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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:分かりやすく伝え、ユーザ安心感」から

2013.12.17   日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:分かりやすく伝え、ユーザ安心感」から

「安全に関する注意」に対する工夫

コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は、取扱説明書などが進化すればユニバーサルデザインとなっていくことをパナソニックの「エネファーム」(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)の事例で示している。

○けがや事故につながる危険性を示すとはいえ、ユーザーはうんさり

よく聞く意見である。これに挑戦したのは、同社の燃料電池グループの清水一典主任技師であった。清水氏は、

  • 安全の注意だけでなく、取説全体を見直した
  • 複数の箇所で重複していた説明を整理
  • デザインやレイアウトも見直した
  • 情報量を減らさずに構成、文章、図解の表現を工夫してページ数の削減を図った
  • ガス会社の販売担当とも打ち合わせを行い、内容をブラシュアップした

ことで、126ページあった取説は84ペーシとなったという。

この取説、結果として同社内のコンテストで入賞したという。入賞の決め手は、同社のユニバーサルデザインの思想と合致した点が評価された。取説も見方によっては、製品の一部と考えることがユーザーにとって重要であることが分かる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:ブックカフェ、至福の空間、本が演出」から

2013.12.11  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:ブックカフェ、至福の空間、本が演出」から

本がある心地よい空間が売り

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)が紹介するのは最近話題になっている都内の『ブックカフェ』である。

○共通性のある『ブックカフェ』

中本氏が訪れた東京・神楽坂のキイトス茶房は、レトロな落ち着いた空間で、小説に出てくるレシピのカレーまで提供するという。表参道近くの「brisa libreria」はモダンな内装で壁一面に書棚で、店長自ら選んだ「ココロとカラダに良い書籍」が5000冊余りズラリと並んでいるという。

どちらも、ドリンクやケーキにも一品一品にこだわりがあり、ブックカフェを必ずしも本を読む場所に限定していない事だそうだ。共通するのは、本がある心地よい空間の提供である。だから、飲み食いするのも良いし、友達と会話するのも良い、無心でいるのも良いという。

並んだ本がその店の個性を決めるという。それが店主の暗黙のメッセージ。友人宅の本棚から、友人の人生観や価値観、興味関心が分かるようなものである。

しっくりとするブックカフェが見つかれば、それは至福のじかんであるだろう。happy01book


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アマゾン創業者夫人の『ダメ出し』」から

2013. 11.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:アマゾン創業者夫人の『ダメ出し』」から

自分に評価軸がないと判断に迷う

コラムの著者は、米アマゾン・ドット・コムで販売されている、これまたアマゾン創業者に対する著書で、手厳しい書評をつけたのが、書かれた創業者の夫人と、複雑な話題を通して、消費者自らの評価軸について語っている。

○話題の夫人の書評

アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏の実像に迫ろうと、大手メディアの現役記者が10月に出版した。書評は、☆が1つで、

『不正確な点があまりにも多く、残念ながら全体に疑問を持たざるを得ない』

『ノンフィクションの範囲を超えるテクニックを使い、偏っていて誤解を招く』

と酷評。

結婚して20年の夫人の書評を信じるか、近親者ゆえのバイアスとみて疑うか、賛否がある。実際11月7日時点で約3千人のうちの9割が、この書評は役立ったと答えている。

○作家の対応

これに対して、平均的な評価は☆4つで悪くはない。作家は米紙のインタビューで「間違いがあれば喜んで正す」としている。更に、300人のインタビューによるものだとも答えているという。

さて、あなたなら、「買い」か「買わない」か。bookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「サーチライト:電子書籍は製紙の敵?」から

 2013.11.5   日経産業新聞の記事「サーチライト:電子書籍は製紙の敵?」から

紙の書籍と電子書籍の微妙な関係

コラムの著者 林英樹氏は、製紙業界が白黒と電子書籍を判断しえない事情について語っている。

○日本製紙連合会の意見書

 製紙各社で作る日本製紙連合会が文化審議会に10月提出した意見書は、

『電子書籍の出版権は独立させるのではなく、紙の出版権に包含するのが望ましい』

という、紙を主体にしたビジネスモデルを保持したいとの意見であったという。

 しかし、電子書籍と紙の書籍はトレードオフの関係だという。確かに製紙と言う主力事業からみれば、当然の主張に思えるが、電子書籍を完全なる敵といった二律背反で判断できる状況にもないというのが事実である。多くの製紙会社が電子書籍の端末絡みでの材料を提供しているからだ。

○電子書籍の情報端末に関わる事業

 王子ホールディングスが2013年4月~9月の連結決算を11月1日に発表した。主力の印刷情報メディア事業と生活産業資材事業の売上高は、前年同期を下回った。一方、機能材事業は12.9%の増収増益を記録。電子書籍端末のタッチパネル用粘着剤の売上増が要因であった。

 他の製紙会社でも同様であるという。日本製紙も情報端末向け機能性フィルム、巴川製紙所ではフィルムが主力である。さらに、情報端末の出荷量が増えると、パッケージなどの梱包材を手掛ける製紙会社が潤うことになる。

 さらに、漫画本とは違って文芸書では紙の使用量が百分の一と小さいという。漫画のような雑誌事態を電子書籍化するならおおごとであるが、文芸書では影響が小さい。ことを荒立てることはないというのが業界の本音らしい。bookphonetohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:自力で書籍を電子化」から

2013.10.23  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:自力で書籍を電子化」から

個人の使い勝手と著作権侵害の狭間で

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)は、自ら自宅に溜まっていた中本氏の月刊誌を「電子化」して、その使い勝手の良さと、著作権侵害の問題について語っている。

○紙の書籍を裁断してスキャンし電子化する「自炊」

料理ではなく、自ら紙の書籍を裁断して、1ページずつデジタルスキャンして、PDFなどのデジタルファイルにすることを「自炊」という。中本氏も自宅の舞台関係の月刊誌を「自炊体験」したようだ。

秋葉原にあるレンタル・スキャンイングブース「自炊の森」では、従量制課金(グラムいくら)と時間制課金があるとのこと。中本氏は、本の背をスパッと裁断し、業務用のスキャナーで一気にPDF化。取り込んだファイルをスマホで見えるようにすると、これが快適だという。写真もきれいだし、文字も読みやすいという。

○著作権侵害で訴えられた「自炊代行業」

ところが、著作物の複製は、「私的複製」以外は違法であることから、9月30日に著名作家ら7名が自炊代行業者を相手取り、訴訟を起こした。一審判決で、東京地裁は作家側の主張を認めている。

確かに、手狭な我が家でたまるばかりの書籍や雑誌を有効に見たいというニーズと作家らの著作権保護とは相いれない。中本氏もどこかで折り合えないかと考えているようだ。bookmobilephonehappy01