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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:DX失敗例から学ぶこと」から

2022.5.24  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:DX失敗例から学ぶこと」から

本当の失敗事例は変革に挑戦しないで失敗すらできない企業

 コラムの著者 小松原 誠氏(WiLパートナー)は、日本企業の経営者のDXの成功事例については聞かれるが、本当に重要な失敗事例には聞かれないと言う。

○シリコンバレーのIT企業は経営環境は違いすぎてお手本にはならない

 小松原氏によれば、確かに成功事例を調べることは重要だが、事例を求めるのではなく、自らが事例となる気概で自分での課題解決が重要だという。そのためには失敗事例が「陥りやすい落とし穴」を示唆してくれるから有益であるという。

そういった意味とデジタルネイティブなシリコンバレーのIT企業とは経営環境が日本企業と大きく違うことから失敗学を学ぶべきだと、小松原氏は勧めている。さらに米国大手企業の失敗学をワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー傘下で世界最大級のニュースチャネルであるCNNの事例をまず紹介している。

  • CNNの失敗事例「CNN+」:最も重要な新規事業とうたわれていた有料ストリーミングサービス「CNN+」が4月にサービス開始わずか1ヶ月で打ち切り。主戦場のケーブルテレビの契約者数が減り続ける中で、起死回生を狙い100億円を資金投入をした。直接要因は会員数の獲得が目標を大幅に下回ったこと。その他、親会社のワーナー・ブラザーズとディスカバリーの合併で新経営陣となったが、方向性の違いが大きかったと言われている。
  • RBSのデジタルバンキングサービス「B o」:1727年創業のイギリス四大銀行の1つのRBS。このサービスは3ヶ月で廃止された。3年以上の月日と150億円もの資金が投入されたなり物入りのプロジェクトであったという。失敗の要因は、サービスの開始後に変わった新経営陣とBoチームの不和、旧態依然とした本体からの悪影響もあって、早いサイクルでのサービス改善ができず、アプリに対する顧客からの低評価が続いたことだという。

経営陣との意思疎通、市場投入のタイミング、顧客ニーズ、既存事業との軋轢、スピード感など失敗事例として学べ、DXの導入にも応用できそうである。いずれにしても失敗をしてでも挑戦し、そこからの従業員の学びが重要であろう。本当の失敗事例とは、挑戦することなく、失敗すらしなかった企業の危機感であろう。🔧💰🏦👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:人材は引き抜くもの」から

2022.5.20   日経産業新聞の記事「SmartTimes:人材は引き抜くもの」から

人材斡旋よりも人材引き抜き企業が重要

コラムの著者 スティーブン・ブライスタイン氏(レランザ社長)は、多少過激だが、適正人材を得るには人材斡旋企業におまかせではなく、自ら引き抜く方が重要だと語る。

○ 引き抜きをしないと言う談合は道義に反する

 ブライスタイン氏によれば、日本の人材斡旋会社は人材引き抜き会社になるべきだという。というのもコラムで紹介されているように、企業にとって適正な人材は斡旋では費用対効果も悪いことが多いからだと言う。面白い事例として社長が探しあぐねて人材斡旋で適正人材を探したところ高価な斡旋料と時間がかかった。念願の人材が入社してみると、経営陣はすでに前職で知り合っており、何も斡旋業者を使う必要はなかったという。

米国では、アップル、グーグル、アドビとインテルがお互いの社員の引き抜きはしないという協定をしていたとして、多額の集団訴訟に負けたという事例もあると言う。日本では紳士協定として人材の引き抜きはしないとしているが、引き抜くことを談合してしないという談合は道義上問題がある。しかし、ブライスタイン氏によれば、引き抜きそのものは、道義にも道徳にも反しない。

飽和市場で競合相手から顧客を横取りすることをためらう企業はない。同様に人材を人材不足の市場で横取りすることも何の問題もないとブライスタイン氏は主張している。雇用すると言うことは企業のビジネスの改善を行うとともに、企業も雇用した人に人生を良くすることになることでもある。経営者は最高の人材を探し、引き抜いていこうとすべきだと提案している。🍖🥓📈📉📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本マンガ・アニメ、作家X消費者で価値拡大」から

2022.5.20  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本マンガ・アニメ、作家X消費者で価値拡大」から

市場投入後の商品が消費者によって次の価値を広げるモデル

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、日本のマンガやアニメがどのように世界を制したかを共著ので述べているが、以前述べた独自のフォーマットの要因と消費者が作った作品の価値を拡大することについて説明している。

◯日本の生産システムの世界展開に重要なヒント

 三浦教授は青山学院大学の川又啓子教授らと「ジャパニーズ・ポップカルチャーのマーケティング戦略」(千倉書房)を著し、その中で、日本のマンガやアニメがどのように世界を制したかについて述べているという。

秘密は日本のマンガやアニメというコンテンツの生産システムに2つの革新があるためだという。

  • 作家側のフォーマット(規格)の確立

高度経済期に週刊マンガ誌、連続テレビアニメというフォーマットが作られたことにあるという。1959年に「週刊少年サンデー」(小学館)が創刊し、1963年「鉄腕アトム」のテレビ放映が開始されている。マンガ雑誌は世界に類を見ない、複数のタイトルを一冊に掲載したものであり、連続テレビアニメは毎週30分のフォーマット(規格)を作った。これによって各誌、各局が熾烈な競争を行ったことで、手塚治虫以来の日本のストーリー重視が展開され、精錬されて世界でも評価された。フォーマットの確立の恩恵は深い。

  • 消費者側の価値拡大フローの存在

生産者である作家が作った作品(製品)価値を消費者側がさらに拡大する。例えば「初音ミク」の事例では、女声ボーカルの音楽ソフトではあるが、発売元が非営利無償の2次創作を公式に認可したことから、誰もが初音ミクの楽曲をニコニコ動画に投稿し、それに誰かがアニメをつけ、さらにダンスをつける2次創作の輪が広がったという。

このような日本独自の生産システムをマンガやアニメのみならず他の産業でも参考となるのではないかと三浦教授は示唆している。📺📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇺🇸🇫🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:リスキングとDXと賃上げ」から

2022.5.16  日経産業新聞の記事「眼光紙背:リスキングとDXと賃上げ」から

労働生産性を分析するとリスキリングとDXで変わる

バブル崩壊後日本人の賃金は横ばいで推移してきたが、コラムの著者は、生産性が上がらないからだと言われてきた要因について分析している。

○労働組合の格差是正や日本政府の賃上げのお膳立ては不要となる?!

 コラムの著者によれば、2022年の春の労使賃金交渉でも平均賃上率(連合の第2回集計結果、3月25日発表)は2%強でしかなかった。

多くのメディアなどから指摘されているように日本企業の従業員の賃金が上がらないのは労働生産性が低いからだと言われてきた。では、どうして生産性が上がらないのか?

この疑問を考える上でコラムの著者は、財務諸表を分析して1つの仮説を導き出した:

  • 労働生産性=従業員一人当たりの付加価値=付加価値/従業員数 と定義してみる。

されに、これは、

  • 労働生産性=(有形固定資産/従業員数)*(付加価値/有形固定資産)

に分解できる。そこで、①1番目の()内を考えると、設備投資をして労働装備率を上げることを意味している。つぎに②付加価値を生み出しているものに設備投資の中身を絞り込んで設備生産性を高めることになる。生産性を上げるのは①か②の両方か、どちらか一方になる。

①の労働生産性についてはICTによる設備を備え、効率的に稼働しなければならない、そのため従業員は、ICT機器を使いこなせるスキルが必要で、リスキリングが必要であろう。

②は設備投資を付加価値に結びつける工夫がDXとなる。デジタル関連の技術や機器を取り入れてビジネスモデルを再構築する。

リスキリングとDXを両輪として回せば生産性が向上する、この仮説によれば、労働組合の格差是正や日本政府の賃上げのお膳立ては不要かもしれない。🍟🚓💴📖📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:フードテックの産業革命」から

2022.5.18   日経産業新聞の記事「SmartTimes:フードテックの産業革命」から

2030年に世界で20兆円の規模を持つ代替肉市場

2021年1月にNEXT MEATS HOLDINGSがSPACを使って米証券市場にスピード上場したが、コラムの著者 吉井 信隆氏(インターウォーズ社長)は、その意義について語っている。

○ 日本国内外市場で事業展開

 吉井氏によれば、NEXT MEATSは代替肉のフードテックを駆使して「地球を終わらせない」を理念とするスタートアップである。驚愕の7ヶ月でのスピード上場で、初日の時価総額が約4億5200万ドルで市場の注目を浴びた。同分野では2019年5月、シリコンバレー生まれのビヨンド・ミーツがナスダックに上場している。代替肉市場は2030年に世界で20兆円規模であると言われ、牛肉に比較すると「水75%カット、温暖化ガス87%減、土地95%減」という省資源で生産でき、環境にやさしい。

NEXT MEATSの製品は、植物性の焼肉・牛丼・チキン・ポーク・ツナなどで、イオングループをはじめ大手スーパーやECのOisixの他、パレスホテルでもメニューに採用されているという。研究開発は新潟県長岡市にあるNEXT Labで行われ、バイオテクノロジー、メカトロニクスの世界の頭脳が研究しているという。創業者の白井良氏と佐々木英之氏は実は食品の開発研究の経験がないという。二人は12年前の中国・深圳市で「環境問題に対峙するビジネスを目指す」ことで意気投合し、ハイスピードでチャレンジが可能な「環境問題や食糧危機に対応する代替肉に着目したと言う。

食品開発に経験がない二人は商品開発で苦労したが、代替肉として本物の肉にはない商品価値を生み出そうと、食感や美味しさを追求し、素材、熱、圧力など様々な点を改良していった。さらに多くの専門家に知見を求め大学や食品メーカーの研究室に通ったという。最大の難関は食べた時の食感で、「口当たり、舌触り、歯応え」などを3年をかけて突破した。

起業家の素晴らしさはこの分析戦略ではなく、異色の二人が出会って化学反応を起こしたことが成功のキーであると吉井氏は指摘している。🍴🍖🥓📈📉📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸