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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:フリーエイジング時代、一人暮らしは自由の証し」から

2012.8.29  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:フリーエイジング時代、一人暮らしは自由の証し」から

年齢を超えたフリーエイジング時代の到来

コラムの著者 谷口正和氏(ジャパンライフデザインシステムズ社長)が第55回群像新人文学賞優秀作に選ばれた藤崎和男氏(74)を取り上げ、年齢や世代で型にはめた見方をすることのないフリーエイジング社会について触れている。

【74歳の独居老人が初めて書いた小説で受賞】

言わずもがな日本では高齢化が進んでいるが、物理的な年齢でのネガティブなイメージとは裏腹に年齢での枠を飛び越えたフリーエイジングについて考えてみよう。今回の藤崎氏も、高齢化社会、シニアといった範疇でのごく普通の一般市民と見ることができる。しかし、孤独死や独居老人といったネガティブな見方だけで、今回の受賞は説明できない。

【創造する喜びは世代を超えている】

創造へのよろこびは世代とは無関係である。人間が持っている本能の一部である。経済的な枠組み開放された高齢者の間にクリエーティブな生き方をする志向が顕著に表れているところに、近年の特徴があるとコラムの著者谷口氏は語る。中軸にあるのは独自の個人文化の磨き方であり、その領域は藤崎氏の文芸に留まらず、絵画、料理、スポーツ、旅行や恋愛に至るまで大きく広がりつつあるという。

今までの若者中心の視座を捨てて、全世代がフリーに生きる時代が来たと見れば、新しいマーケティングの視座も生まれてくるはずだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:百貨店カード、生計別でも家族優待」から

2012.8.30  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:百貨店カード、生計別でも家族優待」から

周到なマーケティングを用意したカード

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が取り上げるのは、三越伊勢丹ホールディングスのクレジット子会社エムアイカードが29日にはじめたファミリー登録「つながります」サービスである。

【これまでの家族カードを更に拡充】

これまでのカードには家族カードサービスがあり、高岡教授が取り上げている三越伊勢丹HDのカードも同様であった。しかし、生計が同一であるといった制約があった点を解除し、以下のようなHDの特徴を取り込んでいる。

  • 合併によって政令指定都市のカバーが広がった:例えば、結婚した娘と郷里の親といった離れた環境でも顧客を囲い込める。全体として購買力をあげられる。
  • 世代間の収入や資産の格差による若者の百貨店離れという難題への克服策の1つになる
  • 新規加入や解約防止につながる

といった周到なマーケティングがその背景にあるという。happy01building


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑨:買収先で組織・人材どう統合」から

2012.8.30  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑨:買収先で組織・人材どう統合」から

ソフト面での取り組みが前提

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア、シニア・ プリンシパル)は、国内のM&A(合併・買収)でさえ難航する日本企業に、海外の企業買収がグローバル化で余儀なくされている中でどう対応すべきかの指針を与えている。

【優先度が落ちる組織・人財の統合論議】

M&Aで、多くの企業が苦労する組織・人財の統合。その要因は、買収価格や案件成立を可否に直接影響のある財務や事業検討が優先され、組織・人材の検討の優先度が一段落ちることが要因だという。この統合をないがしろにすると、競合他社に一気にビジネスチャンスを与えることになってしまう。

日本企業のこれまでのM&Aでの統治は、組織や人事を変えず、現状維持といった形態が多かった。しかし、最近は買収先の経営に対する関与を強め、経営統合をする動きが出てきているという。

【ハード面とソフト面】

企業統合で考えられる、仕事の仕方や環境(プロセス、組織構造)といったハード面から、明示された価値観(企業理念、評価・マネジメントのしくみ)というややソフト面についての統合を行うことが先ずは優先すべき事項であると作佐部氏は語る。日本企業は特に買収先の企業に自社の理念や価値観を共有させることが苦手だといわれる。背景に、欧米の企業は、多様な国籍、背景を持つ人財で構成されているため、企業文化は「創るもの」といった捉え方である。一方、日本企業は企業文化は自然と生まれるものと捉えている点が一因である。

組織風土の共通項と違いを可視化できるように行うのも重要だ。さらにソフト面としては、象徴的行動(リーダーシップスタイル、特徴的な組織行動)や社員に共有化された暗黙の仮定(信念、態度、規範)といった無形で可視化しにくい部分で、曖昧なものとして後回しにされがちだ。しかし、ビジネス上の成果や企業行動にも大きく影響する。価値観と企業文化といったソフト面と関連付けて、買収先との新しい事業運営モデルを作り出す方が統合の成果に早くつながると作佐部氏は示唆する。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「成功する朝活術⑥:『しない事』を決める」から

2012.8.29   日経産業新聞の記事「成功する朝活術⑥:『しない事』を決める」から

時系列ではなく人生の優先度で考える

コラムの著者 池田千恵氏(CONECTA代表)が語る朝活の成功の秘訣の1つとして、時間管理についてのヒントを与えている。

【自分の意志ではどうにもならない事項】

残業や付き合いといった自分の意志では変更するのが難しいことを視点を変えて考えてみる。

時間管理はこれまで、「効率的に」や「要領よく」といった視点でのものが多いが、池田氏の提唱するのは、あえて「しない事」を決めるやり方である。あれもこれもやろうとすると、反って意志ややる気に頼ってしまうし、過度に頑張りすぎる。そこで、池田氏は、手帳を用意して、以下の要領で事項を整理することを薦めている。

【人生の価値での色分け】

  • 種まきの赤・・・人生を豊かにするための準備:緊急でないが人生を豊かにするための準備や大切な人との予定
  • 食いぶちの緑・・・仕事に係ること
  • 日課の青・・・生活環境を整えるためのルーチン
  • 思い付きの黒・・・自分でなくてもできること:やりたくはないけど業務を遂行するために仕方なくやるべき事項

色分けの効果は、自分は何を思っていて、どれだけに時間をかけて何をすべきかを日々意識できるようになるという。時系列の予定表ではなく、人生における重要度で認識出来るようになる。

結果、早起きする際に、やめるべきことが見えてくる。残業も仕方なくではなく、自分が残る意味を考えたり、他の手法で工夫できないかといった視点に変わる。

【注意したい価値観のメンテナンス】

自分の居心地良さや自分のメリットだけを考えるようになると、視野が狭くなりがちである。ヒトは成長するものであるから、重要度や優先順位は、環境の変化や成長の度合いで、定期的に価値観を見直すメンテナンスが必要であると、池田氏は語る。heart


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:電力需要減は美徳か衰退か」から

2012.8.28   日経産業新聞の記事「眼光紙背:電力需要減は美徳か衰退か」から

必要な節電後の電力需要の回復策は?

コラムの筆者は、7月の電力需要(速報値)を見て、節電と気温の影響で各電力会社が危惧している電力危機は回避され、原発全廃を唱える活動家からは「原子力発電がなくても、問題がない証拠」という声もでてきそうな状況で、電力需要減に伴う経済の縮小をどう回復させるのかを指摘している。

【省エネ、節電は美徳だが】

美徳あるが反面、節電では製造業の活動が停滞し、消費も細ってくると、経済の成長は止まる。需要の減少は、いかなる商品でも避けるべきことである。となると、「緊急避難」だった節電は恒常的となり、電気料金の大幅引き上げとなれば、生産活動も節電に合わせてダウンサイジングせざるを得ないと、コラムの筆者は指摘する。

節電を必要なだけ達成した後は、逆に電力需要をどうやって回復させるかも考えなければ、経済は縮小したままとなる。縮小よりも経済の拡大の方がはるかに難しいことは、自明であるからだ。happy01