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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:日本経済の現実直視せよ」から

2022.7.4   日経産業新聞の記事「SmartTimes:日本経済の現実直視せよ」から

世界競争力ランキングでは89年1位から21年31位

コラムの著者 石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエヴァンジェリスト)が経済産業省の産業構造審査会の総会に参加して説明資料を見て愕然としたという。

○ 日本はもはや発展途上国か?

 石黒氏によれば、同審議会は経済及び産業の発展に対する政策の重要事項を決定するために作られたという。その総会資料にあった日本の経済力を知って驚いたのだという。

  • 世界の国内総生産(GDP)に占める各国比較で、日本は1995年第2位として17.6%であったが、2020年にはわずか6%、2050年には3.2%に転落した。
  • 世界競争力ランキングでは1989年1位だったが2021年31位に転落した。

つまり、日本の経済力はすでに発展途上国並みであるという。これに対して石黒氏はデジタル社会での施策について提案したという:

  • (資金)スタートアップへの投資を10倍に増やすためにVCだけでなく、米国に比較して大企業の内部留保と配当が明らかに大きいことから、大企業からの投資を促す。
  • (人財)デジタル人材への投資を必須。人材不足の打破のために、教育を根本から見直す必要がある。初等教育でのプログラミングは必修とし、理系女子を増やし、高等教育での理系と文系の分離をやめ、米国のように学部ではなく大学への入試に変える。

などがあるが、石黒氏が最も危惧するのは、日本の課題が日本国民が認識していないことにあるという。現状、米国ではスーパーマーケットでの卵やベーコンでさえも高くて手が出せない状況にあるのに、日本国内での牛丼は300円近くで買える。この価格は東南アジア諸国で比べても安い。たしかにウクライナ戦争で物価は上がるが、この30年弱の間、デフレーションが日本を支配していたことが問題である。これは物価にとどまらず給与でも同じで、日本国内の製造業で行われてきたオフショアが、今度は供給側になりエンジニアを海外に出すという逆転現象が起こっている。もはや発展途上国の構造である。📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:『ほどよい関係性』の時代」から

2022.7.8  日経産業新聞の記事「SmartTimes:『ほどよい関係性』の時代」から

コロナ禍で明らかになったオフィスの「人との交流機能」

人間関係がコロナ禍でさらに重視されるようになり企業にとってはその中でも生産性を向上させなばならない。コラムの著者 柴田 励司氏(インディゴブルー会長)がしてするのは人間間の距離感で「ほどよさ」がキーだという。

○ オフィスの「集中して仕事をする機能」はリモートワークに

 柴田氏によれば、人間関係がおかしくなるのは心理的距離感に齟齬が生じるからだという。

  • 部下のためを思って叱咤激励したつもりがパワーハラスメントとなる
  • マネー違反の他人の子どもに注意したら、その親からキレられる

など、日常生活に起こる。新型コロナウイルス禍によって人と人とのつながりが再認識され、つながりの距離感が変化した。高コンテクストの中で育ってきた企業幹部の世代とそれを嫌う若年層に見えない壁があるという。副業解禁で、正社員の本質も問われるようになった。

オフィスの機能も「集中して仕事をする」機能と「社員が交流する機能」に分けられるが、前者はリモートワークでも可能なことがコロナ禍で証明されてしまった。そこで、人的交流をどう進めるかが議論となる。知的交流からの創造も重要であるが、相互理解を深めて関係性の強化を図ることが主要なオフィスの役割となった。

柴田氏が指摘するのは、この関係性の強化で意識するべきことがあるという。それは、「ほどよい距離感」だという。今後のこの距離感が優秀な社員が働くやすい環境となるという。また、「ほどよい距離感」の場を設計することがマネージャーや組織のリーダーの役割となろう。

「ほどよい関係性」は、学校と親、住民と行政、顧客ホテルやレストランのサービスという場面で対立するものではなく、改善や課題解決、新しいアイデアが生まれやすくなり、活動もしやすくなるという。💡🏫🍀📈🏦🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:作品デジタル利用に管理の壁」から

2022.6.30  日経産業新聞の記事「眼光紙背:作品デジタル利用に管理の壁」から

オーファンワークスの利活用を欧米では進む

オーファンワークスとは美術作品や書籍、雑誌の論文なども含め、権利の所在が不明な著作物をさすが、コラムの著者によれば、欧米ではこれらの作品を利活用し、研究や創作、産業振興や情報発信を後押ししようと推進に熱心だという。

○著作権者の捜索や確認には大きな労力が

 コラムの著者によれば、一般社団法人映像コンテンツ権利処理機構(略称、aRma(アルマ))がウェブサイトで「放送番組に出演された方々を探しています」と呼びかけている。

この団体は、日本音楽事業者協会などが設立したもので、権利処理の円滑化や効率化を業務にしている。サイトの一覧表には:

  • 「大河ドラマ 篤姫」
  • 「連続テレビ小説 ちゅらさん」
  • 「時効警察」

など最近の作品にも連絡先不明の出演者がいるという。

映画やドラマには多くの個人や法人が著作権などの権利を持っている。俳優や演奏家も存命中は本人、死後も一定期間は誰かが権利を相続することができる。インターネットでの動画配信など当初から契約書にない利用には著作権者の了解が必要となる。時代はネットと放送の配信が常識となり、配信の権利をクリアしないと再放送できない。

しかし、現実問題として関係者全員の連絡先を突き止め生死の確認も行うとなると途轍もない時間とコストがかかる。関係省庁である文化庁は、捜索しても見つからない場合、未確認でも使える条件とルール、手続きを定めている。このサイトもその対応であるが、利用は低調だという。

一方、欧米では、過去の知的財産をネットで使いやすくし、研究や創作、産業の推進、情報発信を狙ってオーファンワークス(孤児作品)を再利用しやすいように著作権のルールを改めようとしている。日本もこの分野で遅れをとってはいられない状況であろう。🖼📖🎥📈🎒💴📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:『学び直し』でアップデート」から

2022.7.6 日経産業新聞の記事「SmartTimes:『学び直し』でアップデート」から

人が源泉となる第3次産業の時代に応えるには

コラムの著者 加藤 史子氏(WAmazing代表取締役社長CEO)が、日本政府の岸田首相が招集する「教育未来創造会議」に参加し、政府の骨太の方針にも関連して人への投資について語っている。

○ ペティ・クラークの法則にそって時代は第3次産業が主軸に

 加藤氏によれば、日本政府が6月7日に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で、「人への投資」に重点を置き、3年間で4000億円を投じるとしたという。その中で、加藤氏は「教育未来創造会議」に参加した。

初回の席上加藤氏は、

「かつては『鉄は国家なり』という言葉がありましたが、現代日本はまさに『人は国家なり』ですので非常に重要な政策に存じます」

と発言したという。「鉄は国家なり」は19世紀に武力でドイツを統一したビスマルクの演説に由来するという。当時は、大砲や鉄道に欠かせない鉄が国力の源泉であったからである。やがて、国の経済が発展するにつれて、その国の業種別の労働人口が第1次産業(農林水産業)から第2次産業(製造業、建設業)に移り、第2次産業から第3次産業(サービス業)へと移っていくという、ペティ・クラークの法則に従ってきている。日本もこの法則の例外ではない。日本の全労働人口の7割以上は第3次産業に従事している。

  • 第1次産業の価値の源泉:自然
  • 第2次産業の価値の源泉:鉄鋼などの資源
  • 第3次産業の価値の源泉:人

と移っていく。つまり人を資源にする限り、学問や学習が必要である。最も投資が必要なものは「学び」であることが窺える。人間社会は技術の進歩に伴ってスピードアップし、その中で生きていくには、つねに学ばねばならない。学び直しによるアップデートを続けていかねばならない。🏫🍀📈🏦🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:読み聞かせスピーカー、家族そっくりの声で再生」から 

2022.5.27  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:読み聞かせスピーカー、家族そっくりの声で再生」から

仕事と家庭の両立を考える情報機器

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が取り上げるのは9月に発売予定の読み聞かせスピーカー「coemo(コエモ)」でそのマーケティングについて考察している。

◯モニタ調査で思いに寄らない使い方が

 高岡教授が今回取り上げた情報機器は、ママの実体験からうまれた幼児や児童がいる家庭では必要となる読み聞かせの習慣を助けるものだという。製品は最先端のAI音声合成技術を活用し、実在の人物とそっくりな声でお話を良い聞かせるという。

2020年秋に開発が始まり、企画・開発を手掛けたタカラトミーの五島安芸子さんらはママの実体験から子どもへの毎日の読み聞かせが大変だと感じていたという。仕事で疲れての帰宅でも、子どもの聞く力や集中力を高め、読書への興味を駆り立てることは子どもにとって重要で、しかも親の声が子どもに落ち着きを与えるとも言われている。中には読み聞かせを休むことで罪悪感を感じる親もいるという。

そこで、たとえ合成音声であっても親の肉声が、子どもに役立てればという仮説で、開発へと進んだ。多くの試行錯誤とモニター調査で修正を加えながら、製品化に漕ぎ着けた。

利用法は、コエステ(東京・港区)の音声登録アプリ「コエステーション」でユーザーの音声を15分ほど録音して合成音声を作成しcoemoと連動させる。このアプリには国内外の童話やオリジナル作品など60作品が搭載されており、そこから好きな3作品を選んで本体の送信するとcoemoがお話を読んでくれるという。

モニター調査で興味深かったのは、多くの意見をいただいた点だという。中には両手が空くので一緒に話を聞いて子どもと触れ合える」など想定外の使い方に出会えた点だという。今後も使い方や使う場面を限定しないでユーザーの想像力を活かしていくマーケティングをしたいと開発メンバーが答えている。今後の展開が興味深い。👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵