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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:技術偏重を戒めた富士通の闘士」から

2012.1.31   日経産業新聞の記事「眼光紙背:技術偏重を戒めた富士通の闘士」から

強力なリーダーシップの根源は?

コラムは、コラムの著者も記事の件で関わった故 山本卓真氏(富士通元会長、元社長)の技術偏重からマーケットインの経営方針についての述懐である。

・「日本にデファクトスタンダード(業界標準)を作る力はない」

⇒山本氏は当時大型汎用コンピューターで国際標準であったIBM互換路線を敷いた。さらに、国際標準だからIBMにインターフェイスを公開せよと迫り、互換路線を認めさせた。

⇒2010年9月の講演では「富士通はカネも取られたが大義名分も得た」と語ったという。

・1980年代末の日米スーパーコンピューター摩擦では一歩も引かず

⇒対米批判の渦中で、コラムの著者が書いた記事を「どこが日本経済新聞だ。アメリカ経済新聞だろう」と言ってのけたという。

⇒スーパーコンピュータ‐の事業化には反対であったが、顧客の前に連れて行かれ、強引に稟議書の決裁をさせられる際に、判子をサカサマにおしたという。

・先輩社長の言葉「企業は受注に始まる」を信奉

⇒「技術のユニバックは販売のIBMに及ばなかった。技術の日産は販売のトヨタに及ばず、技術の東芝、日立は、販売のパナソニックに及ばない」

⇒「技術の鼻をへし折る営業こそが成功の経験則」と説き、技術偏重を戒めたという。

「京」を生んだ技術もこう言った闘士の社長がいたからこそ開花したのだろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:シェールガスが変える世界」から

2012.1.30   日経産業新聞の記事「眼光紙背:シェールガスが変える世界」から

米国が資源大国へシフト?

コラムの著者が指摘するのは、代替エネルギーとして今後10年、20年と話題となる「シェールガス」(▶参考)である。wikipediaによると、

シェールガス英語: shale gas)は頁岩(シェール)層から採取される天然ガス。従来のガス田ではない場所から生産されることから、非在来型[1]天然ガス資源と呼ばれる。

アメリカ合衆国では1990年代から新しい天然ガス資源として重要視されるようになった。

とある。採掘技術の発達で、エネルギー価格、資源分布、通貨政策まで影響を与えるとコラムの著者は予想している。

先ずエネルギー価格としては、欧州の3分の1、日本の6分の1と圧倒的に安価となる。米国は2030年までにエネルギーの純輸出国に変わるという。

採掘技術は既存の天然ガス採掘と同様であり、資源分布が、中東・カスピ海中心から米国カナダ一帯、中国、ロシアに移行する。日本は火山国であるため残念ながら、この資源に恵まれない。

資源の中東依存が低下すると、自由度が広がり、たとえホルムズ海峡が封鎖されても大きな打撃になならず、原油価格が上昇しても、米国のエネルギー価格は低位安定する。インフレの懸念も消え、金融政策の自由度も高まる。通貨政策も、シェールガスの取引拡大でドル高になりやすくなるだろう。

日本は、円高からは逃れられそうだが、貿易赤字下の円安はコスト高になる。すなわち、米国からの低コスト資源を今からでも資源戦略に組み込むことが必要となろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:角界に見習う産業の『対外開放』」から

2012.1.27   日経産業新聞の記事「眼光紙背:角界に見習う産業の『対外開放』」から

貿易赤字が示唆する市場開放

コラムの著者の視点が、角界と産業界をかけてみていることが興味深い。

確かに、産業界は、昨年、31年ぶりに貿易赤字となった。輸出より輸入が上回ったのである。つまり、輸出立国であり加工貿易国との自負が揺らいでいる。つまり、東日本大震災による火力発電所の燃料輸入やタイでの洪水によるサプライチェーンの寸断対策での結果という見方もできる。しかし、コラムの著者が示すように、電機や自動車の「輸出力」は確実に落ちている。薄型テレビもデジカメも「日本で作って輸出する」品目では最早なくなっている。

一方、不祥事が続いた角界はどうか。大相撲初場所では大関・把瑠都(エストニア出身)が優勝。日本人力士の優勝はこの6年ない。確かに、日本人力士のふがいなさを嘆くこともできるが、外国人力士を呼び込む「角界の市場開放」がなければ、大相撲というビジネスさえなくなっていたかもしれない。

さらに、コラムの著者は、厳しく言い放つ。輸出型がダメなら、外資を呼び込んで雇用を支えべきだと。中国の鄧小平に倣えば「国内資本でも外資でも雇用を生むのが良い資本」だと。角界に倣えば「日本人でも外国人でも、お客を呼べるのが良い力士」となろう。

さて、その外資が投資に値する日本の企業がどれほど残ってるのか。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:東京駅などに『復元の発想』」から

2012.1.27   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:東京駅などに『復元の発想』」から

デジタルレトロが最先端?

コラムの著者 関沢英彦氏(博報堂生活総合研究所エグゼクティブフェロー・東京経済大学教授)が語るところによると、東京駅の「復元の発想」に始まり、暮らしの記憶を後世に残すことが、逆に新しいものを生んでいるという。

  • 復刻版:「コドモノクニ」の評判(▶参照)⇒インターネット文庫
  • 東京駅の復原工事(▶参照)⇒最先端のCADで設計
  • 市販35ミフィルムで無声映画風に撮影できるカメラ。⇒制作品はCDに動画として収録。(▶参照
  • 家庭で甘酒や納豆を手作りできる⇒一定高精度の温度制御で作れるヨーグルト製造器の流行
  • 東京タワー竣工時の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(▶参考)⇒3Dデジタル映像で制作
  • 日本住宅公団 多摩平団地⇒若年層や流行のシェアハウスとして人気。インターネット、CATV、床暖房、常時小風量換気システムなどの充実設備。

温故知新が新しい価値を生んでいる。ICTによるイノベーションを加速しているようにも思え、単なるレトロ趣味ではなく、実用に向いた商品やサービスであることが見逃せない。happy01