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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ファンフレーションは日本の時代」から

2023.11.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ファンフレーションは日本の時代」から

多品種少量、一品受注生産は日本のメーカーの得意なところ

消費者が家電製品や自動車などより旅行やコンサートなど無形のサービスに気前よくお金を使うことは、「モノ」から「コト」への移行と多くの議論で説明されてきたが、米小売業界ではFunflation (ファンフレーション)と呼ばれ、楽しみ(Fun)の価格上昇(inflation)が語源だという。コラムの著者が述べているのは、ファンフレーションは実は日本にとって有利だということである。

○「みせびらかし」から自己の価値観で購買行動へ

コラムの著者によれば、新型コロナウイルス禍で航空運賃、宿泊費などの旅行関連やコンサートチケットなどの価格高騰は原材料費や人件費の上昇だけでは説明がつかず、ファンフレーションが進んでいることを物語っているという。コロナ禍で抑制されていた消費の揺れ戻しや「コト」消費への移行だけでは説明がしきれないほど力があるという。

ファンフレーションの背景には、高級商品の購入と保有が「みせびらかし」にあるとする「ウェブレン効果」が先進国で薄れてきており、消費者が自らの価値観による購買行動に変化してきている。旅行やイベント、飲食は個人の嗜好による、つまり個人の価値観に依存する。

となればファンフレーションでのモノ消費のマーケティングは、商品をきめ細かくカスタマイズするか、限られた顧客層のみをターゲットにした商品を開発するしかない。極端に言えば、多品種少量、一品受注生産になる。このような生産が得意なところは日本のメーカーである。今は日本の得意技が生かせるときかもしれない。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:服薬にも『コンプライアンス』」から

2023.11.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:服薬にも『コンプライアンス』」から

今は医者と患者で治療方針を決め、服薬アドヒランスと呼ばれる

コラムの著者は、「コンプライアンス」という言葉で、一般企業に対して使われる「法令順守」以外に、医療現場で使われる「服薬コンプライアンス」について語っている。

○製薬会社には引き続き「コンプライアンス」を

コラムの著者によれば、服薬コンプライアンスとは、医師が患者を診断して処方を決め、それに基づき患者が用量や用法を正しく守って医薬品を服用することだという。日本語では、「服薬コンプライアンス」は「服薬順守」と訳され、医師が自分の方針に従わせるというニュアンスがあるという。

最近では、「服薬コンプライアンス」の表現は使われず、「服薬アドヒランス」が主流だという。こちらは医師と患者が一緒になって治療方針を決め、患者が薬を服用する意義を納得の上で用量や用法を守って治療を続けるというものである。

医療分野では、服薬コンプライアンスではなく、一般企業のコンプライアンス問題があるという。一部の糖尿病治療薬が本来の目的から外れた「ダイエット目的」で使われているとの報道があったという。健康な人が治療薬を大量に使うことになれば、本当に必要とする患者に薬が届かないといった事態にもなりかねない、「コンプライアンス」問題である。薬を適切な患者に届けることは、まさに医療関係者や医薬品関係者にとって非常に重要な法令順守である。💊👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:『会社価値』と『市場価値』」から

2023.11.17 日経産業新聞の記事「Smart Times:『会社価値』と『市場価値』」から

個人にとっても会社にとっても2つの価値は重要

コラムの著者 野口 功一氏(PcWコンサルティングパートナー専務取締役)は、顧客との信頼関係を論じているとき、自分の提供価値の根源や中身について「どこまで自分自身の信頼によって関係が築かれているのか」を自問することを勧めている。

○市場価値の高い人を雇用すると転職リスクが高い人を雇用することになる

野口氏によれば、

  • 顧客の言う通りにすれば信頼関係が築ける?
  • 顧客が気付かないことを解決すると信頼関係が築ける?

など捉え方はどんなレベルでどんなことをすれば良いのか千差万別であるという。

だが、一方で顧客から信頼されていると考えた場合、100%自分個人を信頼しているのか、所属している会社の信頼なのかどうであろうか?そう考えると、会社の信頼と自分の信頼の割合で決まっているようだと野口氏は考えている。つまり、会社の大きな傘の下で自分の信頼や実力と、傘から外れた時の信頼や実力がどう変わるかと考えても良い。これはキャリアパスを考える時、会社の傘の下にいる時の会社価値と傘を出た時の市場価値を考えることだろう。会社の中で優秀なのは会社価値であって、転職して出た場合、世の中の市場価値との勝負になる。つまり、会社価値=市場価値と考え違いすると大きな転職リスクを負うことになる。

一方、会社は、市場価値の高い人材を求める。その人材が会社で働いてもらうときに会社価値が市場価値以上でなければ、優秀な人材は再度転職してしまう。集めた人材が辞めない魅力を会社が備えていないと止めることはできないことになる。つまり個人も会社も努力して価値を上げねば顧客の信頼は得られず、実力もでないことになる。⌚️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:顧客の目利き力、ロングセラーの必要条件」から 

2023.11.17  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:顧客の目利き力、ロングセラーの必要条件」から

作り手のこだわりが顧客の目利き力を高め、さらに作り手の腕を上げる

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授・英スターリング大学訪問研究員)は、行商、店舗販売などの歴史を振り返って、小売と顧客の関係で特に顧客の目利き力について考察している。

○ロングセラーブランドにするには顧客に正当に製品評価してもらう力を共に養う必要がある

 横山教授によれば、顧客が商品の品質を見極める「目利き力」は現代のマーケティングでも重要な要素だという。歴史的にみると、

  • 行商人による購買:目利き力は極めて重要。悪い品質の商品を掴ませれてもクレームする相手がいないためである
  • 店舗販売:顧客の目利き力はそれほど重要でなくなっていく。同じ顧客に繰り返し販売する必要があり、売り手は商品の評判を気に掛けねばならないからである。買い手は、以前より安心して買い物ができるようになった
  • 小売チェーン店の勃興:顧客は一段と安心して買い物ができるようになった。チェーン店は管理のコストを下げるために、基本的に自社チェーン店で同じ価値を提供することに徹する。必然的に、売られる商品の品揃えや品質はどのチェーン店でも同じになるように標準化され、顧客は一定の品質の商品を購入できるようになった。
  • 大手スーパーマーケットの展開:一部の例外を除き、顧客はそれほど商品の品定めする必要がなくなった。だが、例外は、生鮮食品、特に農産物や海産物である。この時点で顧客は目利き力が必要となる

と変遷してきた。小売だけでなく製造メーカーも標準化された製品を市場に送るために、いかに長寿命の製品として顧客に認知してもらうかが重要で、そのためには顧客に自社製品の価値を正確に評価してもらう必要がある。これはロングセラーブランドを生むための必要条件だと横山教授は指摘している。作り手のこだわりが顧客の目利き力を高め、それが作り手のこだわりを正当化するというサイクルができる。このサイクルこそ、グローバル化の時代で日本が独自性を維持するキーだと横山教授は示唆している。📱🧺🛒🏪🎁🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:IoT社会こそ『利他の精神』」から

 2023.11.17  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:IoT社会こそ『利他の精神』」から

IoT社会はシェア(共有)と利他の精神で支えたい

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoT社会では関係者が直接見えにくい社会であるという。そんなIoT社会を支えるシェアと利他の精神について考察している。

○自己の利を他への利に変えることでまた自分に還る社会

 山﨑教授が指摘する関係者、つまり人の顔が見えにくい社会というのは、例えば、カーシェアリングで同じ車を借りる人は顔も名前もわからない状況で、貸し借りするようなインフラストラクチャーである。情報は所有者と利用者を繋ぎ、情報はインフラストラクチャーでやりとりされるが、根幹であるインターネットを動かしている人も見えない。

シェアリングの仕組みを考えると、あるサービスを必要とする人とそのサービスを提供できる人とが繋がり、情報を共有してサービスが実行されれば、双方の希望が満たされる。この背景にあるのは、利他の精神だと山﨑教授は指摘している。

通信インフラとしてシェアされるのは、情報容量が大きく世界に普及したインターネットに他ならない。ネットにつながるため全てが早く進行し、誰もがその速さについていけない。つまり、対応が早く利己的な人が勝つと全てを取り、残りの人はみんな敗者となっていく。これが経済格差を生んでいく。

だが、自己が持つメリットを自分だけでなく、他者のためにも使う。そこでシェアの思想が生きていく。シェアをすれば、今度は他人のためだけでなく自分のためにもなっていく。IoT社会では情報の共有と利他の精神が必要であろうと、山﨑教授は説いている。🛜🦶🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵