【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑨:買収先で組織・人材どう統合」から
2012/09/03
2012.8.30 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑨:買収先で組織・人材どう統合」から
ソフト面での取り組みが前提
コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア、シニア・ プリンシパル)は、国内のM&A(合併・買収)でさえ難航する日本企業に、海外の企業買収がグローバル化で余儀なくされている中でどう対応すべきかの指針を与えている。
【優先度が落ちる組織・人財の統合論議】
M&Aで、多くの企業が苦労する組織・人財の統合。その要因は、買収価格や案件成立を可否に直接影響のある財務や事業検討が優先され、組織・人材の検討の優先度が一段落ちることが要因だという。この統合をないがしろにすると、競合他社に一気にビジネスチャンスを与えることになってしまう。
日本企業のこれまでのM&Aでの統治は、組織や人事を変えず、現状維持といった形態が多かった。しかし、最近は買収先の経営に対する関与を強め、経営統合をする動きが出てきているという。
【ハード面とソフト面】
企業統合で考えられる、仕事の仕方や環境(プロセス、組織構造)といったハード面から、明示された価値観(企業理念、評価・マネジメントのしくみ)というややソフト面についての統合を行うことが先ずは優先すべき事項であると作佐部氏は語る。日本企業は特に買収先の企業に自社の理念や価値観を共有させることが苦手だといわれる。背景に、欧米の企業は、多様な国籍、背景を持つ人財で構成されているため、企業文化は「創るもの」といった捉え方である。一方、日本企業は企業文化は自然と生まれるものと捉えている点が一因である。
組織風土の共通項と違いを可視化できるように行うのも重要だ。さらにソフト面としては、象徴的行動(リーダーシップスタイル、特徴的な組織行動)や社員に共有化された暗黙の仮定(信念、態度、規範)といった無形で可視化しにくい部分で、曖昧なものとして後回しにされがちだ。しかし、ビジネス上の成果や企業行動にも大きく影響する。価値観と企業文化といったソフト面と関連付けて、買収先との新しい事業運営モデルを作り出す方が統合の成果に早くつながると作佐部氏は示唆する。
コメント