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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:元素の周期表、要素整理し一般法則へ」から

2017.9.12   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:元素の周期表、要素整理し一般法則へ」から

システムの要素を整理することで得た原理、法則の1つ

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、全体の機能を発揮する元を要素に分解し整理することで一般原理や法則をサイエンスの事例を紹介している。

◯原子番号や原子量と結びつけてあらゆる元素を分類することは科学者の昔からの願望

この願望は、古くから試行され徐々にその周期性に注目されることになる。和田教授によればサイエンスは、万物を複数の要素が相互作用して全体の機能を発揮するシステムと捉えるという。だから未知の要素の発見とそこに見られる相互作用を一般原理、法則として理解する。

今回和田教授が取り上げたのはロシアの化学者メンデレーエフによる元素の周期律の発見である。

古くからの試行の主なものとして、

  • 英国の化学者ニューランズ:1864年当時の既知の元素を原子量の順番に配列すると8番目ごとに似た性質の元素が出現することを発見。オクターブの法則である。
  • ドイツのマイヤー:1969年、融点や原子容などの物理的性質が原子量の順に周期的に変わることを発見。
  • ロシアのメンデレーエフ:原子量順に元素を並べると化学的性質に周期的変化があることを発見し、元素の分類表である周期表を作成した。1969年当時の約60種の元素で構成したが、未発見のところは空席にしてそこに来るべき元素の性質を予言した。

がある。

その後、メンデレーエフの周期表で空席に入る元素が発見され、周期表の信用があがり、新元素発見の原動力にもなった。🎓📖⚡️💡happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国、スマホ決済の先に」から

2017.9.7 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国、スマホ決済の先に」から

ジョージ・オーウェルの小説「1984年」の世界

コラムの著者は、中国経済の減速が続くために先行きの不安を懸念する声もあるが、実際にはICTによる生産性の向上が成長を支えるのではないかと予想している。

◯パソコンやインターネットを追い越しスマホやモバイルインターネットが先行

コラムの著者は、中国経済をスマホやモバイルインターナットが、モバイル決済などで支えられていくのではないかと指摘している。後進ゆえに、日本など先進諸国とはことなり、パソコンやインターネットから発達するのではなく、一足飛びに、スマートフォンやモバイルインターネットが先に進んだ。その核になるのが、モバイル決済で、EC(電子取引)関連企業などの「アリペイ」や「ウィーチャットペイ」などの決済アプリを提供し、デパートから街角の小さな商店でも利用できる環境を作った。

さらに、スマホ決済を前提とした様々な新規ビジネスが生まれている。自転車のシェアリングサービスのモバイク、タクシーの配車アプリなどで使われる補償金や利用料の支払いはモバイル決済でできる。

個人情報保護の概念が薄いのも中国的で、個人の行動はお金の流れとともに全て当局に把握されることになる。確かに反体制派の監視には有効だが、まさにジョージ・オーウェルの小説「1984年」の世界で、利便性の追求だけではなく、体制側の思惑もありそうだ。💳🇨🇳💰⚡️🌍


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:自動車の軸、機械から化学へ」から

2017.9.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:自動車の軸、機械から化学へ」から

すでに半世紀前の豊田中央研究名誉所長が予言

コラムの著者は、自動車が鉄製のガソリン車から自動走行する樹脂製の電気自動車に非連続のイノベーションが必要とされる中、先人がすでにそれを予言していたことについてふれている。

◯「技術なき工学は空虚であり、工学なき技術は盲目である」

 元豊田中央研究所名誉所長であった梅原半二氏の名言の1つで、コラムではこの他に

  • 人間を生物学的にあるいは生化学的に見直して、それを自動車になりに化学工業にフィードバックすることは必要。
  • 化学工学をマスターしたものが自動車工業の柱になり得ると考えております

などを紹介している。すでに半世紀前もたつこれらの言葉が今起こっている非連続なイノベーションを予言したかのようである。

いずれにしても、今後化学工学が産業構造の大再編を促す引き金になりそうだ。✏️🎓📖🚗🔧⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中小企業の人手不足、途上国の工学人材活用を」から

2017.9.8   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中小企業の人手不足、途上国の工学人材活用を」から

受け入れ側の社内体制や制度の整備も必要

コラムの著者 近藤 正幸氏(東京電機大学特別専任教授)は、国際協力機構(JICA)事業として埼玉県が2013年から実施している「埼玉・セブものづくり人材育成事業」の一環としてフィリピン・セブ州で工科系学生を前に集中講義をおこなった。その際の課題について語っている。

◯授業習得も優秀で日本企業に就職も

講義の最中に居眠りや下を向いて俯いているような学生は一人もおらず、事前に出した課題に真剣に取り組み、グループ討議でも予想以上の出来栄えであった。しかも英語もうまく、極めて優秀だと言う。

当初は日本語ができないが日本企業に就職した学生は1年も経たないうちに習得し、日常会話だけでなく、仕事上でも重要なことは日本語で話せるレベルになるという。

日本では人手不足が深刻で集計開始以来、有効求人倍率も1.01倍と、企業にとっては採用が難しく、中小企業にとっては極めて厳しい状況だ。今回の活動で、埼玉県内の中堅、中小企業が講師をおこなって日本的経営や日本のものづくりを学び、そこから優秀な人材が就職してくれたら、好事例になるという。グローバル化の中で中小企業が海外で人材を上手く活用できる社内体制や制度も整備することが課題であろうと、近藤教授は示唆している。🔧⚡️💡🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:3時間用おむつ、顧客分析が生んだ新市場」から 

2017.9.7    日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:3時間用おむつ、顧客分析が生んだ新市場」から

競争が激しい分野から違う視点で

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、王子ネピアの赤ちゃん用おむつ製品を通うじて、競争の激しい分野から顧客分析によって違う視点で別の市場を開拓した事例を紹介している。

○長時間おむつ必須性

 同社は赤ちゃん用おむつの新ブランドを全国で展開する。これまで、出生率の低下やインバウンド需要の減少で、おむつ自身が変倍量、販売金額とも低下傾向にある中、出生から低年齢の赤ちゃんをもつお母さんの声を分析して、品質志向、高付加価値で高価格志向の市場ができつつあることを突き止めた。

それは、これまでおむつ製品は長時間の吸収力を軸に各社開発競争を繰り広げてきたが、一方で同社がおこなった調査では、肌が敏感な1歳までの赤ちゃんをもつお母さんの6割が3時間以内におむつを交換することが浮かび上がってきた。短時間の交換への気づきは、企画に変わり、2014年から本格的に開発をスタートさせた。コンセプトどくりから技術開発で多くの試作を行い、お母さんの協力をえて、試行錯誤の後に3時間用おむつは細かなキルティングでこれまでにない薄さを実現。高い吸収性力と通気性、動きやすさを兼ね備えた付加価値のある製品となった。

また、家で過ごす日中は3時間用、外出時や就寝時には12時間用という、同社の提案も受け入れられ、既存製品との住み分けもでき、新市場が開かれた。厳しい市場お長時間おむつから新市場の3時間おむつの両者に販売できる強みが出てきたわけである。

既存路線での改善だけでなく、使い分けのような視点の違いで新たな基軸を生んだ好例であろう。👶⚡️💡🌍happy01