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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:落ちぶれる国内キャリア」から

2012.9.21   日経産業新聞の記事「眼光紙背:落ちぶれる国内キャリア」から

土管屋に徹するキャリア

コラムの筆者は、米国経済、GDPを年率換算で最大0.5%も押し上げるとの試算もあるという、アップル社のスマートフォン「iPhone5」の好調さから国内の通信キャリヤ各社の力のシフトが伺えるという。

○かつては、新製品発表はキャリア主導

掲題電話の新製品発表はこれまで、通信キャリアが仕切り、端末メーカーは遠慮して独自の発表会を自粛する傾向にあった。ところが、今回のiPhone5の発表では、KDDIは、通信路(通称、土管)にLTE(次世代高速携帯電話サービス)についての料金などは発表したものの、端末自身の価格の発表はなかった。

これには、アップルから「携帯電話会社が記者会見などを開いてiPhone5を発表するのを控えてほしい」との通達があったという。ソフトバンクも、アップルの発表後に端末価格などを発表している。

これまでの、キャリア主導の端末開発から、スマートフォンの時代になり、端末メーカー主導の開発に大きくシフトした。これまでの海外でのスタイルが、ガラパゴスと呼ばれる日本市場でも起こったわけである。happy01mobilephone


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:加齢を時系列で追う」から

2012.9.21  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:加齢を時系列で追う」から

世代ごとに固有の傾向あり

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)はそれぞれの世代が青春時代のメディア利用体験に強く影響され、年を取ってもそのメディアに継続的に接触する傾向が強いと述べている。

○デジタル化やネットの普及がメディアにどのような影響を与えているのか

影響を、性別と年齢の時系列データを使って、その増減に焦点を当てた分析をすることがあるという。

上図で、以下の分類でテレビに視聴率分析を行うという。

  • KIDS(4~12歳)
  • TEEN(13~19歳)
  • M1(20~34歳男性)
  • F1(20~34歳女性)
  • M2(35~49歳男性)
  • F2(35~49歳女性)
  • M3(50歳以上男性)
  • F3350歳以上女性)

ここで2010年のF2の世代は、15年前にはF1であったことになる。つまり、2010年のF2の分析を行う時、15年前のF2よりもF1tと比べて分析する方が納得できる知見があるという。

○世代ごとの固有傾向

そこで、それぞれの青春時代のメディアに強く影響を受けていることも分かる。

  • 66世代=1966年生まれ(現在45から46歳)前後=テレビ世代
  • 76世代=1976年生まれ(現在35から36歳)前後=PC世代
  • 86世代=1986年生まれ(現在25から26歳)前後=携帯(電話)世代
  • 96世代=1996年生まれ(現在15から16歳)前後=マルチデバイス・クラウド世代

というメディアリテラシー(読み解く力)の区分があるという。このような加齢の時系列でメディアの傾向が掴める。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:シニアマーケティング本格化」から

2012.9.20  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:シニアマーケティング本格化」から

3つのシフトを捉える

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が取り上げるのは、前回に引き続きクレジットカードの話題だが、ターゲットがシニア層である。

【シニアを本格的ターゲットに選んだイオングループ】

高岡教授によると、イオングループが55歳以上を対象としたクレジットカード「G・Gイオンカード」と電子マネーカード「G・G WAON」の発行受付を15日に開始したとのこと。グランド・ジェネレーション(G・G)で55歳以上この世代に位置づけるという。カード保有者向けの割引サービスとともに、シニア向け商品の取り扱いを手厚くする。すでに同グループでは、シニア世代にゆうゆうワオンを発行しているが、10歳引き下げた。

50代の戦略では、ファミリーマートが2010年に立ち上げた「おとなコンビニ研究所」が有名で、スーパーやショッピングセンターでは、イトーヨーカ堂が2012年4月に65歳以上を対象とした電子マネー「シニアナナコ」を発行したように、65歳以上を対象としてきた。

2012年3月現在の人口構成比の15%(総務省統計局「人口推計」による)を55歳から64歳の世代が占める。この間隙を見逃すはずがない。

【3つのシフトと考えるイオングループの戦略】

11から13年度の中期計画で同グループは、

  • 人口の都市シフト
  • 経済のアジアシフト
  • 人口のシニアシフト

を念頭に置いた事業を強めるとしている。経営の主軸にシニアを置くなど、マーケットの本格化を狙ってのことであろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:雑誌『広告』が刷新」から

2012.9.19 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:雑誌『広告』が刷新」から

アイデアのソース?

コラムの著者 柏木博氏(デザイン評論家)は、専門業界雑誌「広告」(博報堂発行、季刊)の内容から、今後の若手の企画、編集者の思考や感覚、その他、モノづくりのあり方を伝えていると語る。

【幅広いテーマ】

1948年の創刊以来、同誌は夏号(8月号)から全面リニューアルしたという。今後ののテーマを「恋する芸術と科学」にするという。自然科学、社会科学、人文科学、芸術といった幅広いジャンルだ。その広い領域の時代感覚を取り込もうとしている。

【断片から得る創造力とアイデアのソース】

掲載も、木幡和枝氏、蓮實重彦、マーク・ブキャナン(物理学者)や若手研究者によるエッセーも入れている。さらに、視覚的にも冒頭にコラージュを導入して、言葉とイメージを貼り混ぜたような設えという。柏木氏によれば、思考や感覚は断片的であり、それをどのように編集していくかが創造力となっていくという。

構成は、アイデアのソースとなるようなページ構成で織りなしているところは面白い。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:三谷幸喜『其礼成心中』、文楽の新境地開く」から

2012.9.12  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:三谷幸喜『其礼成心中』、文楽の新境地開く」から

古典から発展させた三谷氏

コラムの著者中本千晶氏(ジャーナリスト)は、橋下大阪市長のバトルで最近話題になる文楽ではあるが、古典名作の域をでないことで、一部のファンを除き観客も飽きていた中で、三谷幸喜氏の「其礼成心中」の新作は会心の出来と、解説している。

【三谷文楽が見事に打ち破ったモノ】

名作の近松門左衛門の「曽根崎心中」をパロディーとしたものだが、三谷文楽は見事に文楽の楽しみをふんだんに盛り込み、太夫、三味線、人形遣いと見せ場を設けている。

演じ手も、文楽界では若手に属する技芸員たちが、いきいきと楽しく演じているそうだ。

見る方も演じる方も新風によって伝統芸に光明が差すのを望んでいる。happy01