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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:笑顔こそ経営の活力」から

2020.11.6  日経産業新聞の記事「SmartTimes:笑顔こそ経営の活力」から

子ども世代が大人たちとコミュニケーションできる空間を

 コラムの著者 田中 勇一氏(公益資本主義推進協議会 副会長)は、下積みから子どもたちの笑顔を活力にリノベーション事業の経営を進めるクジラ(大阪市北区)代表の矢野浩一氏を紹介し、氏の経営の源泉について語っている。

○大阪の下町、西九条で立ち上げた新業態「SEKAI HOTEL」

 将来子ども達がかっこいいかどうかが、事業判断の物差しにして中古マンション、一軒家、オフィス、店舗などのリノベーションを営むのがクジラであると、田中氏は矢野氏の会社を紹介している。

コロナ禍以前、訪日外国人の増加を受け、大阪の下町、西九条に点在する商店や中古の不動産物件を生かし、その地域全体を宿泊施設とする新業態「SEKAI HOTEL」を立ち上げた。このビジネスモデルが脚光を浴び、「日本経済新聞優秀製品・サービス賞2019」を受賞したという。

矢野氏は高校生から社長になりたいを漠然と考えていたが、卒業後飲食業などをへて不動産業界に飛び込んだという。2007年に下積みから創業。一番大きく絶対に潰れない会社という意味合いでクジラを立ち上げた。その後多くの経営危機を乗り越え、意外に大阪市という都会でも地域によっては空き家が多く過疎化が深刻な不動産業界の危機を感じたという。大きな投資を必要とする都市開発ではなく、比較的低コストでできるリノベーションで街に息を吹き返せると思い、本業を成長に乗せた。そこからは拡大路線で、ありがちな社内組織の混乱を創業来の「人を大切にする」という理念を社員との丁寧なコミュニケーションでカバーし、離職率を低く抑えたという。

さらに矢野氏は、子ども達の世代が大人とのコミュニケーションできる空間の大事さを自らの学生時代の体験から理解して、数年前から児童養護施設の支援活動を行っている。今回のコロナ禍でも「(施設の)食堂を子ども達の映画館に!」というプロジェクトを発足。多くの関係者とクラウドファンディングで施設のリノベーションが動き出した。矢野氏が最も嬉しい体験は子ども達の笑顔を間近で見られたことだという。施行中もわくわくして作業をのぞき見するのだという。明日を担う子ども達、取引先、社員を大切にし、リノベーションという本業を通じて地域社会に貢献している矢野氏は、まさに公益資本主義の実践者だと、田中氏は評価している。🔨👧👦癒🏠🚆😲📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:『鬼滅の刃』ヒット考、設定の斬新さが魅力」から

2020.11.6  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:『鬼滅の刃』ヒット考、設定の斬新さが魅力」から

差別化の要因は物語の設定にあり

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のヒットの要因について考察している。

◯物語構造分析でも裏付けられる自己移入と感情移入

 三浦教授によれば、アニメの隣接分野である小説の面白さを支える要因として、

  • 文章(描写力)
  • ストーリー
  • 構成
  • 設定(世界観/思想)
  • 人物(キャラクター)
  • 専門性(ウンチク)

の6つがあり、設定と人物が競合作品との決定的な差を生み出すと、「月刊公募ガイド(2017年11月)でも分析しているという。アニメについても同様で、文章(アニメなら絵やセリフ)は重要であるが、競合とは同程度に高い。ストーリーと構成も重要であるが、手順にすぎない。そこし凝ってもケッタイ的な差にはなりにくい。

そこで設定と人物であるが、差別化の要因になり得るという。実は、「ストーリーが面白い」というのはストーリーではなく、設定であると三浦教授は指摘している。設定とストーリーは別物で、斬新な設定(世界観/思想)を最初に作れば、その後にストーリーは自然に展開する。

「鬼滅の刃」では、最初の設定の斬新さがあるという。つまり、鬼に家族が殺された主人公が、鬼にされた妹を人間に戻すために鬼と戦うという設定が、ストーリーの魅力を生んでいるという。さらに物語構造分析の諸理論、とりわけドイツの哲学者ガダマーの解釈学によると、物語の訴求力(魅力)は、受容者(読者・視聴者)が

  1. 自己移入:受容者が物語の意味構造の中に入り込むこと
  2. 感情移入:物語の登場人物に心を重ねること

して、物語を再演することによって生まれるという。したがって、読者が自己移入したくなるようなるアニメの意味構造(世界観・設定)をつくり、さらに感情移入したくなるような魅力的なキャラクターをつくれば消費者のこころをつかむことができると考えられる。✏️🗒📽🎥💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:制作のモジュール化、新しい市場を創造」から 

2020.9.11  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:制作のモジュール化、新しい市場を創造」から

TV番組制作などコロナ禍でさらにモジュール化が進展

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、新型コロナウイルスの影響でテレビ番組の制作についても、効率志向・創造志向に安全志向が加わってさらに分業化・モジュール化が進んできたことを考察している。

◯観客や料金までモジュール化が進む

  関沢氏によれば、新型コロナウイルスの影響で、オンライン会議のような簡便な形でテレビ・スタジオにいない出演者が縦長画面でスタジオに一緒に映り、番組を同一場所で一貫製作することを避ける「コロナ禍の工夫」に視聴者も慣れてきたという。

制作物の「部品」は異なる場所でつくり、最後に「統合」させる、コンテンツ制作のモジュール化が進んできたとも言える。

モジュール化は製造業が発端で、作業工程の1部を「まとまった部品」として扱うことで、古くからある方法である。現代メディア産業でも、分業で制作時間を短縮しコストを下げる「効率志向」と、各工程のプロフェッショナル化による「創造志向」に、コロナ禍の非接触による安全確保による「安全志向」でモジュール化がますます加速したという。

関沢氏によれば、コンテンツ制作は;

  • 生素材:スタジオでの撮影
  • 遠隔素材:中継による撮影
  • 過去素材:番組のアーカイブ
  • 仮想素材:シミュレーションなどのCG映像

からなり、さらに、コロナ禍の対策では

  • 観客モジュール:スポーツ観戦の無観客対応など
  • 料金システム:視聴方法が多種多様でデマンド

が加わる。何もTV番組だけでなく教育システムでも活用できると関沢氏は示唆している。🎥☕️💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵💡🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:半沢直樹よVCに来れ」から

2020.9.20  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:半沢直樹よVCに来れ」から

半沢氏のレジリエンス(復元力)は見習いたい

 コラムの著者 伊佐山 元氏(WiL共同創業者兼CEO)は、7年前に「半沢直樹はベンチャーで大成するか?」というコラムを日経電子版に投稿したが、今回は今年の半沢ブームにのって、半沢直樹がVCで雇用できるかを考察している。(内容には、TVドラマ「半沢直樹」の内容が含まれますので、ネタバレなどのご注意を)

○執念が引き起こすコンプライアンス違反や違法紛いに行為は指導が必要

 伊佐山氏によれば、半沢直樹が勤める銀行とベンチャーキャピタル(VC)は同じ金融でも大きな違いがある。銀行が主に融資という形で借り手に返済義務が生じるのに対して、VCは出資という形で返済不要な資金である点だという。VCの投資は損をする確率は高いが、出資企業が成功した時、株式の売却益は融資の金利よりも収益が大きい。さて、銀行員の半沢直樹氏がVCではつとまるか?

  • VCの基礎的な素養である、財務会計や法務の知識、企業の経営実態や技術力を調査する力:半沢氏は帝国航空の再建案の提案内容を見ても現場を徹底的に理解した上で、経営側も納得できるビジネスプラン(事業計画)を書き上げている。半沢氏の知識面は完成度が高い。
  • すでに前作でベンチャー企業を斬新な技術の組み合わせでイノベーションを生み出す機転もあり、ベンチャーに幾度となく襲うピンチを救うため、創造性や解決に向かわせる見事なレジリエンス(復元性)はVCも規範となるほど見事である。どんなピンチもチャンスと考えるポジティブ思考はVCには不可欠な才能である。
  • 最後にVCのみだけが成功すれば良いといった独りよがりでは不十分であり、投資を通して社会の公器としての矜恃なくしては一人前のVCとは言えない。半沢氏は顧客のため、社会のために仕事をする理想のバンカー像を持っているところに重なる点が多い。
  • ただ、半沢氏の執念が時として、コンプライアンス違反や違法紛いの行動は、信用と評判第一のVCにとっては問題になることから、伊佐山氏がきちんとした指導を行う必要があるという。

さて、半沢直樹はVCとして雇用できるか、読者はどう判断しますか。🌇💰💴📖✈️😷💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🦠🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:『職住多層』の時代、家庭が複合空間」から 

2020.9.11  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:『職住多層』の時代、家庭が複合空間」から

家庭内に見つかる商品開発のヒント

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、新型コロナウイルスの影響で増えた在宅勤務(テレワーク)から家庭のあり方にも変化を与えているという。

◯職住一体から職住分離、そして職住多層の時代へ

  関沢氏によれば、新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務が広がり、コロナ禍後も企業によっては継続するというところもあるという。自宅で働く人が増えることは、家庭のあり方にも影響を与えるようになってきた。企業に雇われる人が5割を超えたのは、1959年で、それ以前の大半の家庭は、店舗や作業場といった職場、つまり職住一体の時代であった。それが職住一体から職住分離へと社会は変わっていった。今や9割が雇用者で、職住は分離している。

在宅勤務の流れは、職住分離から職住一体に回帰とは言えるが、さらに、家庭での機能が増え、職住多層といった方が良いと、関沢氏は提案している。つまり、

  • EARN:稼ぐための生計の場
  • EAT:食べるなどの生活の場
  • EC:ネット通販による消費の場

といった3つのEに加え、さらに2つのEである、

  • EDUCATION:教育の場
  • ENTERTAINMENT:映画などの娯楽の場

がインテーネットを通じて家庭に入り込んできている。まさに家庭は今やいくつかの異なった機能を担う複合空間になってきた。

これに目をつける住宅産業などでは、性格の異なる機能が干渉しないように収納スペースなどを小さな個室にしたり、夫婦共働き用には2つの個室を設けたりするなど工夫をし始めている。テレワーク用に間仕切りやカーテン、家具などの販売も好調で、オフィス仕様でないキャビネットやホワイトボード、低カロリーの菓子、簡単調理のランチ素材、変化をつけるドリンク類、体調を整えるトレーニング機材、パソコンなどの短時間のお助け操作コンサルティングなどが登場している。職住多層では、家庭内の行動を観察することで、商品開発のヒントが数多く見つかると、関沢氏は示唆している。🎥☕️💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵💡🌍🇯🇵