【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本アニメの魅力、『共感』異文化にも浸透」から
2016/04/03
2016.3.31 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本アニメの魅力、『共感』異文化にも浸透」から
フランス・オタク第一世代の作家が語るサブカルチャーの起源
コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、前回の意味記憶、エピソード記憶の話に続き、日本のサブカルチャーの起源についてフランス人からみた考察について触れている。
○アニメを日本製だから見たのではなく、面白いから見たら日本製だった
三浦教授は、昨年出版されたトリスタン・ブルネ氏著の「水曜日のアニメが待ち遠しい」(誠文堂新光社)が面白いという。同氏はフランス・オタク第1世代と自称し、フランスにおける日本アニメ受容の歴史を分析する中で日本のサブカルチャーの魅力について読み解いているという。
ブルネ氏の分析によると、日本アニメがヒットした理由は、作者と視聴者、読者の「共感」の強さにあるという。初めから強いヒーロー像よりも、視聴者や読者と同じ人間として描かれ、時に悩み、争いながらも成長していくところに共感を得たからだという。
さらに物語論では、物語の魅力は自己移入(物語の世界観に入り込めるか)、感情移入(登場キャラクターに感情移入できるか)に依存する。その中で通常の人間と同じ成長段階を共有し、共感出来るのだという。共感は、自分の体験を記憶するエピソード記憶に他ならない。
政府のクールジャパン戦略は、サブカルチャーの扱いで誤っているという。日本アニメは日本製だから見たのではなく、面白いと思ってみたら日本製だったというのが正しい。ジャパンだからクールだよ、というのはステレオタイプでそんなに単純じゃない。
日本人が、ブルネ氏の視点で分析することで、全く異なる文化をどう受容していくかのプロセスがわかる。
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