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2016.8.2  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:計測標準の二面性、普遍性と多様性が両立」から

物質固有の特性から離れなれない標準物質

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、過去数回にわたって計測標準となる量が、物質を離れ、物理定数によって定義される例を紹介してきたが、今回は分析に用いられる標準物質についても言及している。

◯無限の種類が供給される必要のある標準物質

山﨑教授によると、物質の量までが普遍的な物質定数で定義されるほど計測標準の世界は変化しつつある一方で、物質の固有の特性を離れることができない標準として標準物質があるという。

標準物質は、純粋な物質や正確な組成をもつ化合物で作られ、物質分析機器の校正に使われる。標準物質を分析機器の校正に利用する場合、容器から機器に移して校正するが、使用後、再び元の容器に戻すことはないという。標準物質の純度や成分の変化を避けるためである。そのため、校正のたびに標準物質は消費される。標準物質は種類が多いばかりではなく、消費を補う供給体制が不可欠になる。標準物質にはこのように、多種多様な物質の組成や成分比など供給される多様性が必要となる。血液検査などで検体検査が行われ、患者にもその結果が通知されるが、多種類の標準物質により分析値の正確さが保証さるからこそ、信頼おける検査結果と言える。pchappy01

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