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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:企業より個人の時代」から

2023.10.25 日経産業新聞の記事「Smart Times:企業より個人の時代」から

経営資源の全てが流動化する中で社内外の資産で価値創造する時代

コラムの著者 古市 克典氏(Box Japan社長)はこれまで企業のM&Aで買収する側、される側を複数回経験し、企業の実態は何で、そしてこれまでの固定化した経営資源の概念から流動化するデジタル時代にあるべき企業価値の生み方について考察している。

○働きがいや誇り

古市氏は、会社で働きがいや誇りを持てることが重要で、会社自体は器にすぎず、会社の規模はあまり関心がないという。これまで多くのM&Aで買収する側、される側の両方を何回も経験してきたいる古市氏から見れば、幹部社員はポストを失う一方で、現場社員はリソースを与えられてより活発に活動ができることを多くみてきたという。となると企業の実態は何かということになる。主な経営資源である、

  • ヒト:フリーランサーへシフト
  • モノ:コトへのシフト
  • カネ:余剰資金

となってすべてが、デジタル化によってこれまでの固定的なものから流動的なものへ大きく変わってきている。流動化すれば社内外に無関係に資産をどう組み合わせて価値創造するかということになる。そこに会社の実態はない。ノーベル経済学賞受賞のロナルド・コース氏によれば全ての経済活動は市場を通じて実施することが可能にもかかわらず、なぜ企業という統制組織が必要なのかという問いに対して、「企業内部でやりとりする際の内部化費用が市場を通してやりとりする際の取引コストよりも安いから企業が成り立つ」という。だがデジタル化で情報を得る費用は劇的に減り、社外の相手と交渉し、その行動を監視する費用も下がった。一方で、商取引が複雑化し、企業が大きくなるに従って、社内の管理費用は増加していく。

社会が必要とする価値を生み出す上で、企業の存在価値は薄れ、個々の役割が高まっていることを意味している。階層型企業組織は廃れ、自律型プロジェクト組織が増えると古市氏は予想している。⌚️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:偶然であることの難しさ」から

 2023.11.15  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:偶然であることの難しさ」から

偶然という概念の捉え方とその存在への疑念

コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・ダイヤモンドフェロー)によればサッカーなどの先攻後攻を決めるコイントスで必ずしも結果が平等でないという研究結果が話題になっているという。空中でのコインの運動を力学的な解析を行ったことから理論的に予言されていたという。この結果は学術的な意味以外に日常生活で偶然という扱いが大きな影響を受けることについて述べている。

○コイントスの表裏の物理学

 筒井氏によれば、コイントスで投げる前に見える側を表とすると、投げた結果に見える側は、表の方が裏よりも51対49の割合で多いという。これは理論的に物理学で予言されていたことであったが、今年になってヨーロッパの研究者グループの48人が実際に35万回以上コイントスを行って、予言の正しさを実証したというのである。ただし、あらかじめコインの表裏を決めておき、コイントスの前に確認しなければ、その結果は5分5分になるというからコイントスの実証は有意義であった。しかし、もしコイントスが真に偶然によるものであれば、全体の表裏の比率だけでなく、結果を順番に並べた時、表裏のパターンもランダムでなければならない。

筒井氏がこの実証を取り上げるわけは、日常我々はこの偶然性に頼って社会生活を送っているということである。気象予報や地震予知など全ての科学予測にはシミュレーションが大きな役割を果たすが、その精度は実は偶然を模擬する乱数の性質に大きく左右されるという。通信の秘匿性やオンライン商取引での本人確認にも乱数が使われており、これらは乱数の偶然性の信用の上に成り立っている。

現代では乱数は特殊なアルゴリズムによって機械的に生成されるか、電気ノイズのようにランダム性を持つ物理現象から生成される。究極は、原子核の崩壊のように本質的に偶然な量子現象から生成される乱数であると考えられている。だが、ここで真の偶然とは何かという原理的な問題が立ち塞がる。この哲学的な問題をアインシュタインは「神はサイコロを振らない」と量子現象の偶然性までも否定した経緯があるという。🎲⚽️🪙🦶🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:宇宙開発、本気出した国」から

2023.11.16  日経産業新聞の記事「WAVE:宇宙開発、本気出した国」から

デフレ完全脱却のためのフロンティア開拓に宇宙と海洋

コラムの著者 石田 真康氏(A・T・カーニーディレクター)によると、11月2日の日本政府の臨時閣議でデフレ完全脱却のための総合経済対策が決定された。その中のフロンティアの開拓として海洋と宇宙が取り上げられているという。宇宙戦略に基づき先端技術の開発や技術検証、さらに商用化支援を行うために民間企業や大学など取り組みを日本政府は支援することを表明している。

○国際競争力の強化策や宇宙安全保障政策が大きく進歩

 石田氏によれば、2023年は日本政府による攻めの宇宙政策がかなり進んできているという。まずは、企業や産業の国際競争力の強化がある。戦略的企業育成や支援を強化しようとしている。今年6月に策定された宇宙安全保障構想に基づき、目標達成のため3つのアプローチが示された:

  • 宇宙からの安全保障
  • 宇宙の安全保障
  • 宇宙産業の育成・支援

である。日本政府のみならずスタートアップ支援も加速しており、日本政府は2022年からユニコーン企業100社創出を目標とするスタートアップ育成5か年計画を推進するが宇宙産業もその範疇である:

  • ispace社:月着陸船の開発と輸送サービス
  • QPS社:レーダー衛星の開発・運用
  • アストロスケールホールディングス:宇宙ゴミの除去や軌道上のサービス。米宇宙軍と人工衛星に燃料補給する技術開発で契約

スタートアップのみならず大手防衛宇宙企業も人員の増員、大規模な設備投資を発表しているところもある。その他宇宙産業への投資や衛星通信なども連携が広がっている。🛰️🌜🪐🚀💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:上昇する女性有業率」から

2023.11.15 日経産業新聞の記事「Smart Times:上昇する女性有業率」から

有業率水準は上がってきたが依然と厳しい状況

コラムの著者 伊藤 伸氏(東京大学特任准教授)よれば、ジェンダーギャップがアジア諸国でも低迷している日本であるが、女性が仕事を持つ割合である有業率は上昇しているという。かつて鮮明だった結婚や出産で女性の有業率が下がる「M字カーブ」は解消されつつあるという。しかし、非正規雇用が男性よりも多く管理職への昇進も少ない。ただ伊藤准教授によれば、職種に対して少しずつ変化しているという。

○男性の育児休暇の壁は組織の階層構造や慣習

伊藤准教授によれば、職業分類でみると、これまでの女性の生産工程や販売、サービスの従事者は減少しており、専門的・技術的職業や事務の従事者は男性と共に増えているという。創造性や高度な知識が必要な職種の拡大は国際的にも広かっている。

さらにコロナ禍を境に在宅勤務などのテレワークを実施した割合が最も多かったのは専門的・技術的職業であったという。テレワークは昔から女性が多く担ってきた家事と仕事との調和を図るには適した形態である。企業にとっても女性従業員が専門性を高め意欲的に仕事に取り組めるための環境づくりがキーとなる。育児や介護の支援、助言者であるメンターの導入や大学などの外部機関を利用したスキル開発も有効である。また、男性の育児休暇の壁は意外にも組織の階層構造や慣習であるとの報告もあり、大企業ではかえって取得し辛く、新興企業の方が取得しやすいとも言われている。⌚️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:勢い失う一帯一路の中核路線」から

2023.11.7  日経産業新聞の記事「眼光紙背:勢い失う一帯一路の中核路線」から

重慶市ロシアのウクライナ侵攻と米国とのデカップリング(分断)の影響大

コラムの著者が述べているのは、米欧日との対立で中国内陸部、重慶市と欧州を結ぶ直通貨物列車の貨物量が減少していることで、習近平国家主席が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」への影響について考察している。

○米PCメーカー大手の事実上の撤退から欧州EV輸出に転換する重慶市

コラムの著者によれば当該の貨物量は1〜8月の累計で前年同期比で約1割の減少したという。重慶市内でPCなどを製造している外資系企業が、ロシアのウクライナ侵攻で利用を控えたからである。

この直通貨物列車の路線は、習近平国家主席の一帯一路をけん引してきた中核の物流ルートで影響は少なくないという。もともとこの路線は、習氏のライバルとされた薄熙来氏が2008年同市のトップ時代に検討し始めたものであった。米ヒューレット・パッカード(HP)社の工場を同市に誘致する際に、この路線を考え、欧州までのスムーズな物流を約束した。沿線各国の通関手続きの簡素化、税の減免、鉄道運賃の一部負担、さらに鉄道の優先利用権まで与えたという。

米HPは2010年に量産を始め、2011年に鉄道輸送を開始した。その後世界の大手も追従し、重慶市は世界のノートPC生産台数の約3分の1を占めた。だが、PCの分業体制の変革が、ロシアのウクライナ侵攻と米中対立で進み、重慶でのPC生産について大手は手を引き始めているという。2021年9千万台をピークに、2023年に6千万台、将来は3千万台に落ち込むと予想されている。

重慶市もPC生産からEV輸出にシフトしようとしているが、欧州側の中国製EVの流入に強い警戒があるため、一帯一路の中核路線は大きな曲がり角にきているという。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇨🇳🇺🇸