【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:チェーンストア、効率性と多様性両立へ」から
2016/06/06
2016.4.21 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:チェーンストア、効率性と多様性両立へ」から
大規模チェーンストアのジレンマ
コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、チェーンストアの市場占有率の高まりから、そのジレンマについて語っている。
○チェーンストア経営は小売業の主要な戦略をリードし続けてきた
横山教授によれば、高度経済成長以降の流通近代化の起爆剤としてチェーンストアは常に小売業の主要な戦略をリードし続けているという。ただ、最近は、チェーンストア経営に邁進するだけでは、顧客満足が得られないという時代となってきたという。
背景にチェーンストアの市場占有率が高まってきたことで、消費者にとっては、同じような商品を買わざるをえなくなり、顧客満足が低下しているという。確かに、共通の商品・サービスを共通の価格・店舗・オペレーションを提供することで標準化を行い、コストをさげ、仕入れサイドをコントロールし、時代を席巻してきた。ただ、消費者の好みは多種多様で、標準化が進むと確かに効率は上がるが、多様な顧客に対応しにくくなるという欠点が出てきた。
この間隙を縫うのが、地元のスーパーなどの中小小売商業者で、特定の顧客に合わせて、その顧客が喜ぶような対応を高いレベルで追求することで、最大公約数的な顧客対応になりがちな大規模チェーンストアに対抗している。
ユニクロを展開しているファーストリテイリングが「チェーンストアを超える」をスローガンに、店舗ごとに最適な品揃えを実現して地域の顧客に喜んでもらおうとしている流れは、顧客の多様性への挑戦である。効率化と多様性の間のトレードオフの戦いはまだまだ続きそうだ。
コメント