である。

商品開発は、2000年の行動観察がキッカケとなった。ターゲットの女子高生に対して定点観測を行い、そこから分かったことは、当初、アイラインをいれて目を大きく見せることに躍起になっていたが、やがて大きさではなく目のきれいさを注目しはじめることに変化したという。

そのために必要な道具として、既存のアイライナーでは太く、きれいな細めのアイラインが引ける商品が重要になった。これら開発に結び付き同製品が生まれたという。

継続的な定点観測では、顧客の気持ちに入り込み、「共感」できることが重要。ただし、同化せず、客観的に見る分析も重要であると西川教授は語る。happy01