【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:家族経営商店の減少」から
2016/07/18
2016.7.14 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:家族経営商店の減少」から
家族経営の商店が地域社会における結節点
コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、前回に引き続き、地域コミュニティーに関連して家族経営の商店の意義についてふれている。
○経産省の統計では減る続ける家族経営
経済産業省がまとめた商業統計によると、日本全体の小売事業所数は1982年以降、一貫して減少し、ピークの40%も減少しているという。このような小売事業所の多くは家族経営の個人商店で、さらに調査によると、6割の商店主が先代から商売を引き継いでいる。しかし、その傾向は急速に変わりつつあり、家族間で事業を継承しなくなっているという。事業承継の意思は、「わからない」が36.4%、「継承しない」が34.1%と、家族経営はこのままであると、レアなケースになろう。
家族経営の商店はチェーン経営の店舗とはことなる。ビジネスとしての柔軟性が高いため顧客に対してきめ細かく対応できる。さらに、仕入れから販売、その他のオペレーションに家族が直接関わることから裁量権が広い。さらに顧客のニーズを高いレベルで把握してきめ細かい対応を可能としている。顧客を絞り込み、緊密なコミュニケーションの上でなりたっている。
密接なコミュニケーションで家族経営の商店は地域社会の情報の結節点となり、それが長く継続することで、地域コミュニティーが生まれ、個性を持つことになる。こうなると、家族経営の商店の減少は、地域社会の衰退を呼ぶことになる。不景気にもこのような商店は雇用の受け皿となることから、広い目で家族経営の商店をとらえるべきと、横山教授は指摘している。
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