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【ヒット商品】ネタ出しの会  4. 実行編 ヒット商品ネタを実現する8つのトレーニング①Let's challenge!

問題

商品カタログを使って、インタビュー資料を作っていきましょう。

(1)   自己紹介と訪問の背景:訪問の目的、自分たちは今までどんなことをやってきたのかを説明する資料です。訪問は営業ではないので、新商品の事前調査としましょう。

(2)   商品の説明:機能説明だけでなく、それによって顧客の何に貢献できるのかをまとめます。

(3)   ソリューション案:顧客のニーズを提案した商品はどう解決するのか、ありがたみを説明する資料です。

(4)   お聞きしたことメモ:自分の説明だけでなく、事前にこれだけは聞いておきたいといった質問を5つほどピックアップしておきます。

(5)   価格表:おおむねの値段や価格帯をかくもので、相手に渡すものではありません。インタビューのための想定価格で、高いか安いかといった反応をみるためのものです。

進め方 すべての資料は簡潔にしましょう。できれば、第3章でつかった図解をおこないましょう。説明時間は長くて15分程度にします。

回答例

「大人のチョコドリンク季節限定版」での「お聞きしたことメモ」:

・業界の仮説:自動販売飲料業界の今の課題は・ビジネスモデル:売り切り意外に、企業訪問販売の伸びは?・価格:ちょっと高めに設定しているがどうか・企業内に販売する場合のキーパーソンは・企業内販売での重鎮は

エキスパートにアプローチできるの?

 想定顧客には意外にあえても、専門家に会うの敷居が高いのではと考えがちです。先ずは、社内あるいは知己の専門家から当たりましょう。社内でも多くの経験を積んだ人もいますし、これまでの人的ネットワークや飲みにケーションで対象となる業界に詳しい人もいます。このような専門家がいれば良いですね。もし、そうでなくても、専門家を紹介してくれる人もキーパーソンです。

 専門家の多くは、インタビューの目的と商品アイデアの仮説が明確であれば、商品を取りまく情報や仮説の良否、業界の裏話まで説明してくれます。専門家は反って、門外漢であっても興味をもって関心を寄せてくれる人には寛容なものです。

NEXT Step

 インタビューの準備ができたので、インタビュー後の反省会ではないですが、フィードバック(コメントや意見)を活かすことを考えましょう。

準備 想定顧客リストの結果やエキスパートインタビューの要点をまとめておきましょう。


【ヒット商品】ネタ出しの会  4. 実行編 ヒット商品ネタを実現する8つのトレーニング①アイデアをカミングアウトしよう!

あなたのアイデアは、既に「商品ネタ」へとステップアップしているはずです。これから、いよいよあなたの商品ネタを「実現する」アプローチについてみていきます。

何をききにきたの?と言われないために

 まず、アイデアを開示(カミングアウト)する必要性はどうしてあるのでしょうか。

  • 「発想の地平線」に到達して、事前調査をしてきた。そこで固めた商品の仮説を検証したい。
  • 調査と実際の違いはないのかもチェックしたい
  • 想定した顧客の率直な意見が聞きたい
  • 価値の基準を知りたい、価格の仮説があっているかも検証したい
  • エキスパートに意見を聞き、商品が本当にうれるのかを検証したい

このような要望に満たすには、アイデアを開示して、仮説の検証をする必要がありますね。個人の独断で決めてきた商品アイデアです。ここからは、他人にも理解できるアイデアとして説明する必要があります。事前の調査でもある程度の仮説検証はできます。しかし、調査の元になる情報は、過去のデータで出版したり、ウェブに公開したりすることで、鮮度が落ちています。この時間遅れを補うものが、インタビューです。

 商品を売る場合、すでに自分がその業界に熟知しているのなら、想定した顧客にインタビューすることです。しかし、新商品で新たに対象の業界に参入するなら、業界のエキスパートに聞いてもらって現状や課題、変化といった情報を事前に知っておくべきでしょう。そこで、エキスパートインタビューと顧客インタビューの要点をまとめておきます。

 

エキスパートインタビュー

顧客インタビュー

インタビュー先

自社内の専門家

社外の専門家

想定した顧客

予備営業

方法

社内や知人で参入業界や想定している「顧客」に関する現況、課題、変化を聞く

業界紙の編集者、研究者に会って、商品アイデアの仮説について評価してもらう

想定顧客のリストを作って企業なら広報やIR担当などに問い合わせる。面会可能なら、商品仮説の概要を説明し、評価してもらう

一度インタビューした顧客に「経過報告」することで、新たな商品仮説の反応を分析する

取り組み方

  • 専門家に会うことで、商品アイデアや上位概念を実現することで顧客に提供できる価値の選択肢を広げる
  • 商品アイデアの実現レベルを客観的に知る
  •   ニッチなニーズがないかを把握する
  • 良好な顧客関係を保って、直接対話を心がける
  • 執拗に聴き出し、仮説の検証、修正、深堀を素早く行う
  •   「顧客に役立つ」商品という信念を持つ
  • 潜在顧客を見つけ出し、商品アイデアをより具体化する

要点

  •  現在のニーズだけでなく、将来のニーズを聞き出せたか
  • いつ、提供するのが適切か、タイミングはどうか
  •   チャンスはあるのか
  • 営業ではないので、商品仮説を確かめる質問「お聞きしたいこと」メモを準備する
  • 予め、業界情報や顧客情報を調査して効率的にインタビューを進める

作った商品カタログは自分の商品仮説を説明するには良いですが、インタビューするときには、「お聞きしたいこと」メモをつくっておきましょう。つまり、インタビューする前に相手を知っておくことが重要です。これをスキップすると、「何をききにきたの?」と言われかねません。

顧客へのインタビューは「予備営業」

 専門家あるいは顧客へのインタビューとなると、自分のアイデアを「ごり押し」する人がいます。これでは折角の情報源から良い情報を引き出すことはできません。自分の仮説通りであったかどうかではなく、思いもよらないニーズや顧客、商品の改良点などを浮き彫りしたり、いま、商品が受け入れられるかどうかタイミングをつかんだり、聴き出すことが重要です。

 インタビューには手土産が必要です。え、お菓子箱?いいえ、あなたの商品アイデアの仮説が手土産です。ですから、自分のアイデアが受け入れられなくても、業界が想定した以上にどんな変化をしているかといった情報を手に入れることが重要なのです。

エキスパートに何を聞けばいいのか

 先ずは自分の商品アイデアを説明する前に、顧客の業界や参入する業界の「現状」と「将来」を聴きましょう。ここ半年、数年前からの業界の動き、変化、傾向をつかむことです。

  • 法的な規制の変化がないか
  • 影響のある技術革新やビジネスモデルの変化はないか
  • 顧客のニーズ指向に変化はないか
  • 業界への新規参入者はないか
  • 業界内部で課題となっているものはないか

といった視点です。

 さらに突っ込めば、専門家から自分の商品の競合や直接顧客を聞き出すことも重要です。これは商品化したときには聞き出せない情報ですから特に重要です。

想定顧客リストを作ろう!

 リストがなくてもどんどんインタビューしても良いですが、ちょっと効率が悪いですね。そこで、インタビュー後も何がわかったかを分析できるように想定顧客リストをつくることをお勧めします。

 リストの縦軸は、商品アイデアの売り込みたい項目で、大まか技術や機能、サービスであれば「売り」を書きます。横軸は、具体的な想定顧客の名前を書き込みます。さらに、インタビューの目的、つまり、仮説の何を検証したいのかを書き込みます。インタビューが終わったら、仮説の検証ができた、覆った、条件付きで検証できたといった分類で結果を記入しましょう。

 では、プラクティスに進んで、実際にインタビュー資料を作ってみましょう。


【ヒット商品】ネタ出しの会  3. 発想編 「ヒット商品ネタ」を生みだす8つのトレーニング⑧Let's challenge!!

問題

 プラクティス7でまためた商品カタログを想定して、ロードマップを作成します。次に説明のための設計を行いましょう。

進め方:説明の設計として以下の順序に整理しましょう

l   最もお客さまにインパクトのある、印象に残るものを商品イメージ、(2)価格、販売方法(3)今後のサービス

l   企画の責任者、アイデアの実行責任者にロードマップを準備します

回答例

 「Authentic」の商品展開と携帯サイトSNSの連動

3-8

技術・コアロードマップも手掛けてみよう

 商品展開については目標に向かって何をお客さまに提供していくかを示すことです。一方、アイデアを実現する側では、提供できるための技術やスキル、知識、人財、コアサービスといったものが必要となります。商品のロードマップをちょうど支える力ですね。中には急に手当てできず、教育や訓練、技術の移管で時間がかかり、タイムリーに対応できないこともあります。アイデアは良いのだが実現できない、ライバル会社に先行されるといったことを避けるためにも、アイデアを膨らますと同時に現実を把握して、技術やコアのロードマップを作成しておくことをお勧めします。自力で実現できないときの戦略の立て方については次章で検討します。

NEXT Step

 次はいよいよアイデアをカミングアウト(露出)します。相手は先ずは身内か同僚が良いですが、想定したお客様になることもあります。

想定する相手:アイデアをカミングアウトする相手を設定してください。たとえば、社内の専門家、営業関係、想定顧客といった具合です。


【ヒット商品】ネタ出しの会  3. 発想編 「ヒット商品ネタ」を生みだす8つのトレーニング⑧商品のロードマップを作ろう!

 いよいよ、温めたアイデアを具体的なイメージにしてカタログにするところまで来ました。少なくとも1枚のメモで1つの商品イメージはお持ちですね。部分(商品そのもののイメージ)、全体(商品を取り巻く環境)、価格、コスト、ターゲット顧客、販売方法、特徴などがそろってきたでしょう。アイデアを商品化するためには、ここまでは必須の情報です。

商品カタログにしよう!

 でも、少し不安がありませんか。商品の多くは、1つではなく、将来販売や提供を計画しているものも含めて系列やラインナップが存在します。また、初期と売れ始めてから、さらに認知されてからでは同じ商品でも改善が必要になりますね。このように1つの商品でも、いくつかの改善があって展開が変わってくるものです。

3-8

 安藤さんの即席めんも、最初は容器なしでフライめんであったのを容器に入れたカップめん、さらにラーメンだけでなく、水気少ない焼そば、また、容器の大きさを半分や1.5倍にしたカップめんというふうに、ニーズに応じた商品の展開があります。

 もちろん、アイデアの段階で、商品展開をすべて描くことは難しいでしょう。しかし、お客様や商品企画を決定する人から見ると、商品に流れている思いを具体化した商品展開は、1つのアピールポイントとも受け取れます。商品を通じて実現したい上位概念をロードマップとして示すことは商品に特徴をつけることにもなります。

 「おとなのチョコドリンク四季限定版」企画でも、「手軽に勤務時間でも息抜きができる場の提供」を実現するという上位概念があります。これを1つの目標として考えると、発想の触媒で練習したようにブレークダウンできます。

 例えば、先ずは、飲料でくつろいでもらう、次に、空腹でない場合は、道具を提供することで、リラックスしてもらう。さらに、知的なくつろぎとして情報を提供する。会社で息抜きできる場ができる支援を行う、といった今はできないが将来提供したい商品やサービスが発想できます。これらを実現していく順序で並べてみましょう。目標に進むために、提供したい商品やサービスが1つの道(ロードマップ)として浮かび上がってきます。

 最初は飲料提供です。ただ、肝心なことは飲料提供でも、このロードマップにそった商品を計画的に出すことも検討しましょう。つまり、「空腹でない場合は、道具を提供することで、リラックスしてもらう」段階でも、飲料といて提供できる価値を見出すのです。すでに飲むことは満たされているのに、飲料を提供するのは、無理、とは考えないで、のどの渇いている別の同僚のために飲料を手に入れてもらうアイデアも必要になります。このように、ロードマップに沿って別の商品やサービスを提供することは、割合と易しいことですが、すでに提供した商品を活かし改善しつつ、ロードマップに沿って提案していくことも重要なことです。これが、商品を囲む雰囲気作りにつながります。

 「おとなのチョコドリンク四季限定版」企画では、飲料提供を超えて、リラックス携帯サイトを提供して、空腹やのどの渇き以外の息抜きにも使ってもらおうというサービスを並行して提供するアイデアです。飲料の方は、顧客のニーズを汲み取るために男性向け、キャリア女性向けといった二系統に展開することを提案しています。携帯サイトなら、パソコン以上に個人が手軽にアクセスできるメディアとして採用しました。閲覧する人が増えれば、ファンサイトとして商品にフィードバックして限定キャンペーンなどのプロモーション活動にも利用します。

 前回のプラクティスの商品カタログとロードマップなどの構想を含めて今度はあなたのアイデアを具体化することにしましょう。


【ヒット商品】ネタ出しの会  3. 発想編 「ヒット商品ネタ」を生みだす8つのトレーニング⑦Let's challenge!!

問題

 プラクティス5まで扱ったあなたのアイデアを(1)部分と全体の2つの図に(2)価格とコスト、(3)提供方法、(4)系列の説明を書き加えて完成させてください。

進め方:商品そのものを先に図示しましょう。次に、商品のラインアップやシリーズを書き足しましょう。お客様への提供法、つまり販売方法を書き、最後に、その位置付けや付加価値、コストを書き込みます。


提供方法

当初社内限定販売

商品

ベルギー直輸入チョコレートを使用、季節ごとに果物を封入

価格

200円以下

ラインナップ

「おとなの」ホットケーキ





3-7B

商品カタログは両刀の剣

アイデアを拡げる前にイメージを早くから固めて、商品カタログの様に図示することは、アイデアを柔軟にことに対して障害になる場合があります。あくまでも、発想の地平線に到達してから、イメージを固めること、つまり、ルール2を思い出してください。

NEXT Step

 商品カタログが固まれば、お客様への特徴や説明に対する戦略が必要です。次回は、その設計を行いましょう。

商品カタログの設計:自分の商品カタログで何をアピールポイントにするか、キャッチフレージは何かを検討しておきましょう。