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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:スローライフを考える」から

2012.8.9   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:スローライフを考える」から

スローライフ戦略の2つの流れ

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、サントリー食品インターナショナルが2006年に発売した飲料の特定保健用食品(トクホ)である「黒ロ烏龍茶」の戦略とキャンドルナイトで過ごすことを比較して「スローライフ」について論じている。

【特定保健用食品(トクホ)の戦略】

トクホは、体の生理的機能に影響する成分を含み、体の調子を整えるのに役立つ表示を国から許可された食品である。飲料のトクホは、内臓脂肪の削減や血糖値の抑制など健康な生活への改善をうたうものが主流であった。

健康的な生活はしたいが、残業や接待での遅い飲食など不規則で不健康な生活を余儀なくしている我々にとって、黒烏龍茶は「大好きな脂っぽい料理を健康のために我慢する必要はありません。食事と一緒に飲んだください」というテレビ広告は、微妙な心理をうまくつかみ成功したと言える。

【キャンドルナイトの狙い】

ファストな現代生活に正面から意義を唱え、電気の照明を消し、ろうそくで過ごすスローライフ運動にキャンドルナイトがある。ろうそくで暮らした江戸時代のように、自然と一体のリサイクル社会に戻ろうというわけである。

ただ、江戸時代のリサイクル社会とは、単にモノを修繕し、ゴミを再利用するだけでなく、太陽エネルギーの恩恵を受けた植物などを利用して、資源が増減しない限り持続可能な社会を維持するといった徹底したものであった。現代の小手先のリサイクルとは異なる、と三浦教授はいう。つまり、365日をろうそくで暮らす生活を創るものである。

スローな時代の後、近代のファストの時代が生活を豊かにしたのは事実である。黒烏龍茶のようにファストを謳歌しながらスローな要素をいれていくか、江戸時代のリサイクルとは別のシステムを考えファストなシステム自身を変革するか、といった選択が必要だ、と三浦教授は指摘する。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:生命教育、没後25年、広がる共感」から

2012.8.8   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:生命教育、没後25年、広がる共感」から

脳学者養老猛司氏の先輩、解剖学者三木成夫氏への共感

コラムの著者 川崎由香利氏(ジャーナリスト)が語る解剖学者 三木成夫氏が唱えた生命教育に焦点を当てている。

【没後25年にクローズアップされる三木成夫氏】

血管の音や「ドクンドクン」という心臓の拍動音を大音量で流し、そのリズムを体感させる生命教育。今も名物講義として、動画投稿サイトに講演の音声がアップされ、講演集も出るという。三木成夫氏の晩年の講義である。(▶参考

三木氏は、脳とこころは別物とした「唯臓論」。生命40億年の進化過程を臓器に重ね、身体を輪切りにしてそのつながり方を図解する見せ方(「胎児の世界」同氏著)で、一部には有名であるがブームにまでは至らなかった。

【植物系と動物系の内臓器官の分類】

三木氏は、

  • 「植物系」:消化、循環、生殖を役割とする内臓器官
  • 「動物系」:刺激に反応する脳や感覚器官、筋肉

に分けてとらえた。三木氏によると、植物よりも動物の方が高度であると考えがちだが、意志とつながる「動物系」ではなく、感情とつながり自然界のリズムと調和する「植物系」に生きる力があると見た。

このことを三木氏は、「思う」という象形文字に例え、思うことはこころが脳を支えている状態だという。脳が単独で働く意思や目的だけに働かされた生命は閉塞するという。こころを十分に働かせた後、思考して行動することが生命力をつなぐと考えた。深い洞察である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 弊社夏季休業のため一時休止のお知らせ

いつも、当ブログをご利用いただきありがとうございます。

さて、執筆者も含め弊社夏季休業のため、以下の期間、一時ブログの更新を停止致しますので、ご了承ください。

なお、再開は、8月20日(月)を予定しております。

【休止期間】

2012年8月12日(日)~8月19日(日)

以上


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:合理的なプーさんの液体石けん」から

2012.8.7  日経産業新聞の記事「パッケージNOW:合理的なプーさんの液体石けん」から

合理的に種類を増やせるパッケージ

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、ディズニーキャラクターの玩具が多い中、シャンプーの容器として立体化した「プーさん」のデザインについて言及している。

【目立つ配色と存在感】

クマのプーさんは、オレンジと赤、黒のラインで存在感があり目立つデザイン。実際は、容量125ミリリットルと大人のシャンプーの半分もない容器。小さな弾丸型の白いボトルの上に、赤い上着とズボン、手足を印刷したシュリンク包装材をかぶせたもの。

【遊べる容器】

塩化ビニール製の中空の頭は先端は柔らかく、首周りは硬くなって安定しているという。帽子を脱がせるように頭部を外すと、本体のふたが現れ、普通のシャンプー容器になる。再び、頭部をかぶせると、子供のおもちゃに変身するというものだ。

竹原氏が感心するのは、ふた(頭部)と本体のボトルにかぶせる包装材の印刷を変えれば、どんなキャラクターも出来ることである。平凡ねあるが合理的なデザイン。残念ながら竹原さんが見かけたのはパリのコンビニだった。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:シェールガス革命と米大統領選」から

2012.8.3   日経産業新聞の記事「眼光紙背:シェールガス革命と米大統領選」から

技術革命が導く米国の雇用

コラムの筆者は、エネルギー・資源の技術革命が起こしたシェールガス革命が米国の雇用に与える影響について述べている。

○日米の素材産業界の動き

日本では、素材であるエチレンの設備削減を急いでいるのに対して、米国石油メジャーのエクソンはエチレン工場を建設すると表明。シェールガス革命による米国への生産回帰の動きである。

「正直言って、我々は(シェールガスを)過小評価していた」と漏らしたのはエクソンのトップだという。水圧破砕と水平掘削の組み合わせた画期的な技術は、無名の米企業で生まれた。石油メジャーのエクソンでさえ、シェールガス分野にあわてて参加した格好だという。

○注目されるGEの動き

イメルトGE会長は、最近英紙のインタビューで、原子力発電が天然ガスなどの他のエネルギー資源に対して割高になったと指摘した上に、「経済的に正当化するのは難しい」と語った。GEとしても原子力産業の戦略転換を考える時期だというのだ。合弁相手の日本の日立製作所などの動きにも影響を与える。

○米大統領選

11月の米大統領選挙で、オバマ大統領は米国への製造業回帰のきっかけをつくっているシェールガス革命を歓迎。この雇用創出と「グリーンエネルギー」や「スマートグリッド」などの政策がどうからむかが注目だという。happy01