【ヒット商品】ネタ出しの会 4. 実行編 ヒット商品ネタを実現する8つのトレーニング①アイデアをカミングアウトしよう!
2010/06/14
あなたのアイデアは、既に「商品ネタ」へとステップアップしているはずです。これから、いよいよあなたの商品ネタを「実現する」アプローチについてみていきます。
何をききにきたの?と言われないために
まず、アイデアを開示(カミングアウト)する必要性はどうしてあるのでしょうか。
- 「発想の地平線」に到達して、事前調査をしてきた。そこで固めた商品の仮説を検証したい。
- 調査と実際の違いはないのかもチェックしたい
- 想定した顧客の率直な意見が聞きたい
- 価値の基準を知りたい、価格の仮説があっているかも検証したい
- エキスパートに意見を聞き、商品が本当にうれるのかを検証したい
このような要望に満たすには、アイデアを開示して、仮説の検証をする必要がありますね。個人の独断で決めてきた商品アイデアです。ここからは、他人にも理解できるアイデアとして説明する必要があります。事前の調査でもある程度の仮説検証はできます。しかし、調査の元になる情報は、過去のデータで出版したり、ウェブに公開したりすることで、鮮度が落ちています。この時間遅れを補うものが、インタビューです。
商品を売る場合、すでに自分がその業界に熟知しているのなら、想定した顧客にインタビューすることです。しかし、新商品で新たに対象の業界に参入するなら、業界のエキスパートに聞いてもらって現状や課題、変化といった情報を事前に知っておくべきでしょう。そこで、エキスパートインタビューと顧客インタビューの要点をまとめておきます。
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エキスパートインタビュー |
顧客インタビュー |
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インタビュー先 |
自社内の専門家 |
社外の専門家 |
想定した顧客 |
予備営業 |
方法 |
社内や知人で参入業界や想定している「顧客」に関する現況、課題、変化を聞く |
業界紙の編集者、研究者に会って、商品アイデアの仮説について評価してもらう |
想定顧客のリストを作って企業なら広報やIR担当などに問い合わせる。面会可能なら、商品仮説の概要を説明し、評価してもらう |
一度インタビューした顧客に「経過報告」することで、新たな商品仮説の反応を分析する |
取り組み方 |
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要点 |
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作った商品カタログは自分の商品仮説を説明するには良いですが、インタビューするときには、「お聞きしたいこと」メモをつくっておきましょう。つまり、インタビューする前に相手を知っておくことが重要です。これをスキップすると、「何をききにきたの?」と言われかねません。
顧客へのインタビューは「予備営業」
専門家あるいは顧客へのインタビューとなると、自分のアイデアを「ごり押し」する人がいます。これでは折角の情報源から良い情報を引き出すことはできません。自分の仮説通りであったかどうかではなく、思いもよらないニーズや顧客、商品の改良点などを浮き彫りしたり、いま、商品が受け入れられるかどうかタイミングをつかんだり、聴き出すことが重要です。
インタビューには手土産が必要です。え、お菓子箱?いいえ、あなたの商品アイデアの仮説が手土産です。ですから、自分のアイデアが受け入れられなくても、業界が想定した以上にどんな変化をしているかといった情報を手に入れることが重要なのです。
エキスパートに何を聞けばいいのか
先ずは自分の商品アイデアを説明する前に、顧客の業界や参入する業界の「現状」と「将来」を聴きましょう。ここ半年、数年前からの業界の動き、変化、傾向をつかむことです。
- 法的な規制の変化がないか
- 影響のある技術革新やビジネスモデルの変化はないか
- 顧客のニーズ指向に変化はないか
- 業界への新規参入者はないか
- 業界内部で課題となっているものはないか
といった視点です。
さらに突っ込めば、専門家から自分の商品の競合や直接顧客を聞き出すことも重要です。これは商品化したときには聞き出せない情報ですから特に重要です。
想定顧客リストを作ろう!
リストがなくてもどんどんインタビューしても良いですが、ちょっと効率が悪いですね。そこで、インタビュー後も何がわかったかを分析できるように想定顧客リストをつくることをお勧めします。
リストの縦軸は、商品アイデアの売り込みたい項目で、大まか技術や機能、サービスであれば「売り」を書きます。横軸は、具体的な想定顧客の名前を書き込みます。さらに、インタビューの目的、つまり、仮説の何を検証したいのかを書き込みます。インタビューが終わったら、仮説の検証ができた、覆った、条件付きで検証できたといった分類で結果を記入しましょう。
では、プラクティスに進んで、実際にインタビュー資料を作ってみましょう。
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