【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「科学むしばむ『不適切な研究』:解析でズル、機能性食品でも指摘」から
2024/04/16
2024.4.14 日本経済新聞の記事「科学むしばむ『不適切な研究』:解析でズル、機能性食品でも指摘」から
都合の良い結果を導く「不適切な研究」が横行
コラムの著者 松田 省吾氏(日本経済新聞社)は、医学や心理学、政治学など追試験をしても再現性がない研究が問題になっているという。影響はアカデミアにとどまらず、我々の健康に関連する商品にも影響を与える可能性もあるという。「不適切な研究」が横行する要因と再現性を確保する施策について語っている。
○影響はアカデミアにいいかげんな書籍や健康食品などで社会に悪影響も
松田氏のコラムによれば、「発表された様々な分野の研究について再現性などを検証する」と2024年1月、科学誌ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビアが研究の信頼性を調べる機関との取り組みを発表したという。ここでの再現性とは同じ条件で実験を繰り返した際に同じ結果が得られることを指す。人類学や疫学、経済学、政治学などで追試をするとした。
再現性のない研究が近年、アカデミアの課題となってきている。では、なぜ再現性が確認できないのか。専門家はその背景に多くの未測定要因があるからだという。例えば、心理学では研究の対象となる人の心を左右する要因は無数にあるという。実験の条件や環境を全く同じにすることは難しく、そもそもどこまで同じにすれば追試になるのかも不明である。
さらにこうした仮説検証や実験の難しさに加えて、都合の良いデータ解析などをする「研究のチート行為」のために再現できない場合もあるという。これを「疑わしい研究実践(QRPs)」と呼んでいる。
QPRsの事例として、松田氏は多重検定の悪用をまず上げている:
- 様々な項目や指標でデータを手当たり次第に取り分析し、科学的に効果のある「統計的に優位な差」が出てきた組み合わせだけを論文で報告するものである。
次に「HARKing」である。
- これは、実験で予期せぬ結果が出た時、その理由を考えて後から仮説を設定し「最初からそう考えていた」と報告するものである。
「p値ハッキング」:
- p値が実験結果がどれくらい獲得しにくいものかを表す仕様として定義されている。
- 最初からp値が一定以内になるよう恣意的にデータを除外や追加をする行為の問題点を無視して実行することである。
こういったQPRsは査読制度では発見されないことも多く、解決策として、実験の「事前登録」や「事前審査」を行なって第3者の審査も含めて事前に行なっておく。実験後の勝手な解析を防止することができる。導入する学会もあるが、普及はこれからである。
QPRsの問題はアカデミアに留まらず、国民の健康に関連する機能性表示食品でも指摘されているという。つまり、効果を支える論文がQPRsであるときや掲載学会が掲載料を目当てに査読の甘い、いわゆる「ハゲタカ・ジャーナル」などを参考にしている例もあるという。🗒️💊🥛🎮🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵