テレビ

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:テレビ番組の録画再生、高年層、若者より満喫」から

2013.5.31  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:テレビ番組の録画再生、高年層、若者より満喫」から

通説通りでない映像コンテンツ産業

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)は、アナログ放送の停止以後のデジタル録画再生機の普及率が8割前後となった今、誰がどのように使っているかなどの実態について語っている。

○電通の生活者データベースd-campのデータから

2012年関東地区で

  • 若者層:12歳から20歳代
  • 中年層:30歳から50歳代
  • 高年層:60歳から64歳まで

の傾向を同データーベースでみると、

・各フル―プで録画再生をする人の割合:

  • ②若者層:52.2%
  • ①中年層:65.3%
  • ③高年層:49.3%

となった。録画再生する人の1週間平均の再生時間:

  • ③若者層:190.6分
  • ②中年層:210.8分
  • ①高年層:215.9分

となった。どちらも予想に反して、中年層や高年層が上位で若年層は上位ではない。つまり、「ヘビーユーザ=高年層」であることが分かった。また、普及率が低い時代に購入したユーザーより、最近購入したユーザーの方が積極的に利用しているという。

○通説通りでない

「若年層はメディアリテラシーが高く、デジタルデバイスを使いこなす」、「市場導入直後のユーザーがコアなターゲットであり、市場をけん引する」といった通説とは異なった調査結果となった。

映像コンテンツ産業も通説に惑わされずに、この調査のようにシニアの観察が必要なようだ。tvhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクスト・マーカー」から

2013.3.11  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクスト・マーカー」から

異次元の世界への誘い

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)が、ソフトバンクの「白い犬のお父さん」のテレビCMにおけるブランド戦略の一部であることを解き明かしている。

○コンテクスト・マーカーである犬のお父さん

女優の上戸彩さんの「わたし」こと白戸彩の予想外な家族で、お父さんが何と白い犬であった。威厳を見せようとしながらもどこかコミカルであるお父さんがテレビ画面にでると、視聴者は白戸家の不思議な異次元の世界に引き込まれるという。しかも、CM総合研究所の好感度ランキングでは12年まで6連覇であるという。

状況を指し示すという意味を示すコンテクスト・マーカー。このお父さんもまさにコンテクスト・マーカーである。同様に同社と競合であるドコモは、「限定」を示すドコモダケとキノコをかけ、マスコットキャラクターを出した。そのキノコの帽子をかぶった途端、出演者はドコモの家族となる。キノコの帽子は、コンテクスト・マーカーである。

テレビCMもブランドの維持の一翼を担っている。異次元の世界観を作り、そこへ誘うコンテクスト・マーカーを如何に創造するかも課題と言えよう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:『ながら視聴』ネットにシフト」から

2013.2.8  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:『ながら視聴』ネットにシフト」から

ポスト地デジは?

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)が,『テレビを見ながら』使うメディアの調査から今後のテレビ側のコンテンツについて述べている

○『ながら』視聴の相手も変化する

奥氏の示すデータをみると、4年ごとの『テレビ視聴時間における他メディアとの『ながら視聴』述べ時間比率』(ビデオリサーチ社のMCRデータをもとに電通が集計)では、めメディア:新聞・雑誌・ラジオからネットへ

  • メディア:新聞・雑誌・ラジオからネットへ
  • ネットワークへのアクセス機器:パソコンから携帯電話、スマートフォンへ
  • 併存するサービス:検索サイト、電子メール、交流サイト(SNS)

にシフトしている事実がある. テレビとインターネット機器とのシームレス(継ぎ目のない)連係はこれまで多くの試みがあったが、技術的には現実になっている.

テレビとの双方向性が広告や番組開発に土台を与える変化が起きているという.ここにきて、ポスト地デジの位置付けとなってきている.happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:WOWOW加入、再び増加」から

2013.2.1  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:WOWOW加入、再び増加」から

テレビのデジタル化がシニア層へ

コラムの著者 山本直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)が語るのは、このところのWOWOWの加入者増である。ここにきて、地上デジタル放送移行のお祭り騒ぎから東日本大震災の心理的な余裕なし状態からの変化が出てきているという。

【年末年始後のテレビ番組への関心】

すでにゴールデンタイムの看板番組の座をおりたプロ野球が変わった形式になりつつある。大晦日に「日テレG+」で2012年のプロ野球ダイジェストを流し好評であったように、多チャンネル化が別の楽しみをもたらしつつあるという。

2011年7月、混乱とお祭り騒ぎであった地上波デジタル放送移行後、既存のテレビコンテンツはあまり大きく変化せず、震災後、心の余裕が少し戻った今こそ、テレビの視聴率が潮目を見ていると山本氏は指摘する。

その傾向は年末年始のテレビ雑誌をみると、シニアを対象とした番組が増えたことだという。ここに、今後のマーケティングとして、WOWOWなどの有料放送の加入者が増加に転じたことも含め、可処分時間の多いシニア層にどうアプローチしていくかが、カギになると山本氏は見ている。tvhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ソーシャルメディアと連携、テレビ、双方向性を模索」から

2012.10.26  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:ソーシャルメディアと連携、テレビ、双方向性を模索」から

テレビのソーシャルメディアとの関わり

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)が、テレビとソーシャルメディアとの関わりをマトリックス的に縦と横で捉え、現状の課題についてふれている。

奥氏がいう縦とは、テレビ局と視聴者のインフォメーションを指し、横とは、ソーシャルメディアによる受信者同士のコミュニケーションを指している。

⚪一般化した双方向通信

奥氏によると、インターネットによるテレビととの関わりが始まる以前から、BSデジタルによる双方向通信は試みられたが、今のように普及には至らなかった。課題は、インターネット上のソーシャルメディアのように一般化したインフラストラクチャになっていなかったところにあった。

⚪ソーシャルメディアによる双方向通信

放送の同報性とソーシャルメディアの双方向通信が手軽に使えるようになったのは、ここ数年のことであって、テレビ局も番組連動や広告との連携などを幾つかの試行が行なわれている。この性質の異なったメディアの融合が、今後のコンテンツ業界の課題である。happy01