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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書④:物語を描く」から

2013.3.7   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書④:物語を描く」から

現状と目的を物語で語る

コラムの著者 清水久三子氏(日本IBMでコンサルタント育成などを担当)は、企画書に示すべき「物語性」について解説している。

○物語性の必要性

ここで言う物語とは

『何かが不安定な状態になり、経過を経て安定した状態になる』

ことを指すと清水氏は定義ずる。不安定と安定のコントラストがはっきりすればするほどドラマティックになる!ともいう。企画書や提案書では、このコントラストを明確にして相手の感情に訴求し、行動を促す。

○ビジネスシーンでの物語の4つのパターン

清水氏によると、以下のように4つのパターンがあるという。

①ビジョンストーリー:事業や企画を実現する世界観を伝える物語。企画や事業によってもたらされる明るい未来がどれだけイキイキと見えるかをコントラストで示す。

②アクションストーリー:行動規範や浸透させたい価値観を伝える物語。ポイントは、危機感をあおりながら、やる気をそがないようにする

③ソリューションストーリー:問題解決型。ビフォアとアフターでコントラストを出す物語。

④マイストーリー:①~③のサブストーリーとして開発秘話など、人間味が強まり、相手に親しみを感じさせる物語。

○力点の置き方

相手の理解度と受容の段階で上記の物語は変化する。提案の目的が理解されていない場合は、WHY-WHATを軸に、すでに相手が現状を把握しているならWHAT-HOWを軸にする。WHAT-HOWにはHOWに傾倒しすぎないようにWHATを明確にすることも重要だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑨:『知らないことすら知らない』無知」から

2013.3.6   日経産業新聞の記事「価値を生む創造思考⑨:『知らないことすら知らない』無知」から

無知は悪ではなく創造の源泉

コラムの著者 細谷功氏(クニエ・コンサルティングフェロー)は、新しい発想を生み出すのポイントとし我々の「知る」ことから分析して、「知らないことすら知らない」領域が大切であること解説している。

○圧倒的に大きい無知不感の領域

細谷氏は、無知を悪と捉えるのではなく、創造の源泉と考えることを勧めている。著者も同感である。

我々の身の回りの事象や考えは、

  • 領域①:「知っている」、一般的な知識の核
  • 領域②:「知らないと知っている」
  • 領域③:「知らないことすら知らない」、創造思考の源泉

に分けられるという。これらをビジネスでのお客さまでいえば、

  • 領域①:既存顧客
  • 領域②:買うことは分かっているのに自社の商品を買ってくれない顧客や競合他社の商品を使っている顧客
  • 領域③:いまは、思いつかないような顧客

となり、いつものビジネスでは②の顧客を①にどう取り込みかばかり気になるところ。市場が縮小すると、機会損失をおこす可能性がある。しかし、未開拓な③の顧客は、圧倒的に大きな領域といえる。③の顧客が見えれば、最終的に①に誘導することも可能となる。

商品の機能についても

  • 領域①:今ある機能
  • 領域②:競合に合って自社にない機能
  • 領域③:いま考えてもいない機能

と考えられ、圧倒的に大きいのは③の機能である。これを意識して創造することであると細谷氏は指摘する。

○領域③を意識するには

細谷氏は2つのポイントがあるという。

(1)必然性に身を任せる:

カフェテリアで、自分の好きなものしかとらず、知らないうちに偏食しているように、たまには、偶然見つけた「おすすめメニュー」を選んでみると思わぬ発見があるかもしれない。ネット検索でも、検索キーを使うこと自身が領域②の範囲であって、本当に必要な斬新なアイデアは「キーワードすら思いつかない」という領域③にあることになる。

(2)理解できないものは、先ず肯定からはいる:

自分が理解できないファッションや映画でも、拒絶せず素直な目でみれば、ヒントを与えてくれる。理解できないものを肯定し、「そこに別の世界があるのでは?」と思うことが重要である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:幸之助『我々が景気を興す』」から

2013.3.4    日経産業新聞の記事「眼光紙背:幸之助『我々が景気を興す』」から

政治の次に動くのは企業側

コラムの著者は、松下幸之助氏が「いざなぎ景気」以前の不景気で危機が続いていた時に、販売店主への会報誌で述べた言葉から、今回の不景気脱出について述べている。

○東京オリンピック特需の後で

松下氏が会報誌「店会タイムス」創刊号(1966年(昭和41年)1月)で

『景気を興すのはわれわれ自身である。』『政治なり経済なり、お互いの活動に未熟な点があったことからこの不景気が起こってきたのだ』

と書いている。時代は東京オリンピック特需も終わり、金融引き締めで景気に急ブレーキがかかったころである。松下電器産業も危機が続いていたという。不振を打開するために、販売会社の社長らと緊急会議(後に熱海会議と呼ばれる)を開いた1年後に創刊された。松下氏は、販売に関することではなく、自己反省から始め、新製品攻勢をかける。カラーテレビなど「新・三種の神器」への注力だ。

○現在の不景気対策との差異は

長期の経済停滞の要因は松下氏の上述の時代よりも根深いという。しかし、構造的には同じであろう。政府の金融政策などの三本の矢を立て、政治は動き始め、企業側が、今度は動く番である。企業の自己改革、再成長、雇用改善といったロングランのサイクルを回していかねばならない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:好き嫌い隠す人知、犬の一ほえ、感情あらわ」から

2013.3.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:好き嫌い隠す人知、犬の一ほえ、感情あらわ」から

犬と人間の関係で分かる嫌悪感

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、犬が自分の嫌いな人間を見分けることが出来ることに触れ、人間の日常生活に嫌悪感について語っている。

○特定の汗の臭いで犬は嫌悪感を判断

犬が嫌悪感をどう判断しているのか。山﨑教授によると、カギは臭いだという。人間が、犬にひどくほえられ、恐怖感や不快感を植え付けられ、犬を見るだけでその感情がよみがえり、特定の種類の汗をかくそうだ。犬はその臭いを感知して、更にほえ、犬嫌いの人間の不快感を増すことになるという。

人間社会では、自分が好かれているのか、嫌われているのか簡単には分からない。これが原因で悲劇も起こってる。人間も犬同様に嫌悪感が感知できると、悲劇も減る?しかし、山﨑教授が指摘するように、反対に人間は嫌悪感を隠す努力をする知恵がある。そのおかげで社会が巧くいっているのだという。

○嫌悪感を探ろうとする動き

マーケティング等で企業が新製品の企画に対する潜在ニーズやデザイン、色彩などの好みを知りたがっている。言葉によるコミュニケーションの背後にある嫌悪感を探るのが目的である。行動を観察して推定する等が使われているが、好き嫌いを隠す知恵を排除してみたいのが本音であろうか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:東京の伝統と町工場、ものづくりに新風」から

2013.3.1  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:東京の伝統と町工場、ものづくりに新風」から

東京は異質な組合せが生みやすい

コラムの著者 栗坂秀夫氏(パシフックデザインアソシエーツ代表)が語るのは、伝統工芸と町工場の異質な組合せによるイノベーションについて語っている。

○東京はA×B⇒Cのイノベーションの反応炉

栗坂氏によれば、政治、経済、金融の中心である東京は、意外とものづくりが盛んだという。東京都指定の伝統工芸品も村山大島紬、東京くみひも、江戸漆器、東京桐箪笥など約40種類あるという。

伝統工芸と町工場の技術を結びつけた事例を栗坂氏は示す。
鋳造デザイン小物を製造する浅川製作所(東京・葛飾、浅川弘人社長)が2012年10月に発売した「手鏡」と「宝物入れ」。この商品は、葛飾区伝統工芸士の染め型彫刻師、矢田型紙店(東京・葛飾)の矢田幸蔵氏が手掛けた江戸小紋の型紙をデジタル化。そのデータを基に、金属板にエッチング加工。亜鉛合金の本体に江戸小紋のついた金属板を加工して手かがみを開発した。同商品は、東京都中小企業振興公社主催の12年度「東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞」で優秀賞を獲得した。

長い工芸の歴史をもつ日本の伝統工芸。これに新しい技術が組み合わさることでイノベーションがおこる。さらに商品を通じて、新しい生活での応用が生まれていく。この関係がさらに伝統工芸を支える。happy01